資産運用のモデルパターン

資産運用のモデルパターンをお示しして、解説します。様々な会社名、商品を並べると、選ぶのが大変になると思いますので、できるだけ絞り込んで説明します。

このモデルパターンの基本は、以下の通りです。

  1. 証券会社(野村証券かSBI証券)に口座を開く。

  2. まとまったお金があれば、1306とSPYというETFを定期的に毎年100万円ずつ5年間買う。合計で1000万円です。まとまったお金がなければ、毎年この2つの商品を交替で1商品ずつ、50万円買っても構いません。6年で300万円です。

  3.  つみたてNISAの「野村つみたて外国株投信」(野村証券、SBI証券のどちらでも購入可能)で毎月3.3万円を積み立てる。60歳未満の人なら、それに加えて、ニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックス(SBI証券)、野村DC外国株式インデックスファンド(野村証券)でiDeCoを始める。

  4. できるだけ長期に保有して、評価額が下がっても5年たてば回復することを待ちます。

  5. 以上の通りですので、銘柄選択、売り時・買い時、損切り、利益確定などを考える必要はなく、知識も経験もいりません。

それでは、これから資産運用のモデルパターンを説明します。

なお、要約版をご覧になりたい方は、「資産運用のモデルパターン(要約版)」へどうぞ。

1.モデルパターンの基本形

金融機関:野村証券またはSBI証券

① 日米のETFを5年間に分けて毎年200万円合計1000万円購入

日本のETF購入 :100万円  1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)
米国のETF購入 :100万円  SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)

② つみたてNISA

・毎月の掛け金:3.3万円

・商品:

野村証券に口座を持った場合 ⇒ 野村つみたて外国株投信

SBI証券に口座を持った場合 ⇒  <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

③ iDeCo(個人型確定拠出年金)【60歳未満の人のみ】

投資したい商品:SBI証券ならニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックス、野村証券なら野村DC外国株式インデックスファンド

<解説>

金融機関:野村証券またはSBI証券

【モデルパターンの基本形】で提示しているETFの1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)とSPYを購入できるのは証券会社だけなので、銀行などは候補から外れます。

野村証券の特徴

全国に支店があり、対面証券会社だけでなく日本で最大の証券会社です。長年の信用があり、日本の証券会社の中ではシェアが圧倒的に高い。ETFの売買手数料がネット証券に比べれば高いですが、長期に保有すればネット証券より不利になることはあまり有りません。逆に、売買手数料が高いことが障害となりますから、頻繁に売買を繰り返さないことによって、ETFの長期保有につながるというメリットがあるかもしれません。ネット証券に比べて、IVV(アメリカのS&P 500の ETF)などの品ぞろえが十分ではありません。積立インデックスファンドで人気のある<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドを取り扱っていません。

SBI証券の特徴

インターネットを中心に事業展開していますが、秋葉原や新宿などにマネープラザという対面窓口も持っています。野村、大和等対面証券会社よりシェアは低いですが、ネット証券の中では最大のシェアを持っています。ETFの売買手数料は対面証券会社より低い。逆に、売買手数料が安いために、頻繁に売買を繰り返せば、コストが上がるとともに、長期保有しなくなる恐れがあるかもしれません。対面証券に比べて商品の品ぞろえが充実しています。積立インデックスファンドで人気のある<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドを取り扱っています。

ちなみに私と連れ合いの場合

二人とも、証券会社は野村証券1社だけです。保有している金融商品は、ETFとしては、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)、SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)、VOO(アメリカVanguard社のS&P 500の ETF)、VGK(Vanguard社のヨーロッパの ETF)、VWO(Vanguard社の新興国市場の株を集めたETF)、ASX(SPDR社のオーストラリアのETF)です。外貨MMFとしては、USMMF、豪ドルMMF、カナダドルMMF、NZドルMMFです。私は30年以上前から野村証券に口座を持っていましたので、そのまま使っているという状態です。私の場合、ETFの選択基準は純資産額が1兆円以上ですので、かなり規模の大きいETFということになります。野村証券は、それらのETFの品ぞろえをしています。連れ合いも私と同様の金融商品に絞って資産運用していますので、野村証券1社で特段の支障は有りません。

