1年で偏差値を20上げる勉強法

投資と偏差値アップ

このブログは投資に関する記事を載せていますが、投資をする原資はお金であり、お金を稼ぐには有名大学を卒業する方が有利な場合が多いでしょう。そうすると、偏差値をあげる勉強方法についても投資と全く無関係ではないと思います。

成績向上

私は1年間頑張って勉強した結果、駿台予備校での偏差値が20上がった経験を持っています。また、私の通っていた高校はいわゆる進学校でしたが、担任の先生から「こんなに短期間に、これほど成績の上がった生徒はいなかった。」と言われました。東京大学の入試でも数学で6問中5問半正解でした。4問正解なら合格水準です。現代国語は、駿台予備学校の公開模試で2回連続満点を取ったことがあります。英語と物理・化学はまあまあのレベル、古文・漢文は及第点と落第点の間でした。

偏差値は試験などで難易度が異なる

偏差値に関して付け加えると、比較的簡単な模擬試験で偏差値30から60へと、30上げることより、駿台予備学校で偏差値50から70へと20上げる方が難しいと思います。例えば駿台と河合塾では河合塾の偏差値が5高くなるそうです。

文科系の偏差値は高くなる

また、偏差値は理科系より文科系が高い数値になり安い傾向があります。例えば、あるデータによると、慶応の医学部と早稲田の政治経済の偏差値は同じ71ですが、実際の難易度はおそらく10ぐらいの差があると思います。その理由は、文科系の受験者には成績の悪い人が多く含まれるために、成績の良い受験者の偏差値が高くなるからです。

71  慶應義塾大学(医 医 3教科)
71  早稲田大学(政治経済 経済(センター試験)5教科)
70  慶應義塾大学(法 政治 2教科)

偏差値を上げるために重要な要素は、

  1. 気迫

  2. 勉強方法

  3. 時間

だと思います。これはいわゆる心技体に相当するでしょう。

このうち、1の気迫は集中力と言っても良いと思いますが、それよりも少し強いレベルの方が望ましいでしょう。鬼気迫る、あるいは、こわくて近寄りがたい、という方が適当でしょう。

長い時間勉強することも大事

3の時間については、起きている間はできるだけ長く勉強する方が、偏差値を大幅に上げるには有利です。そして、勉強時間をできるだけ長くするには、勉強方法に工夫を凝らすことが必要です。なかなか解けないような難しい問題に向かっていたら、30分でいやになってしまいます。頑張れば1時間続くられる勉強方法で取り組むことが必要です。

私立大学を出て東大教授になった人

私の親戚に東大を3回受験して3回とも落ち、私立大学に補欠で入った人がいます。その人は、「自分は頭が良くないから、朝早く起きて他の人よりたくさん勉強する」と言って、早朝に起きて勉強しました。卒業した私立大学の助手、助教授になった後、東大から招聘されて、東大助教授になり、その後に東大教授になりました。

勉強の作業化

勉強を1時間続けられる秘訣は、勉強を「作業化」することです。「作業化」とは具体的に言えば「理解しようとしながらきれいに書き写すこと」です。

実力テストで2回連続0点

私は高校の数学の実力テストで2回連続0点を取ったことがあります。ただし、この高校の実力テストは難しく、平均点は100点満点で20点でした。そこで、神田の本屋で自分に合った問題集を探したことがあります。

糸川英夫の物理問題集

本屋で見つけたのが、ロケット博士である糸川英夫氏の書いた物理の問題集でした。この問題集の1ページ目は、パチンコ台の中のパチンコ玉の動きに関する問題だったので興味を持ちました。

問題を見たら正解を思い浮かべるようにする

そのはしがきには、「大学入試の勉強は、自分で解法を編み出すのではなく、先人の知恵を学ぶことだ。具体的には、問題とそのすぐ下に解法の書いてある問題集を作って繰り返すことが最も効率が良い。問題を見たら、解法が思い浮かぶまで繰り返すのだ。」という趣旨の話が書いてありました。しかし、問題と解法を見るだけでは、なかなか解けるようになりません。

