アメリカ株式ETFの来年の狙い目1

株式やETFに関して来年のねらい目は何でしょうか、という記事が雑誌を賑わす季節になりました。フォーチュン(Fortune)誌の記事を参考にして考えてみたいと思います。フォーチュンは、アメリカのメディア・コングロマリットのメレディスが発行するビジネス雑誌。発行部数は86万部で、世界最大の英文ビジネス誌です。以下はこの記事の拙訳です。

2020年の買うべき株式ベスト27

2020年の株式市場については用心すべき理由がたくさんありますが、この27銘柄は利益を生みそうです。

最高値更新

アメリカの株式市場はどんどん最高値を更新しています。ですから投資家は、もう終わりだと思わなくても良いかも知れません。

ブルマーケット

S&P500は3000ポイントの壁を、この一年間気にかけることがありませんでした。ダウジョーンズ工業株平均についても同様で、27,000ポイントの水準を軽々と超えました。この絶頂によって、ブルマーケットはまだ続くという自信が市場観測者に染み込んできました。

ボラティリティー

しかし何度も上下の変動があったので、別の見方もあります。11月中旬の時点で、2018年1月に到達したピークよりほんの少ししか上回っていないのです。そしてボラティリティーは、現在の株価に折り込み済みです。10月までで、S&P500が1%以上変動したのは37日ありました。2017年はたったの8日でした。株主が「セル」のボタンを押そうと、そわそわしている証拠です。

向かい風

この動きはマクロ経済が向かい風なので余計にひどくなっています。世界の2代経済大国間の貿易戦争が続いているとともに世界の経済成長が鈍化しているのです。主要なインデックスが大きく上下する原因は、ホワイトハウスのトゥイッターと米連邦準備制度理事会議長の即興の発言です。そのおかげで、株式市場からすっかり手を引いてしまった投資家もいます。この12か月間で投資家が株式から1.1兆円を引き出したと、アライアンス・バーンスタイン株式会社が9月に報告しました。そのほとんどが債券とMMFに移動しました。

楽観はなくなった

ほぼ2年間で「大まかに言って、マーケットは横ばいからわずかに上昇した」のです。「そして楽観のレベルは劇的に下落しました。」と、モルガン・スタンレー投資マネジメントの社長兼上級ポートフォリオマネージャーアンドリュー・スリモンは言います。

セクター別利益

S&P500の2019-2020の一株当たり営業利益は次のグラフの通りです。2020年はヘルスケアが稼ぎ頭になると予想しています。

業種 2019-2020の一株当たり営業利益
エネルギー 32.3%
ヘルスケア 21.8%
素材 19.2%
情報技術(IT) 15.2%
一般消費財 14.8%
資本財・サービス 14.1%
コミュニケーション 11.2%
生活必需品 7.4%
公益事業 7.1%
金融 -2.6%
不動産 -11.7%

不確実性増加

2020年になると、不確実性が一層増します。米国の選挙の結果によって、米中貿易関係、金融サービスの規制環境、ヘルスケアに影響を及ぼし、経済情勢には特段の大きな影響がありえます。

成長鈍化は続くのか?

2019年後半に連邦準備委員会が複数回金利引き下げを行ったこと(とともに他の中央銀行が同様の調整を行ったこと)によって、記録に残る最長の経済拡大が維持されるのかどうかはまだわかりません。「成長鈍化を好転させるために、それだけで十分なのか」とヌビーンの世界株式部門長サイラ・マリクは問います。「最終的に景気後退に陥るまで成長鈍化は続くのか?」

景気後退はない

この疑問に対してほとんどのプロ投資家は「景気後退」という言葉を使わない。この記事に関してフォーチュン誌に回答を寄せた20名の回答者の内、今後12か月間に不景気や景気悪化が本格的になると予想したものは、誰一人としていませんでした。そして、2007年、2001年の株式暴落の前の資産バブルのように見えると言った者もゼロでした。消費支出(国のGDPの70%にもなる)は弱まる気配がありませんし、失業率は50年来の低水準です。来年の米国経済は2%前後で進んでいくという予測をほとんどの人がしています。

