債権について現状確認
株式のインデックスファンド、ETFが投資対象として有利だということを、このブログでご紹介していますが、債券についての現状を確認しておきたいと思います。なお、個別の債権としては個人国債変動10年がありますが、現在は最低金利保証の0.05%ですから、全く魅力がありません。また、個別の社債については、証券会社からパンフレットが送付されることがありますが、それらは機関投資家などに売れなかった「くず」が個人投資家に回ってくるので、買わない方が良いと思います。こういったことを踏まえて、このブログでは、社債も投資信託とETFに絞って検討します。
純資産によるランキング
最初に日本の投資信託とETFを純資産の大きい順に表にしました。
種類 | 銘柄名 | 信託報酬 | 純資産総額 | 運用期間 | 1年リターン (%) | 3年平均リターン (%) | 5年平均リターン (%) | 10年平均リターン (%) |
投資信託 | 三井住友・日本債券インデックス・ファンド [DC兼用] | 0.16% | 790億円 | 18.6年 | -1.5 | 0.6 | 1.1 | 1.4 |
投資信託 | SMT 国内債券インデックス・オープン | 0.37% | 260億円 | 12.6年 | -1.8 | 0.4 | 0.9 | 1.2 |
投資信託 | DIAM 国内債券パッシブ・ファンド | 0.50% | 260億円 | 11.5年 | -1.6 | 0.5 | 0.9 | 1.1 |
投資信託 | たわらノーロード 国内債券 | 0.15% | 150億円 | 4.7年 | -1.5 | 0.7 | ||
投資信託 | eMAXIS 国内債券インデックス | 0.40% | 120億円 | 10.8年 | -1.8 | 0.4 | 0.9 | 1.2 |
国内ETF | 2561 iシェアーズ・コア 日本国債 ETF | 0.06% | 110億円 | 0.5年 | ||||
投資信託 | ダイワ投信倶楽部 日本債券インデックス | 0.45% | 99億円 | 20.3年 | -1.9 | 0.3 | 0.8 | 1.1 |
投資信託 | インデックスファンド日本債券(1年決算型) [DC兼用] | 0.45% | 96億円 | 18.8年 | -1.8 | 0.3 | 0.8 | 1.1 |
投資信託 | eMAXIS Slim 国内債券インデックス | 0.12% | 95億円 | 3.5年 | -1.5 | 0.7 | ||
投資信託 | <購入・換金手数料なし> ニッセイ国内債券インデックスファンド | 0.14% | 82億円 | 5.5年 | -1.6 | 0.6 | 1.1 |
選択基準は信託報酬と純資産
ETF、投資信託を選ぶ基準として、私は信託報酬の安さと純資産の大きさに着目します。信託報酬は概ね0.2%以下、純資産総額は原則として1兆円以上です。この表は純資産総額の大きい順に並べてあります。
日本の債券は魅力なし
最大の投資信託は、三井住友・日本債券インデックス・ファンド [DC兼用]で790億円ですから、株式に比べ債権の金額が極めて小さいことになります。これは、日本の債券投資信託は全く人気がないことを意味しています。そして、DCつまり確定拠出年金の投資対象として、日本の債権を選ぶ人が少しいるということを意味しています。DCは、リターンが非課税なので、株式投資信託を選ぶのが正しい方法ですが、日本債権を選ぶ人は知識がないのか、あるいはよっぽど臆病な人です。どちらにしても、投資信託について多少の知識があれば、現在の超低金利下では日本債券ファンドを買う人は、ほとんどいないということが、この表に示されています。ちなみに信託報酬は0.16%、0.06%等安いものもあり、この点は合格点ですが、純資産総額の面で、どの銘柄にも投資したくありません。なお、リターンについてはどの銘柄も、1年はマイナス、3年、5年、10年は1%前後です。もし、インフレが始まり、中・高金利になれば、債券は暴落するでしょうから、場合によっては、株式以上にリスキーな商品かも知れません。
アメリカの債券ETFランキング
次にアメリカの債券ETFの純資産総額上位10銘柄を確認しましょう。
コード | 銘柄名 | 信託報酬 | 純資産 | 運用期間 | 1年 % | 3年 % | 5年 % |
AGG | iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF | 0.05% | 8.1兆円 | 16.9年 | 10 | 4.4 | 1.1 |
BND | バンガード・米国トータル債券市場ETF | 0.04% | 6兆円 | 13.4年 | 10.4 | 4.5 | 1.3 |
LQD | iシェアーズ iBoxx 米ドル建て投資適格社債 ETF | 0.15% | 5.9兆円 | 18.1年 | 14.7 | 6.9 | 3.7 |
BNDX | バンガード・トータル・インターナショナル債券ETF(米ドルヘッジあり) | 0.08% | 3兆円 | 7.2年 | 3.7 | 3.3 | |
HYG | iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF | 0.49% | 2.9兆円 | 13.4年 | 3.2 | 2.2 | 1.2 |
SHV | iシェアーズ 米国短期国債 ETF | 0.15% | 2.4兆円 | 13.6年 | 1.6 | 0.2 | -2.1 |
SHY | iシェアーズ 米国国債 1-3年 ETF | 0.15% | 2.4兆円 | 18.1年 | 4 | 1.1 | -1.5 |
IEF | iシェアーズ 米国国債 7-10年 ETF | 0.15% | 2.4兆円 | 18.1年 | 13.4 | 5.7 | 1.6 |
MBB | iシェアーズ 米国 MBS ETF | 0.06% | 2.3兆円 | 13.4年 | 5.3 | 2.4 | -0.4 |
TIP | iシェアーズ 米国物価連動国債 ETF | 0.19% | 2.2兆円 | 16.7年 | 10.4 | 4.1 | 0.5 |
アメリカの債券ETFは魅力あるか?
トップは8.1兆円のAGG iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETFです。アメリカは、つい最近まで2~3%の金利でしたから、それまでに購入した人たちが現在でも保有し続けているのでしょう。信託報酬も0.05%と、かなり低い水準です。表全体を見ると、1年、3年のリターンは高めですが、5年リターンはマイナスも有って、かなり低めです。
日本人が為替リスクをと取る価値は無さそう
アメリカ人が長期投資で買う可能性はあるでしょうが、日本人が為替リスクを取ってまで買う商品ではないような気がします。