見るだけではなく書き写す

私の勉強方法の特徴は問題文と解法をノートに書き写すことです。問題文を見て、5~10分考えても解けなかった問題や答えが間違がった場合は、まず解法を読みます。読んでわかった場合には、その解法部分を隠してもう一度解きます。解けたら、その問題に〇印を付けて完了です。解けなかった場合には、その問題の問題文と解法をノートに書き写すようにしたのです。解法を見てもよく分からないような問題は、指針、チャート、ガイド、図なども書き写すのです。全部書き写しても10分程度で済みます。そうすると次回は解けるようになると考えれば、10分間、喜んで書き写すことができます。書き写すことによって、見過ごしていた部分を理解できるようになるのです。

単純な勘違いをしたときでも書き写す

単純な勘違いで答えが違った時も、問題文と解法を書き写しました。その理由は、ケアレスミスをした場合に、自分にペナルティーを科す意味と、どうして勘違いをしたのかを考えるようにしたからです。

内容を理解しようとしながらきれいに書き写す

できない問題は何時間考えても解ける可能性は低いのです。まれに1~2時間かけて解ける問題もあるかもしれませんが、時間がかかりすぎ非効率です。大学受験には間に合いません。その時間で3問勉強した方が大学合格に近づきます。せっかく書き写すのですから、内容を理解しようとしながら、きれいに書き写すのです。7~8割の問題は理解できるようになりました。残りの2~3割の問題は理解できませんが、とりあえず同じように書き写しました。

問題文も併せて書き写すのが秘訣

解けなかった問題の何割かは、問題文の中にある条件の見落としであることが分かって来ました。そこで、解法だけを書き写すのではなく、問題文も書き写すようにしました。

問題文を書き写すと出題者の意図が分かる

そうすると出題者の出題意図が分かるようになり、細かい条件を見落とすことがなくなりました。

できなかった問題には、〇、◎などの印をつけ、解き直す

できなかった問題は、時間を置いて解き直しました。すると、かなりの割合で解けるようになりました。もし、解けなければ、この時も、1回目と同様に問題文と解法を理解しようとしながらきれいにノートの書き写しました。1回目にできなかった問題には〇印、2回目にできなかった問題には◎印、3回目にできなかった問題には三重丸を付けました。

理解しようとしながらきれいに書き写す

一般的に、「できなかった問題の解法をよく読んで、繰り返し解くことが大切だ」と言われますが、できなかった問題は解法を見てもよく分からない場合が多く、なかなかできるようにはならないものです。これを作業化して「理解しようとしながらきれいに書き写す」ことによって、次回に解きなおすときには正解率がアップするのです。

「苦行」を避け、「作業」をする

解法を覚えようとすると、「作業」でなく「苦行」になってしまうので避けた方が良いです。「作業」は長時間できますが、「苦行」は長い時間継続することができません。あくまでも「理解しようとしながらきれいに書き写す」という作業に徹することです。

数学の問題集はチャート式

私は、数学の勉強作業を赤チャート(数研出版のチャート式数学)でやりました。私の勉強方法は、ノートに書き写すことで完了するので、その後、そのノートを見直すことはしませんでした。ただし、赤チャートには、〇や◎印を付けますから、次回は〇印だけ、その次は◎印だけを解きなおします。チャート式は、問題文のすぐ下に指針やガイドなど、理解のための手掛かりが多いので使いやすいと思います。またレベルも白、黄、青、赤と別れているので自分に合ったレベルを選ぶことができます。

自分に合った問題集のレベル

自分に合ったレベルとは、解けるレベルではなく、問題文と解法を書き写した時に6~7割理解できるレベルです。たとえ、1割しか解けなくても6~7割理解できれば、2回目に解くときには5割、3回目に解くときには7割、4回目には8割解けるようになり、効率が良いのです。1回目に7~8割解けてしまう問題集は効率が悪く、時間の無駄です。できる問題をもう1回解くのは意味がありません。

