JIS&T(日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社)確定拠出年金投信2018年1月①信託報酬

◎今日のグラフ及びテーマ:JIS&T確定拠出年金投信商品比較信託報酬

確定拠出年金制度の導入

私は15年以上にわたって、確定拠出年金(DC)を自分で運用しています。2000年前後に厚生年金の代行部分の返上が盛んに行われていたころに、私の勤めていた会社も退職金の一部について確定拠出年金制度を導入したのです。運用商品にはバランス型、日本・海外・世界の債券・株式、定期預金等があって、その中から選ぶのですが、その選択は各個人に任されます。これらのうち銀行の定期預金については、下のグラフから外してあります。

主要投資対象
MHAMライフナビ2020 バランス 1.1880
MHAMライフナビ2030 バランス 1.2960
MHAMライフナビ2040 バランス 1.4040
MHAMライフナビインカム バランス 1.0800
MHAMスリーウェイオープン バランス 0.9180
DIAMライフサイクル安定型 バランス 1.6200
DIAMライフサイクル安定成長 バランス 1.6200
DIAMライフサイクル成長型 バランス 1.6200
MHAM世界8資産ファンド バランス 0.9720
MHAM物価連動国債 国内債券 0.4320
シュローダー年金日債 国内債券 0.6372
MHAM株式インデックス225 国内株式 0.5940
MHAMTOPIXオープン 国内株式 0.7020
MHAM日本株式 国内株式 1.5984
DIAMジャパンセレクション 国内株式 1.7280
新光投信ディープバリュー 国内株式 1.3500
DIAM外国債券インデックス 海外債券 0.2700
DIAMGボンドCコース 海外債券 0.9180
DIAMGボンドDコース 海外債券 0.9180
DIAM新興国株式インデックス 海外株式 0.5886
フィデリティ・グローバル 世界株式 1.8684
MHAMJ-REITインデF 不動産投信 0.5400


私の勤めていた会社では、9割の社員が銀行の定期預金を選びました。これは、私の勤めていた会社の社員が保守的だからではなく、他の企業も押しなべて、9割銀行預金を選ぶそうです。
日本では9割のサラリーマンがDCを銀行預金で運用

退職後の年金収入、保有金融資産の中で判断⇒株式の商品で運用

一方、私は商品の選定に当たって、DCの中だけで選ぶのではなく、自分の厚生年金、財形年金、確定給付年金(DB)、退職金等の金融資産全体の中でのそれぞれの位置づけを検討して選びました。このうち、厚生年金(国民年金を含む。)、財形年金、確定給付年金は、運用リスクのない安全な資産と位置付けました。そして、退職金等の金融資産のうち一部は株式等のリスク資産に投資し、それ以外は、国債等の債券に投資することを前提としました。このうち厚生年金のウエイトが大きく、しかもリスクの少ない資産ですから、全体として考えた時に、DCは株式で運用するのが良いという結論になりました。このため、債券及び債権を含んでいるバランス型は検討対象から外しました。下の棒グラフの青い棒が外れたのです。つまり、緑(国内株式)、ピンク(新興国株式)、オレンジ(世界株式。黄色に見えるかも知れませんが)の棒グラフが残りました。

株式の中で信託報酬の最も低い商品を選択

実はこのグラフにはないのですが、当時は運用できて、今は廃止された商品があったのです。それは外国株式のファンドで、信託報酬が最も低かったのです。私の記憶では、信託報酬がゼロでした。今考えると信託報酬がゼロというのは不思議なので、もしかすると私の記憶違いかもしれません。その外国株式のファンドはその数年後に廃止されてしまったので、新たな運用商品を選ぶことになりました。その際、最も信託報酬の低い商品である、MHAM株式インデックス225を選びました。緑のグラフのうち一番左側です。こうして、冷静に思い出してみると、20年前の判断基準を現在も同様に行っていると思います。ピンクの新興国株式は信託報酬が低かったのですが、新興国株式は未知の分野で少し不安があったと思います。また、右から2番目のオレンジの棒グラフは、信託報酬が全商品の中で最も高いので、おそらくアクティブファンドだと思います。

なお銀行定期預金の金利は現在0.010%で、手数料はかかりません。

DCの信託報酬に関して気になることを述べます。

iDeCo、つみたてNISAに比べてDCは信託報酬が高い。

2017年から始まったiDeCoや2018年から始まったつみたてNISAに比べて、全体として信託報酬が高く設定されています。この時期は、まだ信託報酬が高いことについて政府の指導力が弱かったのだろうと思います。米国でSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)が発売されたのが1993年、日本で1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)が発売されたのが2001年です。その頃から、日本の投資信託は高いということが問題視されるようになってきたのだと思います。そして、低コストのファンドが実現するまでに20年近い歳月が必要だったわけです。

今の基準では合格できない水準の信託報酬

ここにあるDC商品のほとんどが、つみたてNISAの基準では、合格できないと思います。もし、合格したとしても、利用者から選択されることがほとんどないでしょうから、あまり時間を経ずして廃止になるでしょう。今からでも遅くないですから、信託報酬を下げていただきたいものです。

TOPIXと日経225の信託報酬の逆転現象

MHAM株式インデックス225とMHAMTOPIXオープンでは、225の信託報酬のが安くなっています。1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)と1321(日経225連動型上場投資信託のETF)では1306の信託報酬が安いので逆転しています。理由は分かりません。

 

