つみたてNISAの推移2019年12月

評価額上昇は良いことか?

つみたてNISAは、2018年の1月から始まりました。2019年の9月までは評価額が取得金額前後で推移していました。しかし、2019年の年末になって、アメリカの株式市場が好調だったせいで、取得金額を上回って来ました。これは、喜んで良いのか、あるいは、残念だと思った方が良いのか、微妙なところです。

引き出すときに上がるのがベスト

つみたてNISAのような長期積立投資の商品は、最初の10年間、20年間は低迷していて、30年後、40年後に使う時期になって初めて評価額が上昇するのが良いのです。つまり、最初の頃は安く買って、後で高くなるパターンです。しかし、私は40年後には生きていないでしょう。

長生きの秘訣

私の父親は100歳近くまで生きたので、私もそうなれば今後30年以上生きることになります。父親は死ぬ直前まで株式をやり、日経新聞の関連記事に赤鉛筆で傍線を引き、やきもきしていました。それが長生きの秘訣だったかもしれません。

つみたてNISAの人気ランキング

今回は、マネックス証券における「つみたてNISA月間積立契約件数ランキング」のファンドタイプ別ランキングベスト10です。

最初は国際株式型です。

国際株式型(2019年11月01日〜2019年11月30日)
順位 銘柄名
1 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
2 <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
3 楽天・全米株式インデックス・ファンド
4 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
5 eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
6 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
7 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
8 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
9 iFree S&P500インデックス
10 たわらノーロード 先進国株式

低コスト銘柄

eMAXIS Slim は、低コストの代表的な銘柄なので、上位に来ることは当然だと思います。<購入・換金手数料なし>ニッセイ は、低コスト化のリーダー的存在で、私も自分の子供に積み立てさせています。楽天の全米、全世界株式インデックス・ファンド、iFreeも、低コストなので順当なところです。たわらノーロードの信託報酬も、税抜0.0999%で低コストです。全体として、ランキングベスト10に入る商品は、低コストの銘柄ばかりです。

低コスト銘柄内での生き残り競争

しかし中長期で見ると、全ての銘柄が生き残れるわけではなく、集約が進むと思われます。その中で、営業力から見ると第1位の「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」、歴史・純資産総額から見て第2位の「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」が将来的にも有望だと思われます。

次に国内株式型です

アクティブファンドは避けるべき

第1位の「ひふみプラス」に疑問符がつきます。この銘柄の申込手数料は3.30%(税抜き3.00%)、運用管理費用(信託報酬)は1.0780%(税抜き0.9800%)です。このような、コストの高い銘柄はとても買う気になりません。それでは、なぜこの銘柄が売れているのでしょうか。この銘柄はアクティブファンドで、一時期成績が良かったことがありました。しかし、過去の業績は将来の業績の根拠にはならないというのは、現在の投資信託の常識になっています。過去3年間の運用成績は42.9%と好調でしたが、過去1年間では4.6% です。つまり少し前までは良かったけど、今は基準価額、純資産総額とも最近2年間頭打ちです。コストの高いアクティブファンドは敬遠すべきです。

アクティブファンドの信託報酬は1%以上

第6位の「コモンズ30ファンド」もコストが高く、申込手数料は3.30%(税抜き3.00%)、運用管理費用(信託報酬)は1.0780%(税抜き0.9800%)です。コストの高いアクティブファンドに関心はありません。

アクティブファンドのコストはインデックスの10倍

第10位の「年金積立 Jグロース」の購入時手数料 は購入時の基準価額に対し2.2%(税抜2%)、運用管理費用(信託報酬)は、ファンドの日々の純資産総額に対し年率0.902%(税抜0.82%)です。上記2銘柄よりは低いですが、ニッセイやeMAXIS Slimの商品と比べるとかなり割高です。信託報酬が1%違えば、10年で10%、20年で22%、30年で35%の差がつきます。アクティブだからと言って、インデックスより良い成績をおさめられるという保証はありません。

国内株式型(2019年11月01日〜2019年11月30日)
順位 銘柄名
1 ひふみプラス
2 <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
3 eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
4 ニッセイ日経225インデックスファンド
5 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
6 コモンズ30ファンド
7 たわらノーロード 日経225
8 <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド
9 eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
10 年金積立 Jグロース

複合商品(バランス)型

バランス型は初心者にお勧めという話もありますが、まったく意味がないと思います。現在のような超低金利の時代には、債券が組み込まれたバランス型は選ぶべきでは有りません。変動リスクを下げたいのであれば、バランス型を選ぶのではなく、外国株式インデックスファンドの金額を少なめにすればよいだけです。

複合商品(バランス)型(リート含む)(2019年11月01日〜2019年11月30日)
順位 銘柄名
1 eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
2 世界経済インデックスファンド
3 eMAXIS バランス(8資産均等型)
4 <購入・換金手数料なし>ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
5 iFree 8資産バランス
6 野村6資産均等バランス
7 DCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型)
8 三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)
9 たわらノーロード バランス(積極型)
10 野村インデックスファンド・内外7資産バランス・為替ヘッジ型