利回り10%の金融商品

◎今日のテーマ:利回り10%の金融商品

利回り10%の金融商品はあるでしょうか。

日本にはない

この質問をされれば、日本人なら、「胡散臭い」「詐欺だ」というかもしれません。アパート経営でも、7%程度の利回りが広告宣伝に載っているのですから、それよりも高い数字には首をかしげる人が多いかも知れません。また、「そんなに高い利回りの商品があるなら、みんな投資するだろう。」と思うかもしれません。

アメリカにはある

その商品は、日本にはありませんから、ほとんどの人は投資しませんし、それ以前に、知りません。しかし、その商品はアメリカにあり、かなり多くの人達が投資をしています。

それはSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)です。

期間 SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)トータルリターン
1年 9.4%
3年 14.9%
5年 10.4%
設定来
(1993年1月)
9.3%

俄かには信じられず

私は、10年以上前に、このファンドの資料を見た時に、これほど高いリターンが本当に存在するのか、にわかには信じられませんでした。しかも毎年のコストは0.1%程度ですから、10年もしない間に価格が2倍になってしまうのです。いくつが疑問がわきましたが、解消しました。その疑問のいくつかについて、現在の認識を述べてみます。

① 疑問:数多くある金融商品の中で、たまたまそのような銘柄があったのではないか。

現在の認識:SPYはアメリカのマーケットを代表するS&P500のETFですから、アメリカのマーケット全体が、このような動きになっています。SPYは、この1銘柄だけで純資産総額が28兆円もある、世界最大の金融商品です。

② 疑問:短期的に高い利回りの発生することはあるのではないか。

現在の認識:グラフの通り、1年間、3年間、5年間、設定来の26年間、9%から10%程度を続けています。

③ こんなに高い利回りなのになぜ日本人は、この銘柄を知らないのか。

現在の認識:新聞、雑誌、テレビなどは、広告主である証券会社、銀行等の高コスト商品ばかりを記事に取り上げ、顧客にとって望ましい商品を記事にすることがほとんどありません。また、1990年頃のバブル崩壊の傷跡が深いために、一般の日本人は、投資信託、ファンド、株式はリスクが高いと思い近づかないようにしているようです。

④ SPYのような銘柄は日本にいる日本人は、買うことが難しいのではないか。

現在の認識:SPYは日本にいる日本人が、野村證券や大和証券で簡単に買えます。ただし、手数料を安くしたいのであれば、SBI証券や楽天証券のようなネット証券の方が有利です。しかし、野村證券、大和証券で買って長期保有するのであれば、コストはあまり気にならなくなります。

⑤ 今までは10%程度の利回りがあったが、こんなことは続かないのではないか。

現在の認識:正直に言って、将来のことは分かりませんが、現在の10%という勢いが今後将来にわたってゼロ%になることは考えにくいと思います。またアメリカの株式は過去200年にわたって平均6%成長を続けています。