財形の動向:資産運用のモデルパターン⑪

◎今日のグラフ:財形の動向

財形は貯めるのが得意でも増やすのが不得意

最近財形(「勤労者財産形成促進制度」)についての記事を新聞、テレビなどのマスメディアで、ほとんど見なくなりました。また、インターネットでも話題に上ることがあまり多くありません。このグラフには、「財形貯蓄の利用件数・貯蓄残高は引き続き減少の傾向にあります。」と書かれています。その理由は何でしょうか。この制度は、給与天引きなので、貯めるのは得意なのですが、その後の増やすことに優位性がないのではないかと思います。昭和の時代には利回りが5%を超えていた時代もあったのですが、現在の利回りは1.0%から1.5%程度です。iDeCoやつみたてNISAが、低コストのインデックスファンドを用意して、貯めるだけでなく、増やす方にも力を入れている状況下では、なかなか現状を維持することさえ難しいと思われます。

しかし、もし、ユーザーのニーズとして、近い将来、支出する金額と時期が決まっていて、その支払いに向けて毎月積み立てたい場合には、一つの有効な貯蓄方法の一つかもしれません。しかも一定期間以上貯めれば、元本割れしません。しかし、利回り1%程度では、あまりに低水準ですから、もし財形を利用する場合でも、その割合は少なくして、長期でインデックスファンドを積み立てる方法が賢明だと思います。

◎今日のテーマ:資産運用のモデルパターン⑪

<昨日に引き続いて、資産運用のモデルパターンの説明をします。>

⑧ 財形、小規模企業共済、国民年金基金

財形(ざいけい)

財形とは勤労者財産形成貯蓄制度のことです。

財形の特徴

  • 給与から天引きされますので、忘れている間にも増えていきます。
  • 銀行、生命保険会社などの商品があります。ただし、自分の勤めている会社が、この制度を導入していないと加入できません。また、転職した場合に、転職先の会社が導入していない場合は、自動的に解約になります。
  • 銀行は定期預金の金利で運用しますのできわめて低利となります。従って、銀行の財形には入らない方が得策です。財形をするなら、生命保険会社の方が金利が良いので、もし自分の勤めている会社に生命保険の財形がなければ、財形はあきらめて、他の貯蓄・資産運用を考えた方が良いと思います。
  • 財形には、住宅財形、年金財形、一般財形があります。
  • 保険会社の住宅財形は、払込保険料累計550万円までが非課税です。年金財形は、払込険料385万円までが非課税です。
  • 生命保険会社の場合、2017年現在、金利は大手保険会社が1.0%、中小保険会社が1.5%です。なお、1980年代以前は予定金利が5%以上の時もありましたから、現在のような超低金利の時代が終われば、もう少し金利は上昇することが期待できそうです。ちなみに銀行の場合は定期預金の金利ですから、ほぼゼロです。
  • 中長期で行えば元本割れは有りません。

財形を行うかどうかの判断基準

  • 元本割れしない金融資産がどうしても欲しいか。それは、銀行預金でも構わないか。これらのことを検討すべきです。
  • 給与天引きでなければ、なかなか貯蓄ができそうにないか。使ってしまうくらいなら、超低金利に甘んじられるかを考えるべきです。
  • 現在のような低金利の状況で、金利1.0~1.5%の金利でも我慢できるか。外国株式の投信積立との利回りを比較すべきです。

財形を行う場合の留意点

  • 元本割れが原則的にないのですが、ETFやインデックスファンドと比べて金利が大幅に低いことから、貯蓄全体の1割~2割の範囲内に収めること。
  • 銀行の財形ではなく、保険会社の財形にすること。
  • 加入する前に予定金利を確認して、各社を比較した後に入ること。

変動10年との比較

元本割れのない商品としては、変動10年という国債があります。この商品は現在の低金利の状況では、金利はほぼゼロですから、それに比べれば、金利が1%以上ある保険会社の財形貯蓄の方が有利だと思います。

ちなみに私の場合の財形の利用

私は、1980年代から富国生命の財形を利用しました。最初は、住宅財形を申し込み、払込金額が550万円になったところで、一般財形に切り替えて引き続き払い込みました。合計で数千万の払込になりました。50歳で住宅財形と一般財形を全額払いだして家を購入しました。同時に財形年金に切り替えました。金利は1980年代、5%を超えていましたが、その後徐々に減少して、現在は1.5%です。現在は60歳を超えたので、払い込みはせず、財形年金を受給しています。この財形年金の受給には税金がかかりません。1980年代には日米ともにETFは生まれていませんでしたし、1990年代も日本にはETFは存在していませんでしたので、私の場合は財形貯蓄一本やりでした。もし、1980年代にiDeco、つみたてNISA、ETFが存在していたら、私の資産は現在の2倍以上になっていたでしょう。この3つの商品はできるだけ活用したいものです。

小規模企業共済

小規模企業の経営者などが、廃業時の生活資金などのために積み立てる制度です。掛金が全額所得控除できるなどの税制メリットがある、小規模企業の経営者のための「退職金制度」です。ただし、予定金利は2017年現在で1.0%ですから、あまり高くありません。これだけに頼らず、つみたてNISA、投信積立などの制度、商品も利用したうえで、総合的に考えた方が良いかもしれません。

国民年金基金

国民年金基金制度は、公的な年金で、自営業者など国民年金の第1号被保険者の老後の所得保障の役割を担うものです。ただし、予定金利は2017年現在で1.5%ですから、あまり高くありません。これだけに頼らず、つみたてNISA、投信積立などの制度、商品も利用したうえで、総合的に考えた方が良いかもしれません。

(おしまい)