例題だけで十分

チャート式には例題と練習問題がありますが、例題だけやれば東大合格には十分です。練習問題をやる時間があれば、他の科目の勉強に当てた方が効率的です。経済学でいう限界効用逓減の法則です。

赤本は不要

実は私は赤本と呼ばれる過去問題集を解いたことがありません。赤チャートと、駿台予備学校の模試だけで十分でした。早稲田大学、慶応大学も受けましたが赤本はまったくやらずに、補欠ではなく正規合格しました。

以上、数学の勉強方法をまとめると次の通りです。

① 自分の学力レベルに合った問題集を選ぶ。

② 例題を解く。この時5分考えても解けそうになかったら(解けそうなら10分考えても良い)、解くのを止めて解法を読む。解法が理解できたら、「〇」印を付け、解法部分を隠してもう一度解く。解法が理解できなかったり間違えた場合には、問題文と解法を理解しようとしながら、きれいにノートに書き写す。できなかった例題には「〇」印をつける。書き写したノートは、特に見直す必要はない。(理解できない問題も、2回、3回と書き写していくと、理解できる部分が増えていきます。)

③ 1章分の問題を解き終えたら、「〇」印の問題だけを解く。②と同じように、この時5分考えても解けそうになかったら(解けそうなら10分考えても良い)、解くのを止めて、問題文と解法を理解しようとしながら、きれいにノートに書き写す。例題には「◎」印をつける。

④ 1章分の問題を解き終えたら、「◎」印の問題だけを解く。②と同じように、この時5分考えても解けそうになかったら(解けそうなら10分考えても良い)、解くのを止めて、問題文と正解を理解しようとしながら、きれいにノートに書き写す。例題には「三重丸」印をつける。

⑤ 1章分の問題を解き終えたら、「三重丸」印の問題だけを解く。②と同じように、この時5分考えても解けそうになかったら(解けそうなら10分考えても良い)、解くのを止めて、問題文と正解を理解しようとしながら、きれいにノートに書き写す。

私は以上の勉強しかしませんでしたが、それ以外には、模擬試験問題でできなかった問題などをやっても良いと思います。

和田秀樹の「和田式逆転の受験勉強法」というマンガ本に同じような勉強方法の話が載っています。P70の数学の勉強方法の部分です。

模範答案の清書屋の成績が急上昇

灘高校の数学定期テストの試験範囲は200題以上で、一回の試験で入試レベルの問題を50分で10題というテストです。このテストでよい点を取るには、途中の式も丸暗記するしかないと考えるようになりました。そこで模範答案屋が現れ、優等生のノートを借りて清書し、コピーして販売した。この模範解答屋はどうしようもない劣等生でしたが、数学の実力がメキメキつき、高3の終わりころには灘高でもトップクラスの成績なりました。

「暗記」ではなく「清書」

和田氏は、その理由を「数学に必要なのは解法の暗記だ」と言っているのですが、この漫画を見る限り、大事なことは「暗記」ではなく「清書」つまり「きれいに書き写すこと」ではないかと思います。私は、その場にいたのではないので正しい理由は分かりません。しかし、暗記というのは苦行ですから、「きれいに書き写すこと」の方が一般の受験生には適していると思います。少なくとも私は、それで東大合格点を取ることができました。

現代国語

読んだのは漫画だけ

私は小学生から高校生までほとんど読書をしたことがありませんでした。それでも駿台予備学校の公開模擬試験で2回連続満点をとれたのですから、読書と現代国語の点数との間に相関関係はあまりないと思います。私が小学4年生の時に、担任の教師が、「漫画でも良いから読みなさい。」と言いました。そのころ、少年少女向けの週刊漫画は、少年マガジン、少年サンデー、少年キング、少女フレンド、マーガレットでしたので、それを数人で買って回し読みしました。中学生になると漫画を読まなくなり、読書もしませんでした。高校でもほとんど読書をした記憶がありません。

