独立系投資アドバイザー

大手量販店のファイナンス・アドバイス

2019年末にテレビが故障したので、電気製品の量販店でフナイ電機の43インチテレビを買いました。その手続きをしていると、隣の若い夫婦(30代前半)に、ファイナンシャルプランナーの肩書を持った量販店社員(?)が、ファイナンシャルプランの提案をする機会を持ちたいと勧誘していました。若夫婦はどうするのかと思ってみていると、翌月に面談するスケジューリングをしました。大手量販店は、最近大塚家具を買収したり、住宅を手掛けたりして、消費者にとってお金のかかる分野に力を入れているようです。その関係もあって、ファイナンシャルプランにも力を入れているようです。

誰のためのサービスか?

このようなサービスは、誰のためにやるのでしょうか。もちろん自社の利益と顧客の囲い込みのためです。顧客の利益にならないと言い切ることはできませんが、非常に危ない領域です。もし、ファイナンシャル・プランナー(FP)から有用なアドバイスをもらいたいなら、無料ではなく、お金を払って話を聞いた方が結局は得かもしれません。

FPの給料の出所

無料のファイナンシャル・プランナーは、金融機関などに所属して、その会社から給料をもらっているか、契約に至った商品の販売元からマージンをもらっているのがほとんどでしょう。従って、無料のファイナンシャルプランナーのアドバイスは、最初から警戒すべきですし、できれば近づかない方が安全です。

独立系FP

一方で、独立系のファイナンシャル・アドバイザーでもクライアントと利益の相反する場合があります。

最近のアメリカの金銭雑誌バロンズに独立系の投資アドバイザーの話が載っていました。概要は以下の通りです。

  • 独立系投資アドバイザーは人気だが、利益相反のリスクが減るわけではない。
  • 多くのアドバイザーが、より多くの収入を得るためウォール街を離れ、自身で起業している。
  • 小規模業者の合併や買収も多く、場合によっては顧客を犠牲にしてでも収益を拡大しようとするインセンティブが働く。
  • 投資アドバイザー業とブローカーの両方で登録してる場合、両方の業務が可能となる。投資アドバイザー業としてのみ登録のある業者は6万1500人の個人業者だけで、これらの業者は運用資産に対する管理手数料は得られるものの、投資信託や株式の取扱手数料を得ることはできない。
  • 独立系は自分の食い扶持は自分で稼ぐ必要があり、収入を最大化しようとするインセンティブが自然に働く。
  • 利益相反に対する現在の規制や内部統制は不十分

アメリカだけでなく、日本でも投資信託等金融商品のマージンは複雑であり、また表に出てこないバックマージンもあります。

保険販売に熱心な税理士業界

東京税理士協同組合総会後の懇親会に出席したことがありましたが、そこには来賓として生命保険会社の幹部が勢ぞろいしているのです。また、総会の決算報告の中では、保険の販売事業が大きな黒字となっています。一方で、税理関係の書籍販売事業は大赤字なのです。税理士は中小企業の税理業務を委託されていますが、中小企業のオーナーは節税に熱心です。企業のお金の流れをすべて把握している税理士は、節税商品等を熱心に売り込みます。税理士の中には、本来の税理業務より保険の販売に熱心な人もいるそうです。この図式の中では、保険会社、協同組合、税理士がマージンを稼いでいるのです。

信託報酬の配分

最近、「つみたてNISAに関する信託報酬等の概算額のお知らせ」が野村證券から届きました。銘柄は「野村つみたて外国株投信」です。信託報酬等の料率は0.249%です。2018年1月のつみたてNISA制度開始当初はかなり低めの信託報酬率だったのですが、その後他の銘柄がどんどん引き下げを図る中で、この銘柄は当初のままで、魅力が無くなって来ました。ところでその信託報酬の関係各社取り分は以下の通りです。

  • 販売会社受領分  [ファンドの販売を行う会社]  野村證券株式会社 0.090%
  • 委託会社受領分[ファンドの運用の指図を行なう者]野村アセットマネジメント株式会社 0.090%
  • 受託会社受領分[ファンドの財産の保管および管理を行なう者] 野村信託銀行株式会社 0.039%

