投資信託の資金流入投信

◎今日のグラフ:投資信託の資金流入投信

アクティブファンドに関心なし

私はアクティブファンドに関心がありません。その理由は、コストが高く、パフォーマンスがインデックスファンドより良いわけではないからです。しかし、新聞を見ると、アクティブファンドに関する記事がよく出ます。そこで、今回、人気のあるアクティブファンドを調べてみることにしました。

アクティブファンドは純資産額が大きい

青い棒グラフが2か月間の資金流入額、赤い棒グラフが純資産額です。左のモビリティ・イノベーション・ファンドと右のグローバル・EV関連株ファンド(H無)は資金流入額と純資産額がほぼ同じなので1月に設定されたことが分かります。真ん中のグローバル・ロボティクス株式ファンドは昨年の8月の設定です。いずれも1000億円以上ですから、インデックスファンドに比べると金額が大きいことが分かります。インデックスファンドは人気のあるものでも、数百億円がせいぜいだと思います。

発展が見込まれる分野の答申が成長

左のモビリティ・イノベーション・ファンドは、日本を含む世界の自動車関連企業の株式に投資するファンドです。これから自動車産業が目覚ましい成長をすると期待するファンドです。

グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2)は、世界の産業用やサービス用などのロボット、その関連技術のAI(人工知能)やセンサーを投資対象としています。ロボットとその関連のAIの発展を見込んでいます。

グローバルEV関連株ファンド(H無)は、EV(電気自動車)の進化や発展に関連した投資です。

上記3つの投資のいずれも、日本の得意分野かもしれません。あるいは、投資家にとって知識のある分野といえるかもしれません。

購入時手数料、信託報酬

購入時の手数料と信託報酬のグラフを作りました。インデックスファンドの答申ではノーロード、つまり購入手数料がゼロのものが増えています。また、ETFの販売手数料は、対面証券の場合に1%、ネット証券で0.5%という相場です。それに比べると、今回の3つのアクティブファンドは3%を超えています。

信託報酬

信託報酬については、つみたてNISAのインデックスファンドでは0.2%前後が多いのですが、今回の3つのアクティブファンドでは1.7%以上なので、とても高いコストです。

 

2018年1~2月資金純流入額(百万円) 純資産(百万円) 購入時手数料率(税込) 信託報酬率(税込)
モビリティ・イノベーション・ファンド 260,422 271,024 3.24% 1.77%
グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型) 152,952 473,254 3.78% 1.90%
グローバルEV関連株ファンド(H無) 119,229 121,899 3.24% 1.76%

高いリターンのアクティブファンドを事前に知ることはできない

リターンについては、アクティブファンドが必ずしもインデックスファンドより良い成績を残しているということもありません。また、事前にどの投信が良い成績を残すかどうかはわからないと言われています。

結論

結論としては、リターンが高いかどうかはわからないけれど、コストが高いアクティブファンドには、魅力が感じられない、ということです。予想通りの結果でした。しかし、特定の分野に絞っているファンドなので、そこに賭けたい人にとっては魅力的なのかもしれません。私には、特定分野の産業や技術に関する知識がありませんから、あえて投資しようとは思いません。また、これだけ購入時手数料率と信託報酬が高ければ、販売促進コストと営業の人件費を使って、この答申の売り上げを伸ばしたいという気持ちもよく分かります。1980年代に、山一証券の社員が、「証券会社の商品の中で(アクティブ)投信だけは買わない方が良い。あれは、証券会社だけが儲かる商品だから。」という言葉が思い出されます。