数学の勉強方法を現代国語に応用

大学受験を控えて現代国語も数学と同じ方法で勉強して効果がありました。同じ方法というのは、問題を解いて間違った場合に、解説を読んだ後、問題文本文と設問をきれいに書き写したのです。問題文本文を書き写すときに気を付けたのは、できるだけ長く覚えてノートに書き写すことです。5文字や10文字ではなく、縦一行をまるごと覚えて書き写す要領です。設問についても、自分がなぜ間違えたのかを考えながら書き写すのです。こうすることによって、出題者の出題意図が分かるようになります。現代国語は、全部書き写すのに時間がかかりますから、1週間に1題か、せいぜい2題にして、他の科目に時間を回した方が効率的です。

東大受験に漢字の勉強は不要

東大に関しては漢字の勉強はしない方が良いと言われています。漢字の配点が低いので、漢字を勉強する時間があれば、他の科目にまわすべきです。

以上が、私の得意科目にすることができた数学と現代国語の勉強方法です。

物理、化学、英語、古文、漢文、社会については、当時の勉強方法と、その後社会人になってから工夫した勉強方法をまとめて書きます。

物理:数学と同じ勉強方法

物理は高校生の時に赤点を取ったことがありますが、糸川英夫の問題集を勉強して、最終的にはまあまあのレベルに達しました。物理の勉強方法は基本的に数学と同じです。物理の問題文は長くて書き写すのに時間がかかりますが、「作業」はこつこつこなせばいつかは終わりますから、根気強く取り組むべきです。物理は数学よりも公式などの暗記項目が少し多いので、早めにまとめて覚えた方が、効率よく問題集に取り組めると思います。

Youtube「家庭教師のトライ」の講義

Youtubeに「家庭教師のトライ」講義があって、わかりやすく教えてくれているので、不得意分野はこれを見てから問題に取り組むのが良いと思います。

化学:基礎チャートを書き写し

化学は高校2年生の定期テストで0点を取ったことがあるほど、やる気がありませんでした。しかし東大の理科を受けるからには、勉強せざるを得ません。そこで、チャート式基礎化学という参考書を買って、チャート、化学式、重要な図などをノートに書き写しました。化学は暗記項目が多く、それがチャートとしてまとめられていたので、チャートの部分は繰り返し書いて覚えました。問題をやってできなければ、物理と同じように問題文と解法を書き写しました。物理・化学の問題文は長いので書き写すには時間がかかりますが、着実に力がつきます。

東大のカンニング事件

大学に合格した後、教養課程で化学の科目がありましたが、特に勉強しなくても大学受験の知識でこなせるレベルでした。そして、前期試験を受けたのですが、D、つまり不可だったのです。すぐに担当教授の部屋に行って、「私がDになるはずはない」と抗議しました。すると教授は「君が来ると思っていた。君と君の両側の3人が同じ答案だった。」とおっしゃったのです。私は、両側の人間に自分の答案を見せたのでした。仕方がないので教授に「どうすればよいですか。」と尋ねたところ、教授は「追試をやるから、それを受けなさい。」と言われました。私は追試を受けて進級しましたが、両側の二人は受けなかったので進級できませんでした。

化学についても、Youtubeに「家庭教師のトライ」があって、わかりやすく教えてくれているので、不得意分野はこれを見てから問題集に取り組むのが良いと思います。

英語

英単語、英熟語

私より年上で数年前に東大に合格した親戚から、「試験に出る英単語」と「試験に出る英熟語」を1冊2~3時間で復習できるようになるまで暗記を繰り返せ、と言われました。暗記の苦手な私も、この2冊だけは、川の土手の上を歩きながら暗記しました。この2冊は単語や意味をノートに書き写すことはしませんでしたが、覚えられない単語・熟語は、〇、◎などの印を付けて繰り返し覚えました。最終的に不完全ながら、1冊3時間で復習できるようになりました。

