財政危機4:財産を守るための対策

◎今日のテーマ:財政危機4 財産を守るための対策

財政危機が起きた時に、自分の財産を守るためには、今何をすべきかについて、いろいろな人のアドバイスや意見を考えてみたいと思います。

① 伊藤隆敏コロンビア大学教授

伊藤隆敏コロンビア大学教授・政策研究大学院大学特別教授に、ソニーフィナンシャルホールディングス尾河 眞樹金融市場調査部長が、個人投資家の備え方を聞いています。

「どのシナリオになるかわからないのですから、各シナリオに対応できるよう分散投資を進めることが大事です。

例えば、ハイパーインフレのシナリオでは、ものすごい円安が見込まれます。外貨資産や不動産を保有するのが正解といえます。債券は保有してはいけません。

外貨を資産の何%か持とうと決めたら、10年ぐらいは持ち続けるぐらいの心構えがいいでしょう。内訳も、ドルだけでなく新興国通貨も含め、分散するのです。」

② 経済評論家の豊島逸夫氏

経済評論家の豊島逸夫氏は、自分の金融資産の半分以上を、金を含む外貨資産で保有していると言っています。

③ 財務省・日銀OB

また彼は、「財務省・日銀OB 達がドル・金を買いたがる」と言っています。

(以下は引用です。)

「ドルや金を買いたいのだが。」

豊島氏のところに相談にくる知り合いのなかで、外貨建て投資に強い興味を示す一団が、財務省・日銀のOBたちだ。退官した同期や先輩たちゆえ、会話にも遠慮がない。

「自分は日本国の台所の実態をこの目で40年間見てきた。」「量的緩和でマネーが大量に供給される現場で働いてきた。」

「通貨の番人」役を長く勤めてきた人物たちが、退官した翌日から個人投資家となり、退職金の運用を考え始める。そのときに、番人として守ってきたはずの円を持ちたがらない傾向がある。

そもそも、ドルや「代替通貨」の金を買うという投資行動は、円に対する不信任投票だ。

彼らのドル・金選好の根底には、膨張した公的債務・通貨供給量を「正常化」する出口の過程でインフレが不可避との認識がある。円という通貨の価値が希薄化して、長期的には円安とみる相場観だ。この点については「少子高齢化で移民も拒む国の通貨は長期的に下落するから円安。」と見る著名投資家ジム・ロジャーズ氏の考えと共通点がある。

「膨張した国の借金は、国民がまともに働いて返済できる規模ではない。量的緩和の出口戦略は未知の領域だ。ここは、資産防衛するしかあるまい。」

よく聞く議論だが、国の財政・金融政策の中核にいた人たちから、本音ベースで粛々と語られると、背筋がひんやりするごとき、説得力を感じてしまう。

④ 藤巻健司参議院議員

参議院議員の藤巻健司は、USMMFがいいのではないか、と言っています。

⑤ 小黒一正法政大学教授、小林慶一郎慶応大学教授

小黒一正法政大学教授と小林慶一郎慶応大学教授は、財政破綻の衝撃緩和を図るマクロ政策の中で、「今のうちに政府は海外資産を多く保有しておくこと」を提言しています。

以上の考え方に共通しているのは、円ではなく外貨を持った方が良いだろうということです。

⑥ 「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」の上位銘柄は外国株式

この上位10銘柄の内、8銘柄が外国株式投信で、残り2銘柄は外国株投信を含むバランスファンドでした。文化放送の「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」で、ハーバード大学の研究論文を紹介していました。その内容は、「個人の資産運用に関して、金融機関などのプロは当てにならない。同じレベルの素人が集まって、議論した方法で運用した方が、納得感もあって良い。」というものです。従って、新聞や雑誌の記事より、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」を参考にして銘柄を選択し方が良いかも知れません。

⑦ 経済評論家 山崎元氏は VT

山崎氏は、2016年に自分の資金で通称「VT」ことヴァンガード・トータル・ワールド・ストックETFに1,000口ほど投資したことを報告しました。購入単価は59.275ドルで、円貨額は約604万円です。この銘柄を選んだ理由は以下のとおりだそうです。

「先ず、VTは広い範囲に分散投資されていて、これ一本で分散投資が完結し、ポートフォリオ調整のニーズが生じにくいことです。自分の発言と、自分の投資の関係が気になる筆者としては、この点は大変好都合です。

VTはこれ一本で世界の株式に投資出来る優れたファンドですが、資産残高はまだ1兆円に達しておらず、バンガード社のファンドとしてはそれほど残高の大きなファンドではありません。これがなぜなのか、筆者は気になっていました。

かつてバンガード・ジャパンの広報担当者に聞いた話ですが、米国でVTが意外に売れていないのは、VTに投資するとこれ一本で分散投資が出来てしまうので、ファイナンシャル・アドバイザー(FA)が関与する余地がなくなってしまうので、FAがVTを避けることが主な理由であるらしいとのことでした。」

平成の財政を振り返り、次の新たな時代に向かう意見募集について

◎今日のテーマ:平成の財政を振り返り、次の新たな時代に向かう意見募集について

財政制度等審議会の財政制度分科会は、昨年11月20日に「平成31年度予算の編成等に関する建議」をとりまとめ、その中で「平成財政の総括」を行いました。
財政健全化を実現するためには、国民が財政の問題について当事者意識を持って捉え、考えていただくことが必要なので、国民の皆様から財政健全化に向けた意見を募集しています。
建議に対するご意見など平成の財政を振り返るご意見だけでなく、次の新たな時代に向けて国民が考える財政健全化・効率化のアイディア等を募集しています。

現在日本が抱える財政問題は、十数年前に私が自分の資産防衛を真剣に考える契機になった問題です。国民の中でも特に、国・地方の議員、役人、メディアが真剣に考えるべきだと思います。新聞・テレビなどのメディアは、たまに思い出したように、この問題を取り上げますが、将来大きな問題が発生したときに、「わが社は、その危険性を何度も取り上げ、問題提起をしてきた。」という言い訳程度の取り上げ方のように思えます。例えば、すべての新聞が、1面の半分を1か月間にわたり連続して、リスク、想定シナリオ、具体的対応策を掲載すれば、少しはこの問題に目を向け始めることになるのではないでしょうか。

参考までに上記財政制度等審議会(財政制度分科会建議)の建議のうち、総論部分を以下に掲載します。

平成31年度予算の編成等に関する建議(概要) 財政制度等審議会

総論

・ 平成31年度予算編成は、平成最後の予算編成。平成という時代は、少子高齢化で負担先送りの深刻さが増す中、平成当初に脱却した特例公債に大きく依存していることをはじめ、厳しい財政状況を後世に押し付けてしまう格好となっている(「共有地」の悲劇)。

・ 平成は、税財政運営が受益の拡大と負担の軽減・先送りを求める圧力に抗えなかった時代。受益と負担の乖離は、国民が財政を自らの問題と受け止めることを困難にしたおそれ。

・ 新たな時代では、財政健全化どころか一段と財政を悪化させてしまった過ちを繰り返さないようにする必要。 2025年度の国・地方PBの黒字化は背水の陣。「新経済・財政再生計画」の今後3年間(基盤強化期間)の歳出規律を遵守する必要があり、平成31年度予算が新たな時代の幕開けにふさわしい予算となることを期待。

・ 財政健全化に国民の理解を得るには、エビデンスに基づく政策立案を推進すべき。現在の世代の納税者の代理人そして将来世代を負担の先送りによってもたらされる悲劇から守る代理人としての役割を果たすため、当審議会は、発信力の強化などを含め、自らの在り方も改革。