ちなみに私の投資総額

私は、60歳以降、非正規のパートタイマーとしての収入と、老齢厚生年金(報酬比例部分)、確定給付年金、財形年金の受け取りを開始しました。従って、収入についての不安がないため、退職金などの銀行預金の全額で、1306、SPYなどのETFを購入しました。当面、数百万円以上の費用が発生する予定は有りませんので、現在の収入で生活できると思います。インターネットのロボアドバイザーで判断してもらうと、60歳以上のシニア層は、債券などの非リスク資産の割合を多くするような投資パターンを推奨しています。しかし、単純に年齢で判断するのではなく、それ以外の状況を踏まえて判断すべきだと思います。なお、もし予期せぬ出費があった場合には、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)を売却して充当することによって、日本のETFのウエイトを下げられるので、都合が良いと思っています。

ちなみに子供たちの場合

ただし、私の子供達にとって、野村証券が最も望ましいかと言えば、そうではないだろうと思います。つみたてNISAとETFに関しては、野村証券とSBI証券に大差はないようですが、つみたてNISAでない通常の積立投信については、野村証券には申し込みたい商品がないからです。つみたてNISAとiDeCoは金額的な枠があるために、それ以上の金額を積み立てたいと思ったときに、野村証券の今の品ぞろえでは、申し込みたい商品がありません。具体的には、積立インデックスファンドで人気のある<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドを取り扱っていません。従って子供達には、野村証券ではなく、SBI証券を勧めようと考えています。証券会社の口座を複数持つということも考えられますが、複数になればそれなりの煩雑さが発生するとも思われますので、できれば1社で済ませたいと思います。

① 日米のETFを5年間に分けて毎年200万円合計1000万円購入

ETFとは?

ETFとは、Exchange Traded Fundsの略で、東証株価指数(TOPIX)等の動きに連動して運用する、東京証券取引所などに上場している投資信託です。ETFの運用方法はパッシブ運用で、非上場の投資信託のインデックスファンドと運用方法は同じです。運用方法には、パッシブ運用以外にアクティブ運用があります。アクティブ運用はパッシブ運用を上回る成績を目指していますが、なかなか上回ることが難しいのと、信託報酬というコストが高いことが最近では知られています。

ETFとつみたてNISAの購入金額の違い

ETFは、100万円、200万円といった、まとまった金額で購入した方が、単位当たりコストが低いので、ボーナス、退職金等の受け取り時に購入するのに適しています。一方で、つみたてNISAは、普段からコツコツと毎月数万円ずつ購入するシステムです。

超低金利の現在、債券に魅力なし

資産運用の基本的な金融資産は株式と債券です。債券のうち代表的なものは、日本国債と米国債です。日本国債は現在金利がほぼゼロですので、金融資産としては全く魅力がありません。日本国債に投資するのであれば、銀行預金にしておいて、必要な時に自由に出し入れできる状態にしておいた方が良いかもしれません。もう一つの代表的な債権は米国債ですが、その金利は現在2%台です。日本国債に比べれば高いものの、為替リスクをかけてまで投資したいという気にはなりません。過去において米国債の金利は5%以上だったことがありますので、もう少し金利が上昇してから購入を考えたいと思います。

ETFのメリット

ETFのメリットは、長期的に値上がりが期待できること、インフレ対策として有効なこと、資産の分散を行いやすいこと、個別株式に比べて価格変動が少ないこと、価値がゼロになることがないことです。

ETFは長期的に値上がりを期待できます。

アメリカの株式は、過去200年以上にわたって上昇しています。また、SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)についても、1993年の発売以来、ITバブル崩壊、リーマンショックを乗り越えて上昇しています。日本においては、アメリカの株式ほど高い増加率ではありませんが、上昇を期待できます。詳細については、「ETF・インデックスファンドを買いたくなるグラフ」をご覧ください。

