年金は何時から受け取るべきか

年金は何時から受け取るのが良いのでしょうか。

年金と言っても、

  1. 国民年金・厚生年金
  2. 確定拠出年金
  3. 確定給付年金

があり、それ以外にも、保険や財形の年金があります。3の確定給付年金は60歳から受け取ることに決まっていますので、選択の余地はありません。問題は、1.国民年金・厚生年金と2.確定拠出年金の年金です。

私は、国民年金と厚生年金を65歳、厚生年金のうち特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)を61歳から64歳まで受け取っていました。確定拠出年金は60歳から受け取れますが、75歳から受け取ることにして、現在は運用中です。また、税経年金は60歳から65歳まで受け取って終了しました。年金保険は持っていません。

つまり、60歳から受け取らなければならない財形年金と確定給付年金は別として、厚生年金は65歳から受け取り、確定拠出年金は75歳まで繰下げています。なぜ、受け取り年齢を分けているのでしょうか。

自分で運用できれば増やせる

その理由は、厚生年金は国が運用しているために増額を期待できないのですが、確定拠出年金は自分で高利回りのETFに投資できるので、増額が期待できるからです。

75歳まで遅らせれば84%アップ

国の年金を受け取り始める年齢は一般に「65歳」と理解されていますが、実態としては「可変式」です。早くは60歳からもらうことができますし、75歳まで遅らせることもできます。

早くもらうことを繰り上げ、遅くもらうことを繰り下げといい、それぞれ増減します。1年早くすると4.8%ダウンするため、60歳からだと24%ダウンした年金を一生もらい続けることが確定します。

1年遅くすると8.4%アップし、5年(70歳)で42%アップ、10年(75歳)で84%アップになり、それを一生もらい続けることができます。今まで70歳が繰り下げの上限年齢でしたが、2022年4月から75歳まで引き上げられることになりました。

123歳まで生きると同額

毎月の年金を20万円とすると年間では240万円になります。75歳まで繰下げるとその84%増しですから441.6万円になります。その受給金額を使わずに利回り6%の株式ETFや低コストインデックスファンドに投資するとします。実際には、所得税がかかるので、もう少し下がります。80歳、85歳、90歳、95歳、100歳の貯蓄額は、65歳で受給を開始した場合の方が良いという結果になりました。そして計算上は123歳まで長生きしないと同額にはならないという結果です。なお、つみたてNISAなどを使えば、運用後のお金に所得税はかかりません。

利回り分には20%の所得税が余計にかかるということを考えれば、8%の利回りに対して0.8を掛けると0.64%になるので、約6%ということになります。

年齢 65歳受給開始貯蓄額 75歳受給開始貯蓄額
65 240
66 494
67 764
68 1,050
69 1,353
70 1,674
71 2,015
72 2,375
73 2,758
74 3,163
75 3,593 442
76 4,049 910
77 4,532 1,406
78 5,044 1,932
79 5,586 2,489
80 6,161 3,080
81 6,771 3,707
82 7,417 4,371
83 8,102 5,075
84 8,829 5,821
85 9,598 6,611
86 10,414 7,450
87 11,279 8,338
88 12,196 9,280
89 13,167 10,279
90 14,198 11,337
91 15,289 12,459
92 16,447 13,648
93 17,674 14,908
94 18,974 16,245
95 20,352 17,661
96 21,814 19,162
97 23,362 20,753
98 25,004 22,440
99 26,744 24,228
100 28,589 26,123

利回り4%の場合

ところで、この利回り6%については、私としては控えめに出しているのですが、さらに低くして4%の場合の表も出しました。この場合でも96歳まで長生きしないと75歳受給開始者は65歳受給開始者には追い付かないということになります。

年齢 65歳受給開始貯蓄額 75歳受給開始貯蓄額
65 240
66 490
67 749
68 1,019
69 1,300
70 1,592
71 1,896
72 2,211
73 2,540
74 2,881
75 3,237 442
76 3,606 901
77 3,990 1,378
78 4,390 1,875
79 4,806 2,392
80 5,238 2,929
81 5,687 3,488
82 6,155 4,069
83 6,641 4,673
84 7,147 5,302
85 7,673 5,956
86 8,220 6,635
87 8,788 7,342
88 9,380 8,078
89 9,995 8,842
90 10,635 9,638
91 11,300 10,465
92 11,992 11,325
93 12,712 12,220
94 13,460 13,150
95 14,239 14,118
96 15,048 15,124
97 15,890 16,170
98 16,766 17,259
99 17,677 18,391
100 18,624 19,568

早く受け取り始めれば、一定額は確実に受給でき、もらいっぱぐれることがありませんから、所得税の2割は保険料という考え方もできます。

いろいろなアドバイザーが、様々な資産をしていますので、本人が納得のいくまで、考えてみるのが良いかも知れません。