貿易政策、移民に対する敵視、連邦負債

それでも、この控えめな予想でも楽観的かも知れません。現政権の常軌を逸した貿易政策と移民に対する敵視、そして急速に膨張する連邦負債の負担も相まって、経済成長の一層の足かせになるという心配は深まっています。

強気には慣れない

それに加えて、歴史的高水準の株式相場と鈍化する企業利益を考えれば、どんどん強気になるような回答者がほとんどいないことが分かります。「ファンダメンタルズを見れば、今後リターンが減少すると考えるべきだと思う。」と、ラザード・アセット・マネジメントの社長兼米国株責任者Ron Templeは言う。「景気拡大の11年目に入るものの、利益成長はより限定的だ。」

長期成長と短期成長

長期成長が鈍化するかもしれないという懸念が皮肉にも短期の成長を促進するかもしれない、と主張する者もいます。例えば大統領が中国との貿易協定を急ぐようなことがあれば、「相場は好転する」かも知れないと、モルガン・スタンレーのスリモンは言います。

儲ける機会

それでも、たとえ、投資家がまあまあの株式相場ぐらいの予想しか建てられなくても、儲けを出す機会はたくさんあるでしょう。市場全体が低迷しても影響を受けないセクターはあります。テクノロジーや消費財だ。金融、ヘルスケアのセクターもそうだ。これらのセクターは、最近、投資家が不安がったために不当に株価が下落した株式がたくさんあります。

有望な兆候のあるのが株式27銘柄とETF2銘柄

こういったことを念頭において、有望な兆候のあるのが株式27銘柄とETF2銘柄です。もし経済がパッとしなくてもほとんどの銘柄は良好な構えです。史上や経済に関して、より楽観的に感じている人たち、つまり勇敢な新十年に「勇敢」になる覚悟のある人たちにとっては「大胆な賭け」である銘柄も少しあります。

年間の配当金

年金生活下でのETF配当金

私は来年65歳になり、会社を退職して年金生活に入ります。現在64歳時点での年金は以下の通りです。

① 確定給付年金  65,000円/月

② 財形年金    60,000円/月

③ 在職老齢年金  130,000円/月

合計で255,000円/月です。私はETFと外貨MMFを保有していますので、その配当金が入って来ます。最近1年間の実績は以下の通りです。配当金額は千円単位で丸めてあります。

No. ポートフォリオ 配当金(千円)
1 TOPIX連動型上場投資信託 967
2 エスピ-デイ-ア-ル エスアンドヒ ETF 1079
3 バンガ-ド FTSE ヨ-ロツパ ETF 614
4 バンガ-ド FTSE エマ-ジンクETF 203
5 バンガ-ド S&P 500 ETF 117
6 SPDR S&P/ASX 200 ETF 160
7 ノムラ外貨MMF US マネーマーケット ファンド 54
8 ノムラ外貨MMF 豪ドル マネーマーケット ファンド 2

国内ETFの配当金は100万円

No.1のTOPIX連動型上場投資信託は証券コード1306です。配当金は約967千円で、そこから所得税2割を引かれて約80万円が手取りです。この80万円の使い道は海外旅行で、日々の生活費にはなりません。

外国ETFの配当金は200万円

No.2~6は野村證券で保有している外貨ETFです。配当金はすべて外貨MMFで受け取っていて、No.6のSPDR S&P/ASX 200 ETFが豪ドルMMFで、他はすべてUSMMFです。米ドルに偏り過ぎていて、通貨面の分散化が実現できていないという問題があります。リーマンショック以降の超低金利のあおりを食って、日本とヨーロッパではMMFが償還(廃止)になってしまったのです。ETFについては地域的に、日本、アメリカ、ヨーロッパ、新興国、オーストラリアに分散していますので一応合格点ではないかと思っています。外貨ETFの直近1年間の配当金合計は、2,173千円です。この所得税は米国内で1割、日本国内で2割なので、合計3割になってしまいます。このため、毎年確定申告をして1割を還付してもらっています。