ETFは長期保有すれば債券より安全です

通常、株式は債券よりも変動が大きくリスクが高いと考えられています。この考えは短期については正しいと思います。しかしながら、ETFを長期保有した場合には、この考えがそのまま有効であるとは思いません、その理由は、「ETF・インデックスファンドを買いたくなるグラフ」でもお示しした、ジェレミー・シーゲル教授のグラフでもわかるように、長期で見た場合、アメリカでは国債よりも株式が上昇しています。つまり、1年、2年の短期で見た場合には、株式の価格変動は激しいのですが、10年、20年という長期で見た場合には、毎年の利回りが高いので安全圏まで上昇してしまうということです。

ETFはインフレ対策として有効です

資産運用をするときに、価格変動リスクと同時にインフレリスクも考えなくてはなりません。実は、私が現在の資産運用を真剣に考え、実行し始めた最大のきっかけは、インフレリスクです。日本政府は、赤字国債を発行し続けた結果、近い将来、激しいインフレがやってくる恐れが高いと思います。インフレについては、膨大する国債残高と個人ができるインフレ対策をご覧ください。株式と不動産はインフレに強いと言われています。現在日本政府が販売している変動金利国債もインフレにはある程度有効です。しかし、外貨ETFを購入すれば、インフレに相応して為替が変動しますので、日本のインフレを回避することができます。日本のETFについても長期保有すれば価格が安全圏に近づいていくと思います。日本だけでなく、アメリカもインフレになる恐れはありますが、日本は明治時代に約2倍のインフレと第2次世界大戦後に約200倍のインフレを経験しています。そして、このことを日本人は知らなかったり忘れてしまっています。先進国の中で、これほどひどい状態を続け、さらに悪化させているのは日本だけです。金融資産は、日本円だけで保有するのでなく、外国の株式や外貨で幅広く保有したいと思います。

ETFは資産の分散を行いやすいのです

ETFが普及する以前は、個別株式やコストの高い投資信託しかなかったので、資産の分散化は難しかったのす。しかし、ETFが普及することによって、容易に世界の様々な地域に投資することができ、しかもそれぞれの地域のたくさんの企業に分散投資することができるようになりました。それに加えて、バンガード社を先頭に、極めて安い信託報酬(コスト)で購入できる商品が増えました。このおかげで、個人投資家はプロの投資家と同じ程度の成果を同じ程度のコストで実現することができるようになったのです。個人投資家にとって、とても便利でありがたい時代になったものです。ですから、このETFという商品を是非とも購入して利用したいものです。

ETFは個別株式に比べて価格変動があまりありません

ETFにも、ある程度価格変動はありますが、それは個別株式ほどではありません。その理由は、数多くの個別株式に分散投資するからです。日本株式の相場をテレビや新聞などで見聞きしていると、1990年前後のバブルとその崩壊、リーマンショックなどで大きく変動していると受け止めます。それでも、個別の株式よりも変動は少ない商品です。しかも長期保有すれば、価格変動に影響を受けない安全圏まで上昇することが可能です。

ETFは価値がゼロになることがありません

個別株式は、一つの会社の株式ですから、その会社が倒産すれば、保有する株式の価値がゼロになることがあります。実際に、私の父親は山一証券の株式を持ち、私の連れ合いも自分が勤めていた会社の株式を持っていましたが、両方とも価値がゼロになりました。つまり、株券(今は株券は有りませんが)がただの紙切れになったのでした。私の連れ合いは、30年以上前に毎月社員持株会で購入してきた400万円がパーになりました。それに対して、ETFは一つの会社が倒産した場合、わずかに価格が下がることがあっても、ゼロになることは有りません。このため、利益確定、利食い売りをする必要がありません。安心して長期投資できるのです。

日米のETF

ETFを購入する場合、地域的に考えれば大きく分けて、日本だけ、世界中、日米だけ、という3種類が考えられます。先ず、日本だけという考え方については、資産分散という観点から問題があると思います。日本は過去150年間に2回も激しいインフレを経験しているにもかかわらず、現在国債残高が膨張する一方です。しかし、米国が安全で、日本だけが心配なのかと言えば、そうではなく、どの国も同じように心配な状況にあります。そこで、できるだけ資産を分散する必要があると思います。それでは、世界中に資産分散すればいいのですが、自分の良く知らない地域に投資をするのも不安です。日本と米国の株式については、NHKのテレビやラジオでも、日経平均、TOPIX、ダウ平均、ナスダックの指数を毎日放送しています。価格の動きが分かるETFを買うことが、最初の一歩ではないかと思います。世界の株式のうち、米国の占める割合が6割弱、日本の株式が占める割合が1割弱ですから、この両国の株式を保有すれば世界の7割弱を保有することになります。なお、【1.モデルパターンの基本形】では、ETFは日米だけですが、【2.モデルパターンの応用形】では、ヨーロッパや新興国にも投資します。

