◎今日のグラフ:S&P500のETFの信託報酬
ウォーレンバフェットが勧めるS&P500のETFについて、いくつかの観点から見たいと思います。
ウォーレンバフェットはVOO
最初は経費率(信託報酬)です。ウォーレンバフェットは、a very low-cost S&P 500 index fundという言い方をしていますので、SPYは、この基準から外れると思います。残る2つのIVVとVOOのうち、ウォーレンバフェットは、バンガード社を勧めています。それは、おそらくバンガード社が20世紀後半にインデックスファンドを発売して、パッシブファンドや低コストファンドの先駆者であったこと、経営者の経営理念に共感していることなどがあげられると思います。一方、VOOに負けじとIVVも信託報酬を0.04%に引き下げていますので、VOOよりも純資産総額の大きなIVVも選択肢の候補になると思います。さらに、経費は他の2銘柄よりも高いものの、その差は0.05%しかなく、圧倒的な流通量を誇るSPYもやはり有力候補だと思います。
◎今日のテーマ:ウォーレンバフェットの遺言の検討1
ウォーレンバフェットの遺言を日本人の個人投資家に当てはめるとどうなるか考えてみようと思います。
①現金の10%をアメリカの短期国債に投資する
超低利回りの国債に魅力なし
日本で短期国債と言えば、返済期間が1年以下の国債です。日本の現在のような超低金利では何が良いのかは分かりませんが、利回りが悪すぎて短期であっても積極的に国債を買う気にはなりません。代替商品としては、銀行預金、証券会社のMRFなどがあります。
サラリーマンなら財形貯蓄(生命保険会社)
もし、サラリーマンで、所属企業が財形貯蓄制度を導入しているなら、住宅財形や、一般財形に給与天引きで貯めておけば、約1~1.5%(銀行ではなく、生命保険会社)の予定金利なので、銀行預金よりも有利だと思います。引出は自由にできるので、必要な時に引き出せばよいと思います。
確定給付年金、確定拠出年金、財形年金の年金は短期国債より高利回り
私の場合は、ETF以外の金融資産は、そのほとんどを確定拠出年金、確定給付年金、財形年金で保有しています。これらの年金は、毎月定額が支給されますので、使い勝手としては現金と同じ感覚です。
②コストの安いS&P500インデックスファンドはSPY、IVV、VOO
私はSPYとVOO
この三つのETFのうちのどれが良いかについては、上記の通り、流通量、コストを総合的に考えると、これでなければならないという結論は出しにくいと思います。私は、最初SPYを買い、ある程度のボリュームになったところで、分散化を図る観点から新規購入分はVOOにしています。
1306は日本人にとってメリット大きい
ところで、アメリカであれば、SPYなどのS&P500インデックスファンドだけで十分かも知れませんが、日本に住む日本人にとって、アメリカのETFだけでなく、日本における代表的なETFである1306(TOPIX連動型上場投資信託)も併せて保有したいと思います。これは別に日本人だから日本の株を大事にしたいというような感傷的な理由ではなく、マーケットが開いていれば随時売り買いできる、現金化するのに時間があまりかからない、為替手数料がかからない、日米両国による資産分散化、日本国内の経済界、企業の動きなどが肌で感じられるなど様々な理由から日本のETFは持っていたいと思います。
ドルは絶対でなく、現在は円も避難通貨
日本では国債残高がどんどん増大しているので、将来的に円は極めて危ない通貨になる可能性があります。しかし、現在は、円と同様にドルもユーロも無条件に安心できる通貨とは言えないと思います。それらの中では、円はある程度まともな通貨だということが言えると考えています。したがって、今の時点では円の資産を一定程度持つことは資産分散化の観点から必要だと思います。
VGK、VWOなどで一層の資産分散化
さらに資産の分散化を図る観点から、ヨーロッパのVGK、新興国のVWOなども有力候補になると思います。