グループ内でマージンを取り合っているのです。

日本の独立系FP

日本にも、新しい動きがあります。特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会〜FIWA」という組織があります。2019年9月24日に設立されたばかりです。

この協会は、生活者が経済的束縛から解放され豊かで幸せな人生を実現できるための次の二つの支援活動を行うと謳っています。

1.生活者のために、人生を通じてのお金との正しい付き合い方の知識を普及し、自ら合理的・効果的な資産運用を実行し、また、アドバイザーとの効果的・生産的な関係を構築できるよう金融投資教育を行います。

2.生活者のためのライフプラン、金銭、投資、資産運用等に関するアドバイスが完全に利益相反のない形で行われるよう、当協会の理念に基づき行動するお金のアドバイザー(FIWA認定アドバイザー)を育成、認定、支援します。

この組織にアドバイス料を支払うことによって、独立アドバイザーから質の高いアドバイスを提供するとの趣旨です。

しかしインターネットを見ている中で、疑問に思うことがありました。それはあるファンド関係者が自分のブログで、この組織を陰で応援すると言っていることです。特定のファンド関係者が応援したら、この協会がそのファンドに便宜を図る恐れはないのでしょうか。

素人の集まりが最も優良な情報提供者

ハーバード大学の研究論文の中で、良い運用実績を残したグループの分析結果があったそうです。その結果、最も良い成績を残したグループは、素人が集まって情報交換をしたグループだったそうです。

投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year

日本においても、最も優良な投資信託情報を提供しているものの一つは、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」と思います。このイベントで上位に入賞するファンドは、大手経済新聞や投資専門紙が選ぶアクティブファンドとは全く別世界のものです。バックマージンをもらわず、素人が自分たちの良いと信じる投資信託を選んで公表することが、最も良い情報提供だと思います。

危険!近づくな! 金融機関と金融商品 3

昨日に引き続き、主な金融商品、金融機関について、何が良いのか、何が危険なのかを考えてみようと思います。このブログでは、金融機関の種類・金融商品の種類ごとの大まかな傾向しかお示しできませんので、最終的にはご自身でお調べください。消費者にとって優良な商品・金融機関を緑の1、危険度が増すにつれて、黄色の2、橙の3、赤の4、紫の5に色分けしました。

③ 団体定期保険

会社別の月払い保険料です。

30歳男性死亡保険金額1千万円 月払い保険料
1 大手生保A 2,660
2 大手生保B 2,470
3 中堅生保C(ネット経由) 1,068
4 振興生保D(ネット経由) 990
5 東京医師歯科医師協同組合 860
6 王子グループ 1,160
7 日本生命 2,540

大手2500円、インターネット1000円、団体定期保険1100円

1と2の大手生保2社は、2500円前後です。人件費と経費が高いので保険料も高くなります。3と4はネット経由なので1000円前後です。インターネットの中抜きの威力はすごいですね。5は協同組合、6は株式会社の福利厚生としての保険です。5と6の団体定期保険は、手作業のため、インターネットより経費は掛かりますが、人事部や事務局の人達が取りまとめてくれるため人件費がかかりません。6と7はウェブ上で公表されていたので掲載しました。

会社員は社内の団体定期保険

会社員であれば、自分の勤めている会社の福利厚生事業としての掛け捨て団体定期保険が推奨できる保険です。なおその場合にも、基本的に通院特約等は必要ありません。

④ 外貨建保険

外貨建保険は主に銀行の窓口で販売されています。私自身も銀行の窓口で受けた説明の内容を、 三井住友・みずほ・三菱UFJ銀行・郵便局訪問記 に掲載してあります。

生命保険の不都合な真実(柴田秀並 光文社新書)によると、主な苦情は以下の通りです。

1.元本割れリスクについて適切な説明を受けなかった:2633件

・市場リスクについて説明を受けなかった

・契約期間中において元本割れはないと誤信した

・満期時に元本割れはないと誤信した

2.その他説明不十分:897件

解約時に税金がかかること、指定代理請求人の指定ができることを聞いていない等

3.その他:720件

強引な勧誘、顧客からの照会への回答未了等

4.保険契約等の内容について十分な説明を受けなかったことから、自分には適していない保険契約を締結した:537件

5.契約管理費用について十分な説明を受けなかった:248件

外貨建保険は危険!近づくな!