5年間に分けて投資

投資する時に、一度に全額を投資する方法と、数年に分けて投資する方法があります。その両方の方法にメリット、デメリットがあります。一度に全額を投資すれば、早く投資することができますから、その期間の利回りの分だけ資産運用益を期待することができます。ETFの利回りが5%の場合、2年なら10%のリターンをより多く期待できることになります。しかし、一度に全額を投資すれば、安く買う可能性もありますが、高値掴みしてしまう可能性もあります。つまり、リスクが大きくなります。私の連れ合いは、リーマンショック直前の2007年に1306(TOPIX連動型上場投資信託)を買いました。このため、リーマンショックによる精神的ショックで投資意欲がしばらくの間、無くなってしまいました。そして、1306を追加投資できる精神状態に戻るまでには数年を要したので、この間、安値で買うことができませんでした。もし最初から、5年に分けて毎年同じ額を同じ時期に買おうと決めていれば、安い時期にも購入することができたのに、と残念です。5年間であれば、平均して2年間の遅れで済みますので、それほど運用益を減らさずにリスクも避けることができます。ETF投資のスタートとしては、5年間で分散投資することによって、リスクを減らすことが安心ではないかと思います。2年間の遅れは保険料だと考えればよいと思います。

1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)

【モデルパターンの基本形】では、日本と米国のETFを1対1の割合で購入します。日本は、現在でも米国よりもはるかに小さい経済規模ですし、将来的に少子高齢化で世界の中での経済力は相対的に縮小するでしょう。しかし、日本の株式であれば、NHKのニュースや新聞から、ある程度情報が入って来るので勉強になりますし、為替手数料もかかりませんから、一定程度保有した方が良いと思います。そして、知識だけでなく、価格が変動した時の経験によって、耐性や胆力がついてきます。そういうことから、スタートとしては日本のETFをある程度持った方が良いと思います。1306は日本のETFで中で最大の規模を誇ります。純資産額は2018年1月現在で7兆円です。また信託報酬は0.11%ですから、十分に低い水準です。

SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)

SPYは1993年に世界で初めて発売された米国最大のETFです。純資産額は2018年1月現在で30兆円です。また信託報酬は 0.0945%ですから、十分に低い水準です。SPYは東京証券取引所において、株式コード1557で購入されていますが、取引量が少ないので、私は、NYSEアーカ取引所で購入しています。

私と連れ合いのポートフォリオ

私と連れ合いの毎月のポートフォリオは、このブログに投稿していますので、そちらをご覧ください。1306とSPYを中心に他の外貨MMF、外貨MMFで運用しています。

② つみたてNISA

つみたてNISAは、税制上の優遇措置がありますから、ETFなど他の投資を削っても利用すべき制度です。つみたてNISAの非課税期間は最長で20年間です。もし、60歳から始めれば、平均余命までは十分に利用できます。投資期間が5年でも10年でも税制上有利です。

・毎月の掛け金:3.3万円

年間の非課税枠が40万円なので毎月の掛け金は3.3万円になります。この3.3万円を複数の商品に分散することも可能です。

野村証券の場合、野村つみたて外国株投信

この商品は、野村証券が、つみたてNISA専用として用意したものです。野村証券では、つみたてNISA専用として次の6商品を用意しました。

商品名          信託報酬(年)

