<昨日からの続き>(注:アメリカの記事をもとに書いていますので、日本とは事情が違っている部分があります。)
バンガード社にはS&P 500が2種類があります。
VOO:Vanguard S&P 500 ETF
VFIAX : Vanguard S&P 500 Index Fund Admiral Shares
VOOは上場投資信託(ETF)、VFIAXは(上場されていない)投資信託です。信託報酬は0.03%で同じですが、他の面で少し違いがあります。
違い①:最小投資金額
二つのファンドの違いの一つ目は、VFIAXが採用投資金額が3,000ドルで、VOOの方は単純に現在の一株の価格(2021年4月現在では380ドル)です。
(注)FVIAXは日本では通常、ほとんどの証券会社で扱っていません。一方でSBI証券では「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」を販売していて、100円以上1円単位で買うことができます。
違い②:リアルタイムの価格
両ファンドのもうひとつの違いは、VOOは上場投資信託なのでリアルタイムで価格が決まるということで、つまり、取引時間中は常に価格変動を見ることができるということを意味します。逆に言うとVFIAXは投資信託なので、日中の取引が終わった後にならないと価格が分かりません。バンガード社は自身のページで次のように説明しています。
「投資信託は、一日の内いつ発注しても、その日に売買する誰もが同じ価格になります。価格は、日中取引が終了してから初めて計算されます。」
つまり、もしリアルタイムで迅速に株式を取引したいのであれば、ETFに投資する必要があります。
違い③:自動の投資と引き出し
両ファンドの最後の違いは、自動的な投資と引き出しをできるのは投資信託だけです。つまり、もし自動的に一定金額を毎週、あるいは毎月投資したいのであれば、VFIAXではできますが、VOOではできないということです。
例えば、毎月500ドルを投資したければ、VFIAXでそうすることができます。しかし、VOOであれば、毎月同じ額を手動で行う必要があります。
したがって、便利さから見ると、自動的に投資を繰り返したいのであれば、VFIAXの方がVOOよりも優位性があります。
VOO対VFIAX:同じ投資
投資として、VOOとVFIAXは全く同じものです。二つのファンドは全く同じ株式(アメリカに置いて公に取引される上位500社)を保有し、配当金は全く同じであり、年リターンも全く同じです。加えて、バンガード社では両ファンドの配当金を再投資できます。
下の表はそれぞれのファンドのセクター構成を表していますが、両ファンドは全く同じであることが分かります。
セクター VOO VFIAX
Communication Services 10.4% 10.4%
Consumer Discretionary 10.2% 10.2%
Consumer Staples 7.3% 7.3%
Energy 4.9% 4.9%
Financials 13.2% 13.2%
Health Care 13.7% 13.7%
Industrials 9.3% 9.3%
Information Technology 21.9% 21.9%
Materials 2.7% 2.7%
Real Estate 3.1% 3.1%
Utilities 3.3% 3.3%
ですから、もし投資成果について心配しているのであれば、VOOとVFIAXのどちらでも問題ありません。全く同じ成果を得られます。
VOO対VFIAX:どちらに投資すべきか?
上記のように、VOOとVFIAXは、投資という観点からは全く同じです。両ファンドともアメリカで株式公開された上位500社に投資していますから、投資リターンは全く同じということになります。
両ファンドの主な違いは、VFIAXは300ドルの最小投資額を必要としていますが、VOOにはそれがないということです。
ですから、もしすぐに投資したいお金を3000ドル以上を持っているのなら、将来の預け入れと引き出しを自動的に柔軟性を持って行えるように、FVIAXに投資するのが道理にかなっています。
もし、3,000ドル未満しかなければ、残高が3,000ドルを超えるまでVOOに投資し、転換したければVOOからVFIAXに非課税で移すのです。
どちらにしても、VOOとVFIAXは両方ともS&P500に連動していて、信じられないほど低コストですから、よりたくさんのお金を蓄え、管理費用を少なくすることができます。
以上、バンガード社のS&P500に関するETFと投資信託をアメリカの場合について述べましたが、日本では、FVIAXを買うことは難しいようなので、同じような投資信託を買いたければ、SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドを利用することになります。その場合の管理費用は (税込)/年0.0938%程度ですから、アメリカより割高ですが、買付単位は100円以上1円単位ですので、少額から始められます。