年代別のポートフォリオ

◎今日のテーマ:年代別モデルポートフォリオ

週刊エコノミストに年代別ポートフォリオを、投資・運用情報会社のイボットソン・アソシエイツに具体案作成を依頼し掲載されましたが、これについて検討したいと思います。

若い人は株式

定年までに時間がある20代、30代は、国内、先進国、新興国の株式でリターンを狙うのが基本だとしています。20代では、株式の比率は9割、30代では株式6割に国内外の不動産投資信託(REIT)に2割投資しています。

10年あればリスク減少

ここで、少し疑問があります。20代、30代は長期での運用が可能なので株式を中心に運用していると思われますが、長期とは何年くらいを想定しているのでしょうか。株式は、10年か20年の運用期間があれば、元本割の可能性が低くなると思います。その場合、リタイアの年齢を65歳とすると、40歳代までは若い人たちと同様のポートフォリオを選択することができるのではないかと思います。

子供への相続財産として株式が有力

また、もし子供がいて、ある程度の資産を遺してあげることを想定すると、その資産については、子供の世代に適したポートフォリオを選択した方が良いのではないかと思います。つまり、債券を中心にするのではなく株式を中心に運用した方が良いのではないかと思います。現在は、債券の利回りが極めて低いので、そのことを注意深く検討すべきではないかと思います。

20代 30代 40代 50代 60代 70代
国内株式 27 22 17 12 10 9
先進国株式(除く日本) 33 26 20 15 10 9
新興国株式 30 12 8 3 0 0
国内REIT 2 8 6 4 2 2
海外REIT 4 12 9 6 3 3
国内債券 1 6 25 40 48 49
先進国債券(除く日本) 1 2 7 16 26 28
新興国債券 2 12 8 4 1 0

バフェットは9割をS&P500で運用することを推奨

ウォーレン・バフェットは、自分の死後、相続財産の9割をS&P500のインデックスファンドで運用するように遺言に書いていますが、長期で運用する場合には、株式のインデックスファンドで運用することが最も良いのではないかと思います。

各ポートフォリオの利回り

2002年~18年 20代 30代 40代 50代 60代 70代 SPY
平均利回り(年率、%) 6.5 6.4 5.5 4.5 3.7 3.7 5.9

債券で3%以上のリターンは可能?

このポートフォリオで運用した結果、どの程度のリターンがあるのでしょうか。年代別に加えて、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)で運用した結果も加えてグラフを作りました。期間は2002年から2018年までの17年間です。SPYは、20代、30代を少し下回っていて5%弱の水準です。ここで少し気になることは、60代、70代の利回りが高いことです。債権を中心に運用して、3.7%もの高い利回りを実現することができるのでしょうか。日本の債券利回りはほぼゼロですし、アメリカは2%台半ばですが、為替リスクも考えると、安全資産ではなく、かなりリスキーな運用のような気がします。