野村つみたて日本株投信  0.1836%

野村つみたて外国株投信  0.2052%

野村6資産均等バランス    0.2376%

つみたて8資産均等バランス  0.2376%

ひふみプラス                       1.0584%

コモンズ30ファンド            1.0584%

これらの商品のうち、ひふみプラス、コモンズ30ファンドについては、アクティブファンドであることと、信託報酬が高いので採用しません。野村6資産均等バランス、つみたて8資産均等バランスについては、債券とREITを含んでいるので採用しません。債券については現在、世界的に低金利で、特に日本の金利はほぼゼロですから投資する気にはなれません。将来的に金利が上昇してくれば、バランスファンドではなく、個別に米国債などの購入を検討します。また、REITについては、NHKのテレビ、ラジオで毎日の相場を放送しません。つまりマイナーな商品で相場の動きが自然に情報として入ってこないので、投資する気にはなりません。また、バランスファンドに占めるREITの割合が、3分の1、4分の1となっていますが、株式の市場に対してウエイトが大き過ぎます。(現実のREITの時価総額は、株式の時価総額の50分の1です。)私も連れ合いも、日本株のウエイトを下げたいと考えているので、現在NISAで運用している1306の非課税期間5年が経過したら、その資金を元に、つみたてNISAに移していく考えです。

SBI証券の場合、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

この商品は数年前から他社・他商品に先駆けて、低コストの信託報酬を実現した素晴らしい商品です。投資信託をよく知っている人の間でとても人気のある商品で純資産額が急増しています。<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの純資産額は、2018年1月現在で786億円、信託報酬は年率0.20412%以内となっています。

③ iDeCo(個人型確定拠出年金)【60歳未満の人のみ】

税制メリット

SBI証券のホームページを見るとiDeCoの特徴として、次の3つの税制メリットをあげています。人によって違いがありますが、生涯の税制メリットは数百万円になりそうです。各社のホームページでシミュレーションも可能です。

  • 住民税と所得税が軽減できる!
  • 運用収益がすべて非課税に!
  • 退職金や年金として所得控除が適用!

拠出限度額

職業などにより拠出できる限度額は、毎月以下の通りです。

  • 自営業やその家族:6.8万円
  • 会社員・公務員等:1.2万円/2万円/2.3万円
  • 専業主婦(夫)など:2.3万円

投資したい商品:SBI証券ならニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックス、野村証券なら野村DC外国株式インデックスファンド

最初に資産の種類(アセットクラス)を選ばなければなりません。DCは長期にわたる商品ですし、運用収益が非課税であるということを考えれば、必然的に外国株式ということになると思います。その理由は、過去において最も運用収益の上がったアセットクラスは外国株式だからです。債権は日本、アメリカともに株式には及びませんし、株式は日本が今後少子高齢化の影響を受けるということを考えれば、米国や新興国ほどの成長を成し遂げるとは考えにくいと思います。また、債券が投資対象から外れることにより、バランス型の商品も全部検討対象から外れます。私はDCについて詳しく検討したわけではありませんが、規模と信託報酬から考えると、ニッセイ-DCニッセイ外国株式インデックスが優れていると思います。2018年1月現在、純資産額が約100億円、信託報酬は年率0.20412%です。野村証券の場合は、野村DC外国株式インデックスファンドで、信託報酬は年率0.2376%です。

このiDeCoという制度は、60歳未満の人であれば、つみたてNISAよりも先に、まず第一に利用すべき制度です。

2.モデルパターンの応用形

① VOO、IVV、VGK、VWO、EUN2、IMEU、VT等の外貨ETFを買い増す

② 税の優遇措置のない投信積立

③ 米国の金利が高くなれば米国債を買う

④ 外貨の資産を20年以上かけて、7割、8割、9割まで高める

⑤ 金、REITの購入について

⑥ NISA

⑦ 変動10年国債

⑧ 財形、小規模企業共済、国民年金基金

 

<解説>

① VOO、IVV、VGK、VWO、EUN2、IMEU、VT等の外貨ETFを買い増す

IVVとVOO

米国のS&P500のETFには、SPY以外にも、IVVとVOOがあります。IVVとVOOの純資産額はSPYには及びませんが、信託報酬は両商品とも0.04%とSPYの半分以下です。100万円の保有残高に対して信託報酬は、1年間でIVVとVOOが400円、SPYが945円です。SPYも十分に低いコストですが、それよりも更に低い水準です。純資産額の規模、取引量、コストを総合的に判断すると、どれを選んでも大差ないと思います。