外貨MMFの配当金はわずか

No.7~8は外貨MMFの配当金で毎月末に配当があります。両銘柄合計で年間56千円なので大した額ではありません。

外国ETFの配当金は外貨MMFで受け取る

外国のETFの配当金はすべて外貨MMFで受け取り、それをある程度の期間貯めておいて、ETFに再投資する方法を採っています。あまり知識のなかった数年前まで、配当金を円で受け取っていたために、その度に為替手数料が発生していました。使う当てのない外貨の配当金を円に変換するのは全く無駄なので、現在は外貨MMFで受け取ることにしました。こういう細かいことは投資を始めたころは注意が行き届かないものです。また、証券会社の人がわざわざ教えてくれることもありません。少しずつ勉強して改善していくしかありません。

USMMF400万円の再投資

USMMFの現在の残高は400万円を超えています。年間160万円ずつ分配金で増えていますので、2年半分くらい積み重なってと言えます。現在の悩みは、このUSMMFの再投資の投資対象タイミングです。

① 投資対象

投資対象は外国ETFを考えています。現在のポートフォリオは円グラフの通りです。

この中で1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)とSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)については、お腹いっぱいという感じなのでこれ以上追加投資する気はありません。VGKはヨーロッパのETFですが、これも11%の割合を占めているので、もう充分だと思っています。すると、投資対象としては、VOO(バンガード社のS&P500のETF)とVWO(バンガード社の新興国のETF)です。

VOO

VOOの月次報告書に記載されている投資アプローチは以下の通りです。

  • S&P500指数のパフォーマンスへの連動を目指します。
  • 大型株を投資対象とします。
  • 完全法を用いたパッシブ運用です。
  • ファンドはフルインベストメントを維持します。
  • 低経費によってトラッキングエラーを最小限に抑えます。

設定日 は2010/09/07ですから、9年経過しています。その間2.8倍に増えています。最近アメリカのS&P500は、連日最高値を付けていますので、近々調整があって、1割か2割下がるのではないかと危惧しています。一方、そのような懸念をしている間に、どんどんアメリカの株式相場が上昇してきているのが、過去数十年の歴史なので、あまり心配せずにVOOを買ってしまった方が良いかも知れないという気持ちもあります。

VWO

一方のVWOはどうでしょうか。

投資アプローチは以下の通りです。

• FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・イン
デックスのパフォーマンスへの連動を目指します。
• インデックス・サンプリング法を用いたパッシブ運用です。
• ファンドは実質すべての資産をインデックスに含まれる株式に投資します。

中国が全体の3分の1を占める

新興国の中では、中国の占める割合が最も高く、34.4%です。米中貿易戦争・覇権争いの行方はどうなるのでしょうか。中国の国内経済は疲れ始めているようですが、一方トランプ大統領も来年を再選を狙って、そろそろ関税を下げざるを得ないかも知れません。

株価は横ばい

VWOの株価は2008年のリーマンショック以降、ほぼ横ばいです。配当率が少し高くても、VOOとの差は歴然としています。一方で私のポートフォリオの中でVWOのシェアは5%と、少し低いのでもう少し高くしたいとも思っています。インドが経済大国になる兆しが見えたらVWOを買いたいのですが、もう少し時間が必要かもしれません。

② 投資のタイミング

投資のタイミングは、言うまでもなく底値で買えれば良いのですが、それが分かれば苦労はありません。やはり100万円ずつ積み立て投資するのが良いのかも知れません。しかし、現在は余裕資金をUSMMFで保有しているので1.281%の金利がついています。完全に遊ばせているのではないので、もう少し様子を見ましょうか。