新社会人へのアドバイス
私は長いサラリーマン人生の間に、資産運用関係の仕事に携わって来ました。その知見をもとに、就職が内定した自分の子供にお金のアドバイスをしました。このブログでは、数回に分けてそれを説明しています。
⑥ 実印の字が複雑なのは、詐欺にあわないようにするため
実印の字が複雑な理由
欧米には印鑑証明・実印という制度がありません。その実印の模様は非常に複雑で、なんであんなに複雑で読みにくいのだろうと、不思議に思う人も多いと思います。私もそう思っていました。そして、その問題をテレビで取り上げ、正解を教えていました。
上下逆の印影は無効
詐欺を働く時に、実印を少しの間だけ貸してもらい、急いで押して返すことがあるのだそうです。その時に実印の字が分かり易くて上下がはっきりすると、上下を間違いなく押されてしまうのですが、字の形が複雑だと、上下逆に押すこともあるのだそうです。そうすれば民事裁判になった時に、被害者が勝てる可能性があるのだそうです。実は、私の親戚で、そのような詐欺被害に遭い、たまたま印影の上下が逆様だったので、勝訴した経験をした人がいました。勝訴はしたものの、弁護士費用が300万円かかったそうです。なお、裁判の費用数十万円は敗訴した側が払うので、私の親戚は払いませんでした。
無駄な手数料・経費
人生100年時代には、考えもしないような詐欺も増えてきますので注意が必要です。しかし、オレオレ詐欺のような詐欺犯罪よりも現実的に問題になるのは、銀行や郵便局の窓口で、言葉巧みに無駄な手数料や経費を払わされている商品で、その金額は年間全国で数千億円、数兆円になっているかも知れません。
対面証券からネット証券の時代へ
私は、最近10年間で内外のETFを中心にかなり多額の投資をしましたが、そのほとんどを野村證券で購入しました。私は40年近く野村證券に口座を持って取引をしてきました。ETFの売買手数料や外貨ETF購入のための為替手数料についてはあまり考えもせずに取引を続けてきました。また、私のような還暦過ぎの古い人間にとって、SBI証券や楽天証券などのネット証券には、口座開設や取引に不安があったのも事実です。そのためETF購入のために野村證券へ支払った手数料は約100万円でした。ネット証券ならその10分の1以下で済んだと思います。私の資産運用方針は買うだけで売ることがほとんどありませんから、ネット証券と比べて決定的に損をしたわけではない、と言い訳をしながら自分を納得させています。
対面証券は電話営業がある
野村證券の営業担当からは、時々債券、新規公開株売り込みの電話がかかってきたり、パンフレットが送られてきますが、一切無視することにしています。証券会社がきれいなパンフレットで営業をする商品は、プロが買わなかったものです。それが個人投資家に回ってくるので、良い商品はないと思った方が良いと考えるべきです。数億円以下しか金融資産を持っていない顧客は、対面証券会社にとって大事な顧客ではないのです。
個人投資家の資産運用方針
私たち個人の投資家は、アメリカ、先進国、世界のETF、インデックスファンドを中心に資産運用していれば、損をせずに済むと思います。