VGKとVWO

米国以外の地域のETFを保有したいなら、ヨーロッパのVGK(純資産総額2兆円、信託報酬0.1%)、新興国のVWO(純資産総額10兆円、信託報酬0.14%)があります。これらはドル建てです。

EUN2、IMEU

ヨーロッパのETFでユーロ建ての商品を選びたい場合には、EUN2、IMEUも候補になります。両方とも純資産額5000億円程度です。経費率はそれぞれ、0.16%、0.35%です。

VT

VTは、バンガード社の商品で、 米国を含む全世界の先進国株式市場および新興国株式市場に投資できます。信託報酬も0.11%と安くなっています。ドル建てです。

S&P/ASX 200

オーストラリアのETFで、豪ドル建てです。純資産総額は2800億円、信託報酬 は0.19%です。

ちなみに私と連れ合いの場合

1306とSPY以外には、VOO、VGK、VWO、S&P/ASX 200に投資しています。IVVは野村証券で取り扱いしていないので買えません。EUN2、IMEUについては、私の採用基準である純資産総額が1兆円に達していなかったので、選択しませんでした。VTは現在1兆円に達しましたが、数年前は1兆円に達していなかったので選択しませんでした。また、VTには日本株を8%含んでいます。日本株を減らすという方針に反しますので敬遠しました。

② 税の優遇措置のない投信積立

・毎月の掛け金:若い年代のスタートとしては、1~5万円

iDecoとつみたてNISAだけでは、蓄財の金額として少ないので、給与や所得が上昇するにつれて、税の優遇措置のない投信積立を増やしていく必要があります。スタートは、それぞれの人の給与等により変わりますので、1~5万円から始めてはいかがでしょうか。加えてボーナス月の増額設定も可能です。

SBI証券の<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド、<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド

優遇措置がなくても、iDecoで述べた理由と同じ理由から、外国株式が有利です。<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの純資産額は、2018年1月現在で786億円、信託報酬は年率0.20412%以内となっています。

日本株式の中では、<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドが候補になると思います。純資産額は、2018年1月現在で145億円、信託報酬は年率0.1944%以内となっています。

なお、私はiDeCoと優遇措置のない投信積立は行ったことがありませんので、ホームページで得られるデータからだけの判断です。

③ 米国の金利が高くなれば米国債を買う。

現在は世界的に超低金利の時代なので、債券を買う気にはなれないのですが、米国債の金利が4%、5%になれば購入を検討したいと思います。

④ 外貨の資産を20年以上かけて、7割、8割、9割まで高める。

日本は現在、経済、企業、株式市場とも好調ですが、将来的には少子高齢化によって、世界の中のウエイトが小さくなるでしょう。従って、それに合わせて私の保有するETFのウエイトも下げていきたいと思います。現在、私の日本株ウエイトは4割、連れ合いのは5割です。

⑤ 金、REITの購入について

金については、将来的にコツコツ投資を始めるかも知れませんが、もし始めても最終的に1割を超えることはないと思います。また、REITについては、世界株式の50分の1の市場しか有りませんから、購入を検討することはおそらくないと思います。

⑥ NISA

昨年までNISAの枠で1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)を買っていました。本来であれば外貨ETFを買いたかったのですが、NISA枠では外貨ETFを購入できないとのことなので、やむを得ず1306を買っていました。2018年1月からは、野村証券がつみたてNISA用の外国株式インデックスファンドを開始しましたので、今後NISAを使うことはないと思います。

⑦ 変動10年国債

変動金利の10年国債は、半年毎に適用する利率が変わる「変動金利」を採用した10年満期の個人向け国債です。この金利は現在の超低金利市場の影響でほぼゼロ%です。しかも、金利が上昇した場合にも66%しか金利が付きません。少し魅力に乏しい商品です。2018年1月現在で、米国、EUで、金融引き締めの動きがありますから、もう少し様子を見て、何に投資するべきかを考えたいと思います。例えば、米国債の金利が3%を超えて5%に近づくような状況なら、米国債の購入を優先して検討したいと思います。

