2009年3月の連れ合いの運用実績:半年前に続いて評価損が一層拡大 日本国内ETFの適正な割合

今日のグラフ:2009年3月の連れ合いのポートフォリオ:リスク資産は3種類のまま

リーマンショックは100年に一度ともいわれるほどすさまじい猛威を振るいました。あまりのすごさに、ただ呆然とするだけです。1年前までに買った1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)、SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)、欧州投資銀行は手付かずで、押し目買いもできるような精神状況ではありませんでした。

 

2008年9月に、元本の70%まで下がった金融資産は、その後の半年で更に下がって元本の48%になってしまいました。今から冷静にこのグラフを見ると、ETFというものは、1ヵ月や2か月の短期間で一気に下がるのではなく、1年ほどの期間を要することが分かります。

運用益でなく運用損

グラフの名前は資産運用益ですが、マイナス52%ですから、実現はしていないものの運用損です。

ドルコスト平均法は自動買い付けでないと効力を発揮できません

もし、このような荒波に慣れていたら、価格が10%ずつ下がるたびにETFを買い足していたかもしれません。もし、そのようなことができていたら、2年ほどで元本を回復していたでしょう。ドルコスト平均法というのは、買うたびに自分でアクションを起こすシステムだとうまく行かないと思います。リーマンショックのような価格急降下の時には、買う気をなくしてしまうでしょう。ですから、毎月自動的に買い付けを行う方法でないと、ドルコスト平均法をきちんと実行して、メリットを発揮することができないと思います。連れ合いも、どうしていいかわからに状態で数年が経過してしまい、1306の価格が戻り始めてからやっと追加の購入を始めたのでした。

100年に一度の株価急落?

2009年3月ごろが最悪期だった思います。この時点での評価損は、高級車1台分に相当します。それにしても1年半で5割以下になったのですから、100年に一度かどうかは分かりませんが、数十年に一度の暴落だったと思われます。

損失は甚大

この時点ではSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)も下落し、1306と同様に取得価額の半分以下になりました。ニュージーランドドル建て社債は、何とか取得価額の56%で踏みとどまりましたが、全資産の評価額は約2年前の取得価額の5割を切ってしまいました。

損失は評価損であって、まだ実現していない

損切りすべきかどうかについての、夫婦間の議論はまだ続いていましたが、Buy And Hold の方針は続いています。一方で、更に下落するかもしれないという恐怖心もありますから、買うという行動に出ることもできませんでした。株は安い時に買って、高くなったら売ればもうかる、というようなことを言う人がいますが、実際には、それはとても難しいことです。もしもその通りに株を取り引きできれば、世の中の人は全員、株式で儲かってしまうはずです。それができないところが株式であると思います。

損切りしなかったことが正解

我が家の場合は、ETFを初めて買って、いきなりリーマンショックに見舞われたのですから、身動きが取れない状況が長く続いたのは、やむを得ないような状況だったと思います。しかし、損切りをしなかったことが正しかったということが、将来分かってくることになります。

VTでは1割に満たない日本株がなぜリスク資産の半分を占めるのでしょうか。

VTと日本のシェア

VTとはバンガード・トータル・ワールド・ストックのティッカーコードです。このETFのベンチマークは世界の株式で構成されています。日本はこのうち8%しか占めていません。一方、アメリカは52%のシェアです。アメリカがどれほど大きく、日本が世界の中ではどれほど小さいかが分かります。

今後の日本株式をどう考えるか。

そうすると、日本のETFについては8%保有するだけでいいのではないか、という疑問がわきます。更に言えば、アメリカは現在でも人口が増え続けているのに対して、日本は少子高齢化で人口が減る一方です。そのようなことを考えると、日本のETFは全体の5%でもいいのではないか、あるいは成長や利益が見込めないかもしれないから、ゼロ%でもいいのではないかという発想もありうるかもしれません。

日本のETFは日本国内だけでなく世界の成長を一部取り込んでいる

しかしながら、日本の企業は世界に進出していますし、中国の製造工場では日本のロボットが活躍しています。コンビニエンスストアは地域の家族経営の小売りが廃業になった時にその需要を吸収することができます。また、家庭内で作っていた食品を中食として販売するので、コンビニが獲得する付加価値が増えるということもあります。また、日本の小売業は縮小していくとしても、コンビニなどは、国内で成長を続けると共に、海外への浸出発展の可能性があります。

日本企業はこれから果実を収穫する時期

また、日本は過去20年以上にわたってデフレなどに苦しんで、失われた二十年とも言われてきましたが、この間日本企業は合理化に励み、資源を集中させて力をつけてきたことも事実です。その努力の成果がやっと実り始めたのです。従って、しばらくは日本の企業は成長し、利益を稼ぎ出すことが期待できるのではないでしょうか。50年後、100年後は日本の経済力が落ちることは想像できますが、今後10年、20年はある程度成長し、利益を上げることができるだろうと思います。。従って、日本のETFはいきなりゼロにするのではなく、少しずつ減らそうと思っています。