つみたてNISAの日本株式商品(2017年12月26日調べ)信託報酬:30年前(実はつい最近まで)は投資信託はやらない方がよかった?

◎今日のグラフ:つみたてNISAの日本株式商品(2017年12月26日調べ)信託報酬

つみたてNISAの日本株式の信託報酬を調べました。SBI証券のつみたてNISA取扱銘柄(2017/12/19時点)のデータです。証券会社によっては、数値の後に「以内」、「程度」という文言を付けている商品もありましたが、省略しました。また、詳しくは比較していませんので、正確を期されたい方は元データをご覧ください。

つみたてNISAとそれ以外で全く違う信託報酬(管理費用、コスト)

棒グラフは0.2%以下と0.4%以上に別れています。0.2%以下は、2018年1月から始まるつみたてNISA専用のインデックスファンドが多いのだろうと思います。野村はつみたてNISA専用が0.18360%、野村アセットマネジメント野村インデックスファンド・TOPIX(愛称:Funds-iTOPIX)が 0.43200%です。この差は、金融庁の行政指導の賜物でしょう。証券会社も努力したのでしょうが、逆の見方をすれば、今までの水準が高すぎたのだろうと思います。それは信託報酬の最も低い三菱UFJ の国内株式インデックスにも言えます。この低い水準が定着して、しかも、つみたてNISA以外の商品にも波及することが望まれます。

     つみたてNISAの日本株式商品(2017年12月26日調べ)
委託会社・ファンド名 信託報酬
三菱UFJ国際投信eMAXIS Slim 国内株式インデックス 0.17172%
三井住友アセットマネジメント三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド 0.17280%
大和投信iFree 日経225インデックス 0.18360%
大和投信iFree TOPIXインデックス 0.18360%
野村アセットマネジメント野村つみたて日本株投信 0.18360%
三井住友トラスト・アセットマネジメントi-SMT 日経225インデックス(ノーロード) 0.18360%
りそなアセットマネジメントSmart-i 日経225インデックス 0.18360%
りそなアセットマネジメントSmart-i TOPIXインデックス 0.18360%
アセットマネジメントOneたわらノーロードTOPIX 0.19440%
ニッセイアセットマネジメント<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド 0.19440%
ニッセイアセットマネジメント<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド 0.19440%
アセットマネジメントOneたわらノーロード日経225 0.21060%
野村アセットマネジメント野村インデックスファンド・日経225(愛称:Funds-i日経225) 0.43200%
野村アセットマネジメント野村インデックスファンド・TOPIX(愛称:Funds-iTOPIX) 0.43200%
三菱UFJ国際投信eMAXIS 日経225インデックス 0.43200%
三菱UFJ国際投信eMAXIS TOPIXインデックス 0.43200%

今日のテーマ:30年前(実はつい最近まで)は投資信託はやらない方がよかった?

山一証券の社員との会話

私が30年前にアメリカ出張の飛行機で隣同士になった山一証券の社員とのやり取りは以下の通りです。

私「勉強で株式を少し始めたいのですが、どんな商品が良いですか?」

山一証券の社員「投資信託だけは止めた方が良い。あれは証券会社だけ儲けて、お客様は儲からないから。」

私「それなら、何が良いですか。」

山一証券の社員「転換社債が良い。株価が上がったら、株に換えれば差益が出るし、株価が上がらなかったら、社債のまま満期を迎えれば損はしないから。」

こんなやり取りがありました。その後、東海銀行の転換社債を買って、バブル期を迎えました。株価が上がって1.5倍になりましたが、その後バブルがはじけて7割まで下がって、5年後には額面で償還されました。あの山一証券の社員の言ったとおりでした。転換社債の件はこの会話から6年で実現しましたが、もう一つの話の投資信託の方がまともになるのには、あの時から30年かかったなあ、という感想です。

ニッセイアセットマネジメントのニッセイ日経平均とTOPIXのインデックスファンド

つみたてNISA用商品の日本株式で有望な、ニッセイアセットマネジメントのニッセイ日経平均とTOPIXインデックスファンドは数年前から信託報酬をどんどん下げたので、立派な姿勢でした。

日経平均かTOPIXか

日本の株式について迷うのは、日経平均が良いのか、それとも、TOPIXが良いのかということです。経済評論家の話では、上場企業の実態をよく反映しているのはTOPIXだから、インデックスファンドもTOPIXが良いという説明をしています。しかし私は、正直に言って、TOPIXが良くて日経225はダメだとは思いません。

NT倍率

この二つの指標を考えるときに、NT倍率が気になります。日経平均をTOPIXで割った数字がNT倍率です。2008年から2009年の前半にかけてNT倍率は1.0倍程度でした。そして私がTOPIXを買った2012年初めには、11.7倍くらいになり、現在は12.5倍くらいになっています。そうすると、2012年に、TOPIXでなく日経225を買った方が価格が1割弱上がったのではないかということです。ただし、今後銀行を中心に価格が上がればNT倍率が下がるかもしれませんので、それを楽しみに待つしかないですね。