退職に関して気を付けるべきこと2

自分の方が上手い

以前勤めていた会社の社員が、こんなことを言いました。「退職金や確定給付年金は、早く受け取って自分で運用した方が、上手く増やせる。」

魔法

これを聞いたときの印象は、「そんな魔法のような方法があるのか。」というものでした。

当寺は知識も道具も不足

当寺は資産運用に関して現在ほどの知識はありませんでしたし、外国株式に投資できる低コストのインデックスファンドも利用できませんでした。従って、おそらく当時自分で運用してもうまくいかなかっただろうと思います。

現代は良い時代

しかし、現在であれば事情が異なるだろうと思います。そこで、これから①退職金、②確定給付年金、③確定拠出年金(DC)、④確定拠出年金(iDeCo)、⑤つみたてNISA、⑥積立投信について検討します。

① 退職金

退職時一括か毎年分割か

退職金は、所得税額控除がありますので、ある程度利用した方が税制上は有利です。しかし税制上の有利さだけで判断してよいわけでは有りません。退職金の仕組みは勤めている会社によって異なりますが、単純な方法として勤務年数に退職時の基本給などを乗じる場合があります。この制度では、銀行預金のように毎年退職金が定額ずつ増えるだけで、資産運用ができません。できれば、退職時にもらう退職金を、入社1年目から毎年現金で受け取って、iDeCoやつみたてNISAなどで運用した方が良いかも知れません。現実に、企業によっては、退職金がない代わりに、多めに給与を支払い、自分への投資や資産運用を可能にしているところがあります。

② 確定給付年金

超低金利の時代は債券は不利

確定給付年金は、会社が資産を運用して一定の利回りを保証する制度です。しかし、そのポートフォリオには、通常内外の株式だけでなく、内外の債券も組み込まれていますから、期待利回りはあまり高くなく、せいぜい2~3%程度です。外国の株式を中心に運用した期待リターンが6%程度だとすると、少し低めのリターンですが、その水準を会社が保証してくれれば、納得のいく水準でもあります。この差がリスクプレミアムです。全体のバランスから見れば、1~2割程度、確定給付年金があっても良いかも知れません。

③ 確定拠出年金(DC)

確定拠出年金は、税制上の優遇措置がある上に、最近は低コストの外国株式インデックスファンドが利用可能ですから、長期で運用する個人投資家にとっては、素晴らしい制度です。キーポイントは、銀行預金、債券、バランスファンドなどで運用しないことです。

④ 確定拠出年金(iDeCo)

③の確定拠出年金(DC)と同様に利用すべき制度です。ただし、制度が複雑で利用制限があるので、早く法律改正して使いやすくするとともに、多額の資金を投資できるようにしてほしいものです。投資すべき金融資産は③のDCと同様に低コストの外国株式インデックスファンドが良いと思います。

⑤ つみたてNISA

③の確定拠出年金(DC)と同様に利用すべき制度です。投資すべき金融資産は③のDCと同様に低コストの外国株式インデックスファンドが良いと思います。

⑥ 投信積立

DC、iDeCoは60歳以降でしか利用できない老後の生活資金ですし、つみたてNISAは毎年の拠出上限額が40万円しかありませんから、住宅購入には極めて不十分です。住宅を購入するためには、それ以外に「課税されるふつうの特定口座」で投信積立をしなければなりません。これも、低コストの国内、外国株式インデックスファンドが望ましいと思います。

まとめ

現在のように、税制上有利な制度や低コストの株式インデックスファンドが揃っている時代には、勤めている会社任せでなく自分で蓄え、資産運用した方が良いかも知れません。なお、個別株式は普通の人にはリスクがあり過ぎるので、手を出さない方が良いと思います。私は個別株式は全く所有していません。

超低金利時代の低金利資産6

超低金利の時代が続いています。

私は、金融資産全体の3分の2を外国ETFに、3割弱を1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)に投資しています。銀行預金、MRFなど超低金利の商品はほとんど持っていません。これらの商品を含め、個人向け国債(変動・10年)、MMF、定期金利などの現状をおさらいしたいと思います。

⑧ 個人向け国債 変動10年

半年毎に適用利率が変動し、最低金利保証は0.05%

実勢金利の動きに応じて半年毎に適用利率が変わり、そのときどきの受取利子の金額が増減します。仮に3年後の実勢金利の水準が現在よりも上昇したとすると、固定金利の場合は、受取利子は3年後も変わりませんが、「変動10年」の場合、受取利子は増えることになります。最低金利保証は0.05%です。

中途換金

発行から1年経過すればいつでも中途換金が可能で、購入金額の一部または全部を中途換金することができます。

金利設定方法 =  基準金利×0.66

基準金利は、利子計算期間開始日の前月までの最後に行われた10年固定利付国債の入札(初回利子については募集期間開始日までの最後に行われた入札)における平均落札利回りです。

インフレの3分の2をカバー

「変動10年」の良さは、インフレが始まった時に、そのインフレ率の3分の2はカバーできるということです。インフレの全額をカバーしたいのであれば、外国の株式ETFやインデックスファンドを選ぶことができます。ただし、外国もインフレになる可能性がありますから、100%安心な投資というものはありません。

以上、8つの低金利資産について述べてきました。以下はその要約版です

① MRF(証券会社):

現在の利率は0%で、預かり金と一緒ですから、将来投資するための待機資金という位置づけです。

② MMF:

現在は扱いがありません。

③ 普通預金:

預金保険制度によって、1000万円までは守られますが、あまり多額の資金を置きっぱなしにするのは考え物です。

④ 定期預金:

普通預金の金利が0.001%、定期預金が0.01%ですから、検討に値しない金利レベルだと思います。

⑤ 財形貯蓄:

給与天引きで貯めやすく、比較的容易に引き出せます。生命保険会社の場合、予定利率が1.0%前後ですから、現代の超低金利の時代にあっては、検討の余地があるかもしれません。ただし勤務している会社で取り扱っていないと利用できません。全体のポートフォリオの一部として使えるかもしれません。

⑥ 国民年金基金:

加入時期によって金利格差がはなはだしく、現在は最低の金利水準です。引き出しにくいこともあるので、興味の湧かない商品です。

⑦ 小規模企業共済:

国民年金基金よりは自由度がありそうです。

⑧ 個人向け国債:

変動10年:現在の超低金利では魅力がありませんが、インフレの3分の2はカバーできるというところは、多少のメリットかもしれません。全体のポートフォリオの一部として使えるかもしれません。

ETFなどで9割、財形貯蓄などは1割

ウォーレン・バフェットは、自分の相続財産の運用方法について、9割をS&P500のインデックスファンド、1割を短期の政府証券で運用するのが良い、としています。この方法に倣えば、9割をアメリカか世界のETF・インデックスファンドで、1割を超低金利の財形貯蓄、個人向け国債、普通預金などで保有するのが良いのかも知れません。