それ以外には、高校の授業で使う教材の英語を調べるときに、辞書の例文を2~3例ノートに書き写しました。ここでも書き写しが基本です。

英文解釈

問題を解いた後、英語全文とその下に日本語訳全文を書き写しました。

英作文、英文法については、ほとんど勉強した記憶がありません。

英文法に関しては、社会人になった後、ある翻訳家が「クイズみたいで面白いから好きだ」と書いてあったので、そのつもりになって数冊勉強したことがあります。

英文解釈教室

30歳を過ぎてから、駿台予備学校の名物教師である伊藤和夫氏の「英文解釈教室」を繰り返し勉強しました。このブログでも、アメリカの新聞記事を翻訳していますが、新聞記事程度はあまり翻訳に苦労することはありません。しかし、TIME、News Week誌などはレベルが高いので、正確には読めていません。

越前敏弥

ダ・ヴィンチ・コードを翻訳した越前敏弥氏は、大学受験の時に、「英文解釈教室」、「英文法頻出問題演習」、「試験に出る英単語」、「試験に出る英熟語」を勉強したと言っています。

社会人になってからの趣味の英語

社会人になってからやっている英語勉強の話をします。ただし、これは社会人の趣味程度の話なので、受験勉強には役立たないと思います。

TIME

英語週刊誌TIMEを毎週、ほぼカバー・トゥー・カバーで10年間読みました。難しい英文なので、毎週意味の分からない単語が200~300ほど出てきます。その意味を調べて、単語と意味をオリンパスのボイスレコーダーに吹き込むと30分程度になります。それを通勤の行き帰りに聞きました。表通りは騒音がありますから、裏道を選んで、遠回りをしながら1日に1週間分を聞きました。レコーダーに吹き込んで何回も聞きますが、1か月後には9割忘れてしまいます。しかし同じ単語を10回忘れれば、11回目には覚えられるものです。これを始める前に覚えている英単語数は5000くらいでしたが、10年後には15,000語程度になりましたので、単語で困ることはあまりありません。

NHKのラジオ英語番組

ラジオ基礎英語2・3、ラジオ英会話、ラジオビジネス英語入門・実践、
遠山顕の英会話楽習をラジオサーバーで録音し、毎日聞きます。全部で1時間半程度です。実践ビジネス英語以外は、テキストを見なくても聞き取れることができます。アメリカ人と会話をすると分からないことが多いレベルですが、気楽に気長にラジオの英語をやっています。大人の楽しみです。

モルトショップ

また、アメリカ人なら誰もが知っていても、日本人はほとんど誰も知らない知識を得ることができます。数年前にラジオ英語3でモルトの話題が出ました。アメリカの高校生は学校帰りにモルトショップに寄ってモルトを飲みます。モルトは、モルトウイスキーやモルトビールのモルトですが、アルコールは入っていません。映画バック・トゥー・ザ・フューチャーでもジュークボックスの置いてあるお店が登場しますが、そのお店がモルトショップで、そこで飲むのがモルトです。私は毎年、モルトショップ・クルーズというロックンロールのクルーズに乗船しますが、モルトショップとは何かを最初は知りませんでした。しかしNHKの基礎英語を聞くことによって、知識がつながりました。

古文・漢文

古文・漢文は不得意なので、特に書くことはありませんが、英語などと同じく、問題を解いた後、本文とその隣に現代文を書き写しただけです。

世界史・政治経済

私は理科系で、社会科は1次試験しかなかったため、ほとんど勉強しませんでした。社会に出てから、世界史、日本史を勉強しました。基礎レベルに関しては、教科書を読んで、簡単な問題集(例えば、旺文社の一問一答世界史Bの教科書復習レベル:基本の1,160問)を繰り返しやるのが良いと思います。この時も、できなかった問題には、〇印、◎印、三重丸印をつけるのです。社会は暗記ものですから、三重丸印までやったら、1,160問全部を再び解いて、数回繰り返します。同時に教科書も繰り返し読みます。

問題集

問題集は「旺文社の一問一答世界史B」のように問題のすぐそばに正解が書いてあるものが良いのです。糸川英夫の物理問題集のところで書いたように、問題と正解・解法はすぐそばにないといけません。できるだけそういう問題集を選ぶようにすべきです。

