アメリカ株式ETFの来年の狙い目7

株式やETFに関して来年のねらい目は何でしょうか、という記事が雑誌を賑わす季節になりました。フォーチュン(Fortune)誌の記事を参考にして考えてみたいと思います。以下はこの記事の拙訳です。昨日の続きです。

最高の「ポジティブ・サプライズ」

1年前我々投資チームは、金利上昇と厳しい貿易緊張が、株式市場にとってマイナスだと信じていました。しっかりしたリターンを確保できるようになった場合には、最良の攻めが最良の守りになると予想しました。ふたを開けてみれば、米国株式は全く順調でした。―――上席記者Jen Wiecznerの「安全と強さを組み合わせる」ポートフォリオがさらに良い結果となりました。12か月にわたって、彼女の選んだ株式の平均リターンは配当込みで20.2%でしたが、S&P500のリターンは14.4%でした。興味深い補足説明をしますと、世界株式は全体として米国株式に負けたのですが、米国以外で選択した9銘柄のうち7銘柄がS&Pを上回りました。以下に、当たりはずれの総括をします。

アジアが優勢

私たちが選んだ銘柄のうち最高の業績を残したもののいくつかはアジアにあり、急成長する中間層によって大躍進したのが美団点評(「中国のグラブハブ(シカゴに拠点を置くフードデリバリー企業)」)と香港のカジノ運営業者メルコ・リゾーツ&エンターテインメントです。関税戦争によって損害を被った半導体メーカーもありますが、私たちの選んだタイワン・セミコンダクターと米国に本拠のあるテキサス・インスツルメンツのリターンはそれぞれ48%と30%でした。

さらに大きなハイテク企業

米国ハイテク巨大企業は、過去10年間にわたる株価上昇の大きな割合を占めましたが、2019年もこの傾向は変わりありません。フェースブック、アルファベット、アマゾンは市場を上回るリターンを獲得しましたが、彼らがこれ以上継続するかどうかは疑わしいと思います。

金融業界の低迷

ボラティリティーが高い年は、証券会社やトレーダーにとって商売になると予想しています。しかし、テクノロジーの変化や競争によって、利益がどれほど減るかは分かりません。手数料ゼロの戦いによって証券業界の利益が減少するにつれ、TDアメリトレードの株価は25%下落しました。オプション取引と先物取引の大手企業CMEグループとCBOEも低迷しています。

ヘルスケアの復活

ヘルスケア株式が概して業績が良くなかった1年でしたが、FDAから製品の承認を獲得した革新的企業2社からは大きなリターンを得ることができました。非侵襲性の結腸直腸のスクリーニングテストを実施したイグザクト・サイエンシズと、嚢胞性繊維症の治療法を開発したベルテックス・ファーマスーティカルです。

以上がフォーチュン誌の予想でした。以下は私の考えです。

バリュー株に着目

全体として、今年までのような順調な株価上昇を期待していないような気がします。一方で、今まで日の当たらなかった業界や銘柄にスポットライトを当てています。

日本電産

日本の銘柄では、日本電産が狙い目として選ばれました。革新的な経営と電気自動車への期待が高いようです。

アメリカはETFを重視

ファンドに関して日本の予想と異なるのは、アクティブファンドでなくETFを選んだところです。日本の新聞や雑誌では考えられないことです。日本では、新聞、雑誌が広告主に忖度してアクティブファンドばかり記事にしますが、アメリカは読者のためになる記事として、ETFを取り上げます。日本の投資家は、その偏りを加味して自分の投資ポートフォリオを決定する必要があります。それが日本の個人投資家に必要な金融リテラシーだと思います。

ETF2銘柄

私は個別株式は持たず、ETFを中心に投資しています。そこで、フォーチュン誌が狙い目だとしたETFの2銘柄を最後に調べたいと思います。

米国に偏らない方が良い?

