(縦軸の数値は2010年4月合計を100とした指数です。)
今回の運用益は、昨年のチャイナショックの落ち込みを回復して、過去最高の運用益を達成しました。2011年の円高、2016年のチャイナショックともに、1年でV字回復しました。この結果、運用益は文京区白山の66㎡の新築マンション価格または高級車11台分の価格に相当します。
インデックスファンドとETFの使い勝手の違い。
インデックスファンドとETFは、保有コストでは差がなく、純資産総額では大きな差がありますが、それ以外にも使い勝手の点で違いがあります。私は金融商品の専門家ではありませんので、すべての点を的確に説明することはできません。そこで、普段、ETFで感じている使い勝手の良さ、悪さを明らかにして、それとの比較でインデックスファンドを述べたいと思います。
保有資産の77%がETF
2017年3月現在、私の保有している金融資産は、日々の生活に必要な銀行預金以外は以下の通りです。
金融商品 | 割合(%) |
1306(特定) | 29 |
1306(NISA) | 1 |
SPY | 33 |
VGK | 10 |
VWO | 4 |
豪ドルMMF | 2 |
カナダドルMMF | 2 |
NZドルMMF | 1 |
MRF | 1 |
財形年金 | 2 |
DB(確定給付年金) | 7 |
DC(確定拠出年金で全額国内株式) | 6 |
この表の中でETFは、1306(特定)、1306(NISA)、SPY、VGK、VWOです。合計では77%です。それ以外では、外貨MMFは5%、MRF1%、財形年金 2、
DB(確定給付年金) 7、DC(確定拠出年金で全額国内株式) 6です。ご覧の通り、インデックスファンドはゼロです。
ETFの方がコストが低かった
その理由は2010年に退職金を受け取り、それを元手に資産運用を本格的に始めた時、積立のインデックスファンドは、選択しなかったのです。当時、今ほど良いインデックスファンドが見つからなかったということと、インデックスファンドより、ETFの方が保有コスト(信託報酬)が安かったからです。
積み立てる資金がないのでインデックスファンドは選ばない
その後、私は再就職してわずかながらの収入を得ていますが、収入より支出の方が多いので、毎年少しずつ金融資産を取り崩して生活しています。もし収入の方が多く、しかも、その余剰資金が安定していれば、インデックスファンドの積み立ても考えたでしょうが、実態はその逆ですので、今までインデックスファンドとは縁がなかったという状況です。
つみたてNISAにはインデックスファンドがぴったり
しかし、2018年1月からは、つみたてNISAが始まりますので、外国株式のインデックスファンドを始めるつもりです。これは余裕資金ができたからではなく、今までのNISAを取り崩して、つみたてNISAに移行しようと考えているからです。というのは、今までのNISAは国内のETFしか運用できず、外貨ETFはNISAで運用できなかったのです。私の場合、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)が金融資産全体の3割を占めているのですが、今後の日本の高齢化、少子化を踏まえて、10年、20年をかけて、国内のETFを減らして外国の株式を増やそうと考えているからです。
つみたてNISAを利用できる外国株式インデックスの方が手間いらず
そしてもう一つの理由は、外貨MMFの購入に当たっては、指値買いをしなければならず、いつ買えるか分からないし、買えた後も外貨MMFの売却指図をしたりと、少し面倒くさいのです。そのめんどくさい手続きを数十万円単位や100万円程度の額で何度も行うのが嫌なのです。それよりも、つみたてNISAを利用できる外国株式インデックスの方が手間いらずで良いという判断になりました。ただし、つみたてNISAの限度額は、40万円の20年で800万円ですから、私の資産全体に占める割合は高くはないと思います。
外国ETFは成行注文でなく、指値注文で
なお、外貨ETFを購入する場合、私は指値注文をしています。というのは、かつて、国内のETFと同様に成行で注文したとき、野村証券の担当者が「日本と違って、アメリカの『成行』は、本当に『成行』ですから、いくらになるか分かりません。指値の方が良いです。」とアドバイスしてくれたのです。それ以来、外国の市場での取引はすべて指値注文にしています。
私のようなアラ還の人間にとって、ある程度のまとまった余裕資金がある場合、インデックスファンドより、ETFの方が少し歩があると思います。コスト面ではETFとインデックスファンドに差はなくなってきましたが、ETFの方が市場での流通規模が大きくて安心できます。インデックスファンドの純資産額は、最大でも数百万単位ですが、ETFは数兆円単位です。ほったらかしにしておいても、しばらくは、その商品が市場から消えて無くなるようなことはないと思います。
お金や資産を金などの実物で持っている場合はほとんどないと思います。通常は銀行の預金や、証券会社の株式、ETF、MMFなどでしょう。これらはすべて、数字で表現されます。よく考えてみると、これはとても頼りないことです。現に、2016年には、銀行の休眠預金700億円の取り扱いが、政府で検討されたりしました。
コストだけでなく、規模も重視
自分ももしかしたら、明日死ぬかもしれない、死なないまでも意識が無くなるかもしれない。そのような状況になった時に、小規模のインデックスファンドに投資しておいた資産がどう扱われるかは予測不能です。1997年には、大き過ぎてつぶすことができないと言われていた業界4位の山一証券が破綻しました。どんな企業も、どんな商品も絶対に安心ということは有りませんが、できるだけ大きな会社として野村証券を選び、できるだけ大規模なETFとして、日本では1306(TOPIX連動型上場投資信託)、アメリカではSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)をえらびました。私の選択基準は、コストだけでなく規模も重視しています。