3年2か月で利益は37万円
2018年の制度開始以来、野村つみたて外国株投信で毎月33,000円ずつ投資しています。現在までの取得金額(積立金)は125万円、評価額は162万円、利益は37万円、29%です。昨年の春までは、あまり利益が出ませんでしたが、現在は評価益が取得金額が大きく上回っています。
利益が出るのはあまり好ましくない?
この状態を良いと思う人もいますが、悪いと思う人もいます。もし、今すぐ引き出すのであれば、評価額は高い方が良いのですが、引き出すのはおそらく20年後ですから、その時に評価額が上昇して、今は逆に評価額が取得金額を下回る状況の方が、投信を安く買えてよいのです。つまり、投信は、現在持っているものだけでなく、現在買うものも考えなければいけないということです。しかし、そうはいっても、中長期的には投信の価額は上昇するので、評価額は徐々に取得金額を上回っていくのはやむを得ないことです。
4位 ⇒ 12位 ⇒ 17位 ⇒ 圏外
私の利用している投信は「野村つみたて外国株投信」です。このファンドは、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017」で堂々の第4位に選ばれました。対面証券会社の野村證券がつみたてNISA専用ではあるものの、低コストの投資信託を出したことを投信ブロガーが評価したものです。私も高く評価し、野村証券にしか口座を持っていないこともあって、この商品を選びました。しかし、その後<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドなど、競争相手のファンドがどんどんコスト引き下げ競争にしのぎを削っている中、「野村つみたて外国株投信」はコスト引き下げを実施しませんでした。「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」 の2018では第12位、2019では第17位に順位を下げ、2020ではついに20位以内に入れませんでした。
野村 スリーゼロ先進国株式投信を投入
つみたてNISAの市場において追い込まれた(と思われる)野村証券は、昨年2月に「野村 スリーゼロ先進国株式投信」というとんでもない商品を発売しました。
信託報酬が0%
野村スリーゼロ先進国株式投信は野村アセットマネジメントが運用するインデックスファンドです。2030年までと期間限定ながら信託報酬が0%、販売会社、運用会社(委託会社)、信託銀行(受託会社) 3社の取り分を全て0としたことからスリーゼロと命名。野村證券つみたてNISA専用商品です。
増えない純資産額
しかしこの商品は、今のところあまり売れていないようです。売れているかどうかは、純資産額で判断することができます。純資産総額は、ファンドの規模を表すもので、そこに組み入れられている株式の時価総額のことです。純資産総額は2つの要因で増えたり減ったりします。
資金の流出入
1つは資金の流出入です。新たにファンドを購入する資金が流入すれば純資産総額(純資産額)は増加するし、解約によって資金が流出すれば減少します。
価格変動
もう1つは、組み入れられている資産の価格変動です。純資産総額はファンドに組み入れられている資産の時価総額ですから、その資産が値上がりすれば増加するし、値下がりすれば減少します。
主な商品の純資産額は以下のとおりです。
- 野村 スリーゼロ先進国株式投信 6億円
- 野村 つみたて外国株投信 300億円
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド 2,498億円
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 1,214億円
この中で、私の利用しているのが、2.の野村 つみたて外国株投信、子供たちに勧めているのが3.の<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド 、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 」で今年グランプリをとったのが4.の三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)です。
なぜ、コストがゼロなのに「野村 スリーゼロ先進国株式投信」はあまり売れないのでしょうか。理由は以下のとおりだと思われます。
1.対面証券のサービスが得られない
この商品を買うためには、対面のサービスや紙の報告書を受け取れなくなります。もともと、そのようなサービスを受けたいと思っていない人は、問題がありませんが、私のように数十年も紙のサービスを受け、分からないことは電話で聞いている人間にとっては、もしかすると大事なサービスを受けられなくなるかもしれないと言う不安があります。それは、もしかすると失ってみて初めて、その重要性に気付くのかもしれません。
2.野村證券には、課税口座で買える低コストインデックスファンドがない
野村證券では、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドや三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) などの低コストインデックスファンドを購入できません。資産の形成に当たっては、つみたてNISAの占めるウェイトは小さく、課税口座での積み立て・資産運用の方がはるかに重要ですから、品ぞろえが充実して、株式ETF売買手数料の安いSBI証券等のネット証券の商品を利用したほうが、全体としては低コストになります。
3.野村スリーゼロは、野村証券以外では買うことができない
コストゼロという制約条件もあるのでしょうが、この商品は、SBI証券や楽天証券などのネット証券では購入できません。新商品の参入障壁として最も重要なのは、販売網ですが、そこで致命的な弱点を抱えています。なるほど、野村証券のシェア大きいのですが、それは高齢者、対面証券という条件付きで会って、インターネット販売限定の商品にあっては、野村證券は販売網の優位性はありません。
子供の世代はSBI証券
私は、子供たちにこの商品を野村証券で買うことを勧めず、SBI証券で<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドを買うことを勧めています。