Youtubeの「家庭教師のトライ」の講義

日本史・世界史についても、Youtubeに「家庭教師のトライ」の講義があって、わかりやすく教えてくれているので、不得意分野はこれを見てから教科書・問題集に取り組むのが良いと思います。

試験会場に行けば合格する

最後に東大受験の余談を書きます。私の親戚が東大を受験するときに、高校の担任から「風邪をひいても熱があっても、試験会場に行けば東大に合格する」と言われたのです。私はそれを聞いて、高校から推薦状のようなものを送っているのかな、と思いました。ところが、私も高校の先生から同じことを言われたのです。その意味は、「風邪で熱があって10点や20点悪い成績でも、もともとの実力が高いから合格することができる。自信をもって受験しなさい。君の力なら必ず受かる。」という意味だったのです。

以上で大学受験の勉強方法を終えますが、最後に勉強方法をまとめます。

① 解法の部分を隠して問題を解く。5分考えても解けない問題、間違えた問題は、解法を見る。解法が分かったら解法部分を隠してもう一度解く。解けなかった問題、間違えた問題は、問題と解法を、理解しようとしながらノートにきれいに書き写す

② できなかった問題は、〇印、◎印、三重丸印をつけて繰り返し解く。

③ 勉強で苦しまないようにして、できるだけ作業化して長い時間勉強する

投資と受験勉強法

最後に投資と受験勉強法の共通点について述べたいと思います。それは、最も良い、あるいは、もっとも良さそうな方法は高校でも大学でも教えてくれないということです。

SPYを買って10年間持ち続ける

投資で最も良い方法は、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)を買って10年以上持ち続けることです。このことは、約20年前から推測されていました。15年前、10年前には、かなりはっきりと良いことが分かって来ました。しかし、この方法は学校の教科書には載っていません。もし高校の先生や大学教授が教えたとしても、かなり非公式な形だったろうと思います。

アメリカのシニアの資産は3倍に増加

アメリカでは、その形か、あるいは、似た形の蓄財・投資が行われました。その結果、70歳の平均資産は1990年代の2000万円から2010年代の6000万円へと3倍になりました。日本は20年経っても2000万円のままでした。

理解しようとして書き写すこと

勉強方法も、「できなかった問題を復習しなさいとか、できなかった問題を繰り返し解きなさい、数学の解法を暗記しなさい」と言われます。でも、できなかった問題の解法を見ても分からないのです。できなかった問題をもう一度解こうとしても解けないのです。解法の暗記なんてできるのでしょうか。でも、理解しようとして書き写すことはだれにでもできます。理解できなければ、解法だけでなく、指針やガイド、図もそっくり書き写すことは誰でもできます。理解できれば、次には解けるのです。もし解けなければ、もう一度、理解しようとして書き写すのです。4回書き写せばかなり理解でき、解けるようになります。それでも解けない問題は、今は解くだけの力がないのですが、半年後に総合力がついたら解けるかも知れません。最終的に全問解けなくても東大には合格できます。

もう一つの共通点

投資と受験勉強法のもう一つの共通点は、最も良い方法を実行する人が少ないことです。投資はSPYに限らず、VOO、VT、低コストの外国株式インデックスファンドでも良いのですが、それを買って10年間持ち続けようとする日本人はとても少ないのです。一方で、アメリカ人はそれを実行するので資産がどんどん増加しています。

勉強は3か月で成果が出る

投資は変動要素が多いので、増加を実感するには長い場合、10年間保有し続ける必要があるかもしれません。しかし、勉強は3か月みっちり勉強すれば学力向上を実感できると思います。効果が出ると分かれば1年間継続できるでしょう。社会に出ると運に左右されることが多くなりますが、大学受験は自分の努力・実力がかなり正確に反映されます。これほど努力が報われる公正・公平なイベントは人生において他にないでしょう。悔いの無いように受験勉強をしてください。