この後にも、苦情は続くのですが、外貨建保険が非常に危険で、近づいてはいけないことはお分かりいただけたと思います。

コストはブラックボックス

私が窓口で説明を受けた時には、コストがどうなっているか分からないという問題を提示しました。一方で、上記の苦情は、強引な契約締結を問題としているようです。特に高齢者は狙われています。

⑤ 医療保険

医療保険は不要

日本には高額療養費制度があるので、医療保険は必要ありません。高額療養費制度を維持するために、日本人は高い健康保険料を毎月支払っていることに気づいてください。その上さらに民間の医療保険に入る必要はお金の無駄です。

高額療養費制度

医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月で上限額を超えた場合、その超えた額を支給するのが「高額療養費制度」です。

標準報酬は 月給+賞与

標準報酬の対象となる報酬は、基本給のほか、役付手当、勤務地手当、家族手当、通勤手当、住宅手当、残業手当等、労働の対償として事業所から現金又は現物で支給されるものを指します。なお、年4回以上の支給される賞与についても標準報酬月額の対象となる報酬に含まれます。

標準報酬月額 自己負担限度額(円)
88万円以上 140,100
53万円~79万円 93,000
28万円から50万円 44,400
26万円以下 44,400

⑥ 外貨預金

三井住友銀行の外貨預金(2018年訪問記の再掲)

外貨の扉<トビラ>

外貨の扉<トビラ>という商品のチラシが、カウンターに2か所に分けて置いてあるので、力を入れているのでしょう。

金利は年間平均0.8%

米ドルの場合、初回の特別金利が、2ヵ月もので年4.0%です。その後は、0.2%が適用されます。最初の2か月が過ぎて自動継続すると店頭金利で継続されますので、0.2%になります。最初の2か月が4.0%で、残りの10か月が0.2%だとすると、年間平均で0.8%になります。

0か月~ 2か月~ 4か月~ 6か月~ 8か月~ 10か月~ 1年平均
4.0% 0.2% 0.2% 0.2% 0.2% 0.2% 0.8%

為替手数料は、円→ドル0.5%、ドル→円1.0%

この外貨預金を始めるには、円をドルに変換する必要があります。通常の為替手数料は1米ドル当たり1.0円ですが、この商品に預け入れる場合の為替手数料は0.5円です。計算を簡単にするために、1ドル=100円とすると0.5%になります。もし、1年後にドルを円に戻すとすると、その時には1.0%の為替手数料になりますから、往復で1.5%になります。

1年の金利は0.8%

1年間の金利が0.8%なのに、為替手数料が1.5%もかかるのでは、0.7%の損になります。1年で引き出さずに、5年、10年と預けたままにすれば、為替手数料は下がります。しかし、0.2%の金利を稼ぐために、為替リスクを掛けて外貨預金をしようという気にはなりません。SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)やVOO(アメリカバンガード社のS&P500のETF)などの外貨ETFの利回りは8%ですので、外貨預金は金利面で魅力がありません。

為替手数料
円→ドル 0.5%
ドル→円 1.0%
往復 1.5%

⑦ 外貨MMF

外貨MMFは外貨ETFを買うための資金

外貨MMFは証券会社で買うことができます。私は10年前に退職金などで外貨MMFを野村證券で購入しました。その外貨MMFを使って、その後外貨ETFを買いました。外貨ETFの配当金がUSMMFで支払われるので、現在400万円ほど溜まっています。これを元に、外貨ETF等に再投資する予定です。

USMMFの利回りは1%強

野村證券USMMFの利回りは、現在1.190%です。1%を超えていますの、日本の金融商品より高く見えますが、為替リスクや為替手数料を考えると、そのまま保有するよりは、外貨ETF購入資金として用意するために一時的に保管する形態だと思います。

SBI証券は4種類のUSMMFを用意しています。1%を少し上回った水準ですので、野村證券と同レベルです。

  • ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド 1.213%
  • ニッコウ・マネー・マーケット・ファンド 1.095%
  • ノムラ・グローバル・セレクト・トラスト 1.097%
  • ゴールドマン・サックス 1.185%