レバレッジのファンドに要注意

SBI証券の投信ランキングで気が付いたことがあります。

最近1年間はアメリカを中心に株式価格が上昇し、1年トータルリターンは40%程度の成績を収めました。その中で、大きく伸びた銘柄と、逆にわずかですが減少した銘柄があります。その2銘柄が、3位 の大和-iFreeレバレッジ NASDAQ100と6位の SBI-SBI 日本株4.3ブルです。

順位 ファンド名 分類 純資産(百万円) トータルリターン(1年)
1位 SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド 国際 424,690 41.40%
2位 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 国際 877,347 41.78%
3位 大和-iFreeレバレッジ NASDAQ100 ブル 188,937 71.41%
4位 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 国際 372,583 31.65%
5位 SBI-SBI・V・全米株式インデックス・ファンド 国際 45,796
6位 SBI-SBI 日本株4.3ブル ブル 33,146 -0.99%
7位 三井住友DS-グローバルAIファンド(予想分配金提示型) 国際 307,383 28.82%
8位 三菱UFJ国際-eMAXIS NASDAQ100インデックス 国際 34,601
9位 ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド 国際 362,703 36.68%
10位 アライアンス-アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信D毎月H無予想分配金提示 国際 1,626,005 41.73%

3位 の大和は、ナスダックの銘柄ですしレバレッジもかけているので、トータルリターンが70%を超えるのは当然ですし、もう少し大きな数字でもよいと思うほどです。一方、6位の SBIは、リターンがマイナスでした。

まずは、3位の大和の銘柄を確認しましょう。

運用方針

日々の基準価額の値動きがNASDAQ100指数(米ドルベース)の値動きの2倍程度となることをめざします。株式の組入総額と株価指数先物取引の買建玉の時価総額の合計額が、原則として信託財産の純資産総額の2倍程度になるように調整します。

期間別騰落率

期間 ファンド 参考指数
6カ月間 41.5% 19.8%
1年間 71.4% 33.8%
3年間 347.8% 137.9%
年初来 56.6% 27.7%
設定来 321.6% 130.5%

3年間と設定来は参考指数の2.5倍程度ですが、そのほかの期間は2倍程度なので納得できる騰落率です。

次にSBI 日本株4.3ブルを見ましょう。

運用方針

わが国の公社債に投資するとともに、株価指数先物取引を積極的に活用し、日々の基準価額の値動きがわが国の株式市場全体の値動きの概ね4.3倍程度となる投資成果を目指して運用を行います。

パフォーマンスは以下の通りです。

  • 1年    :-0.99%
  • 3年(年率): 5.20%

資産構成比は以下の通りです。

  • 国内株式  :81%
  • その他   :19%

これらの数字を見ると、アメリカなどに比べて日本株の成績の悪さを再認識させられます。

ここで、SBI証券の日本株4.3ブル・3.7ベアファンドの解説を確認します。


◆高レバレッジが魅力!日本株4.3ブル・3.7ベアファンドで高リターンを狙う!

ブル・ベアファンドは、短期でハイリターンを狙いたい方、また上昇相場だけでなく下落相場でもリターン獲得を狙いたい投資家の皆様におすすめのファンドです。

◆高レバレッジが魅力!日本株ブル・ベアファンドといえば、この2ファンド!

「SBI日本株4.3ブル」は、日本の株式市場の概ね4.3倍程度、「SBI日本株3.7ベアⅢ」は、日本の株式市場の概ね3.7倍程度逆の値動きとなることを目指して運用される投資信託です。株式市場より大きなリターンが期待できること、先物取引と異なり投資額以上の損失が発生しないことがブルベアファンド活用によるメリットです。

◆ブル・ベアファンドのメリット

投資面 ・短期で大きなリターンが得られる
・信用取引や先物のような追加証拠金が発生せず、損失が元本に限定される
・ベアファンドを活用することで、下げ相場でも利益を狙うことができる
商品性・コスト ・1万円程度から好きな金額で投資可能
・確実に売買できる(※)
・一般的に、ETFの信用取引よりも保有コストが割安
税務 ・金額買付の場合、NISA口座も利用可能
・株式や他の投信と損益通算可能
・特定口座を利用した簡便な税務管理が可能

◆ブル・ベアファンドの値動きのイメージ

一般的にブル・ベアファンドとは先物・オプション取引等を利用して指数の動きに対して同じ方向(ブルファンド)、または逆の方向(ベアファンド)への連動を目指す運用を行うファンドのことです。基準となる指数の値動きに対して2倍以上の動きをするように設計されたものもあります。
以下のグラフは、投資対象となる指数の値動きに対するブル・ベアファンドの基準価額推移のイメージ図です。


以上がSBI証券の説明でした。

ところで、1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))の12月11日の1年トータルリターンは、13.99%ですから、「SBI日本株4.3ブル」は市場平均のリターンを下回っています。信託報酬 も(税込)/年で0.968%と、1306の10倍と高いのでSBI 日本株4.3ブルには魅力を感じません。