両銘柄とも米国を除く世界に投資しています。どちらにしても、来年はあまり米国に偏らない方が良いのかも知れません。

1. iShares Core MSCI Total International Stock ETF (IXUS)

iシェアーズ・コアMSCI トータル・インターナショナル・ストックETF(iShares Core MSCI Total International Stock ETF)は、米国籍の上場投資信託。MSCI ACWI(除米国)インベスタブル・マーケット指数に連動する投資成果を目指しています。

  1. 先進国と新興国市場の企業に幅広く投資しています。
  2. 低コストで、米国以外の株式に幅広く投資しています。
  3. 国際的分散化と長期の成長を目指すためのポートフォリオの中心として利用できます。
  • 純資産総額 177億ドル
  • 経費率 0.09%
  • 1年トータルリターン  12.66%
  • 3年トータルリターン    9.60%
  • 5年トータルリターン    4.20%

主な投資先は以下の通りです。

上位10社 %

アリババ・グループ・ホールディング

1.33

ネスレ

1.22

台湾積体電路製造 [TSMC/台湾セミコンダクター]

0.99

騰訊控股[テンセント・ホールディングス]

0.97

ロシュ・ホールディング

0.85

サムスン電子

0.83

ノバルティス

0.78

トヨタ自動車

0.63

HSBCホールディングス

0.6

SAP

0.5

2.バンガード・FTSE・オールワールド(除く米国)ETF(VEU)

投資アプローチ

  • FTSEオールワールド(除く米国)インデックスのパフォーマンスへの連動を目指します。
  • インデックス・サンプリング法を用いたパッシブ運用です。
  • ファンドはフルインベストメン卜を維持します。
  • 米国を除く全世界の先進国株式市場および新興国株式市場への幅広いエクスポージャーを提供します。
  • 低経費によってトラッキングエラーを最小限に抑えます。

純資産総額  392億ドル

経費率(年率) 0.09 %

期間 1年 3年 5年 設定来
リターン(基準価格) 11.42% 8.10% 3.94% 3.00%

保有上位10銘柄   2019/10/31 現在

順位 保有銘柄
1 Nestle SA
2 Alibaba Group Holding Ltd.
3 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd.
4 Tencent Holdings Ltd.
5 Royal Dutch Shell plc
6 Samsung Electronics Co. Ltd.
7 Roche Holding AG
8 Novartis AG
9 Toyota Motor Corp.
10 HSBC Holdings plc

純資産総額に占める上位10銘柄の割合 9.9 %

アメリカ株式ETFの来年の狙い目6

株式やETFに関して来年の狙い目は何でしょうか、という記事が雑誌を賑わす季節になりました。フォーチュン(Fortune)誌の記事を参考にして考えてみたいと思います。以下はこの記事の拙訳です。昨日の続きです。

新興市場:中国、インド、東南アジアは、中間層の時代

MSCI新興国指標は13.5%

アジアは貿易の緊張が高まり、またアジアに商品を輸出する企業が業績悪化になりそうです。そういった企業の多いヨーロッパの景気後退が近づきつつある中で、国際的経営をする企業は厳しい経営をしています。アメリカ株が標準よりも低い成績を残した後、10月末の株価収益率は、S&P500が22.3倍だったのに対し、MSCI新興国指標は13.5%でした。

市況は循環している

しかし、このような動きは「循環している」と思いだすことは賢いと、フィデリティ投資国際成長ファンド・マネージャーのジェド・ワイスは言います。「12年前、私がこの成長ファンドを立ち上げた時、国際株のせいで米国株はひどい目に合った。」とワイスは言います。「もし、恐ろしい記事の見出しから目をそらして、根本にある株式のことだけを考えれば、たくさんの価値を手にすることができる。」と付け加えます。