⑧ 財形、小規模企業共済、国民年金基金

財形(ざいけい)

財形とは勤労者財産形成貯蓄制度のことです。

財形の特徴

  • 給与から天引きされますので、忘れている間にも増えていきます。
  • 銀行、生命保険会社などの商品があります。ただし、自分の勤めている会社が、この制度を導入していないと加入できません。また、転職した場合に、転職先の会社が導入していない場合は、自動的に解約になります。
  • 銀行は定期預金の金利で運用しますのできわめて低利となります。従って、銀行の財形には入らない方が得策です。財形をするなら、生命保険会社の方が金利が良いので、もし自分の勤めている会社に生命保険の財形がなければ、財形はあきらめて、他の貯蓄・資産運用を考えた方が良いと思います。
  • 財形には、住宅財形、年金財形、一般財形があります。
  • 保険会社の住宅財形は、払込保険料累計550万円までが非課税です。年金財形は、払込険料385万円までが非課税です。
  • 生命保険会社の場合、2017年現在、金利は大手保険会社が1.0%、中小保険会社が1.5%です。なお、1980年代以前は予定金利が5%以上の時もありましたから、現在のような超低金利の時代が終われば、もう少し金利は上昇することが期待できそうです。ちなみに銀行の場合は定期預金の金利ですから、ほぼゼロです。
  • 中長期で行えば元本割れは有りません。

財形を行うかどうかの判断基準

  • 元本割れしない金融資産がどうしても欲しいか。それは、銀行預金でも構わないか。これらのことを検討すべきです。
  • 給与天引きでなければ、なかなか貯蓄ができそうにないか。使ってしまうくらいなら、超低金利に甘んじられるかを考えるべきです。
  • 現在のような低金利の状況で、金利1.0~1.5%の金利でも我慢できるか。外国株式の投信積立との利回りを比較すべきです。

財形を行う場合の留意点

  • 元本割れが原則的にないのですが、ETFやインデックスファンドと比べて金利が大幅に低いことから、貯蓄全体の1割~2割の範囲内に収めること。
  • 銀行の財形ではなく、保険会社の財形にすること。
  • 加入する前に予定金利を確認して、各社を比較した後に入ること。

変動10年との比較

元本割れのない商品としては、変動10年という国債があります。この商品は現在の低金利の状況では、金利はほぼゼロですから、それに比べれば、金利が1%以上ある保険会社の財形貯蓄の方が有利だと思います。

ちなみに私の場合の財形の利用

私は、1980年代から富国生命の財形を利用しました。最初は、住宅財形を申し込み、払込金額が550万円になったところで、一般財形に切り替えて引き続き払い込みました。合計で数千万の払込になりました。50歳で住宅財形と一般財形を全額払いだして家を購入しました。同時に財形年金に切り替えました。金利は1980年代、5%を超えていましたが、その後徐々に減少して、現在は1.5%です。現在は60歳を超えたので、払い込みはせず、財形年金を受給しています。この財形年金の受給には税金がかかりません。1980年代には日米ともにETFは生まれていませんでしたし、1990年代も日本にはETFは存在していませんでしたので、私の場合は財形貯蓄一本やりでした。もし、1980年代にiDeco、つみたてNISA、ETFが存在していたら、私の資産は現在の2倍以上になっていたでしょう。この3つの商品はできるだけ活用したいものです。

小規模企業共済

小規模企業の経営者などが、廃業時の生活資金などのために積み立てる制度です。掛金が全額所得控除できるなどの税制メリットがある、小規模企業の経営者のための「退職金制度」です。ただし、予定金利は2017年現在で1.0%ですから、あまり高くありません。これだけに頼らず、つみたてNISA、投信積立などの制度、商品も利用したうえで、総合的に考えた方が良いかもしれません。

国民年金基金

国民年金基金制度は、公的な年金で、自営業者など国民年金の第1号被保険者の老後の所得保障の役割を担うものです。ただし、予定金利は2017年現在で1.5%ですから、あまり高くありません。これだけに頼らず、つみたてNISA、投信積立などの制度、商品も利用したうえで、総合的に考えた方が良いかもしれません。

(おしまい)