金融サービス業

投資に関する一つの考え:新興市場における人口動態の変化を利用する金融サービス企業の株価を買う。中国、タイ、マレーシアなどの国々の国民がますます中間層に入るにつれ、香港に本社を置くAIAグループなどの国際的保険会社は、利用できる立場にあります。様々な市場において、「市民は欧米で享受しているような社会のセーフティーネットの恩恵にあずかっていない」とワイスは言います。AIAは過去12か月間で株価が30%上がっていますが、何十年にもわたって市場に身を置き、ブランド名が知れ渡っているおかげで、立派な業績を残してきました。

銀行も人口動態を利用

銀行も新興市場において望ましい人口動態を利用してきました。インド最大の民間部門のHDFC銀行は、まだ公共金融機関が支配している国内市場で、大躍進を遂げてきました。小切手口座、貯蓄口座、住宅ローン、カーローン、クレジットカード、個人ローン、事業ローンなど、消費者向けや商売人向けの商品を取りそろえています。その甲斐あって、まだ銀行口座を持たない大勢の人口を抱えた国の中で、HDFCは良い立場にあります。「彼らは低コストのビジネスモデルを持っていて、余分な支店や従業員を抱えていない中で、市場シェアを増やしていくことができました。」とHDFCのことを、ボントベルのベンケンドルフは言います。「インド自体は、投資対象として大きな国だ:人口動態や会計的・法的体制は良好だ。一般的にはうまく長期成長を遂げられるはずだ。」

海外株式は売られ過ぎか?

長引く景気低迷と、貿易に関する緊張悪化によって新興市場株式は痛手を受けました。回復を期待する投資家もいます。

黒い線:MSCI新興国指標(トータル・リターン)

茶色い線:S&P500(トータル・リターン)

アリババは今後も好調

アリババ・グループは、世界ビジネスにおいて非常にめざましい成長の一つを遂げました。中国経済が弱点を見せ始めましたが、世界最大の小売業は抜群の実績を残し続けています。過去1年で売り上げは43%増加し、素晴らしい業績を続けると予想しています。アリババ子会社でアリペイを運営するアント・フィナンシャルは、急成長しているモバイル決済分野に、会社として本格的に乗り出しています。

頼れる上場投資信託

遠方のマーケットの個別株式を選ぶことに不安がある人にとって、頼りになるのが外国に的を絞った上場投資信託です。

  • アイシェア・コア・MSCI・トータル・インターナショナル株式(IXUS)
  • バンガード・FTSE・オール・ワールド・米国を除く(VEU)

分散投資・加重平均・低コスト

この2銘柄が、国際株式に焦点を絞ったファンドの中で、モーニングスターの評価がトップです。モーニングスター・アナリストのダニエル・ソティロフによれば、両ファンドは、先進国と新興国の両方にわたって分散投資していて、「時価総額を加重」つまり、大きな企業が強調されて変動が少なくなりやすくなっています。しかも、手数料は「目にする中で多分最も安い」とソティロフは言います。両銘柄の年間の費用は資産の0.09%、つまり投資額10,000ドル当たり9ドルです。「両銘柄は、現在のファンドの中で比較的良い成績だ。手数料が低いということは重要な問題だ。」

大胆な賭け

日本の株価は低すぎる

日本では、近年コーポレート・ガバナンス規程に沿うように徹底した変化があったおかげで、リターンが改善されてきました。「日本は先進国の中で株価が低く評価されている可能性が最も高い場所だろう」と、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントのファンダメンタル・株式の共同経営者ケイティ・コックは言います。

日本電産

ニデック(日本電産)は先進的な考えに基づいて、将来電気自動車の大量生産に不可欠になりうる電気モーターと関連部品に関し、日本市場でリスクをとっています。2021年3月末の年度で、一株当たりの売上高は14%は、利益は44%増加すると見込まれています。しかも、これらの数値はEM市場の成長によって加速しうるのです。

狙い目

AIAグループ

HDFC銀行

アリババグループ

iShares・コア・MSCI・トータル・インターナショナル株式

バンガード・FTSE・オール・ワールド・米国を除く

日本電産