連れ合いのポートフォリオ2020年6月

2007年1306購入

連れ合いのポートフォリオのうち、国内株式ETFの1306(TOPIX連動型上場投資信託)は、2007年に私が勧めて買ったものでした。それまでは、従業員持株会の個別株式と銀行預金しか持っていなかったのですから、1000万円の投資は本人にとって大決断だったでしょう。私が1306を買ったのが2012年でしたから、私より5年前に買ったのでした。

サブプライムローン発生直前

買うタイミングは、私がアベノミクスの始まる6か月前だったのに対し、連れ合いはサブプライムローンで株式相場が下落する6か月前でした。連れ合いのポートフォリオに、評価益が出るまでには、その後7年の歳月を費やしました。普通の人なら損切りしたりするのでしょうが、結局、連れ合いは一度も売らずに2014年に黒字になりました。

「今売って、もっと安くなったら買い戻す」

実際、連れ合いはリーマンショックの後、しばらくは、「今売って、もっと安くなったら、買い直したい。」と繰り返していました。株式ETFは十分に分散投資していますから、倒産や償還の心配はありませんが、ITバブル、リーマンショック、コロナショックなど繰り返し暴落していますから、できれば数年に分けて購入した方が良いというのが私の考えです。

一括購入か、分散購入か

経済評論家の中には、「そんなのは気休めに過ぎない」という人もいますが、それは、投資するお金があるのに、投資を遅らせれば、その機会損失が大きいという考え方です。しかし、もし、一括購入を勧めて、その直後に株価が暴落し、毎日、連れ合いから責めたてられるという思いをすれば、「単なる気休め」、という言葉は使わなくなると思います。「単なる気休め」ではなく、機会損失は「投資の世界に入るための入会金」、または、「投資をやめずに続けるための保険料」と割り切るべきものです。株価が暴落して、狼狽売り、そして、投資を断念、というパターンはよくあります。バイ・アンド・ホールドを続けるためには保険料が必要です。

バイ・アンド・ホールドか証券会社のアドバイスで売買か

フリー・アナウンサーの生島ヒロシが、最近ラジオ放送で、ウォーレン・バフェットが勧めるバイ・アンド・ホールドを止めたと話していました。現在は対面証券会社からのアドバイスを受け、売買をしているのだそうです。その会社の証券マンとの相性が良くて、うまくいっているとのことです。それでは、バイ・アンド・ホールドが悪くて、対面証券の証券マンのアドバイスで売買するのが良いのでしょうか。

普通の人はETFをバイ・アンド・ホールド

生島ヒロシという人は、38歳でTBSを退社してフリーになりました。その後も、芸能プロダクションを立ち上げたり、不動産に手を出して莫大な借金を作ったりした経験を持っています。かなり、山っ気があり、金もうけが好きなように見受けられます。こういう人は、お金もいっぱい持っていて、何をやっても構わないし、バイ・アンド・ホールドで納まっている人ではないでしょう。売買をして勝負するのが好きなのでしょう。しかし、一般の人で、株式投資の経験があまりない人は、ETFをバイ・アンド・ホールドするのが望ましい資産運用だと思います。

特定口座とNISA口座

1306は、特定口座とNISAで保有しています。もともとは、特定口座だけで保有していたのですが、NISAが始まったので、利用しました。

NISAからつみたてNISAへ

NISAとは、2014年1月にスタートした「少額投資非課税制度」の相性です。名前の通り投資に関する税の優遇制度です。投資をして収益がでれば本来、税金が課税されますが、制度を利用すれば、2014年1月から2023年まで、毎年120万円(2015年までは100万円)までの投資で得た収益が最長で5年間非課税になります。しかし、この制度と、「つみたてNISA」の制度は2者択一ですので、つみたてNISAを利用している現在、新たなNISAの利用はする予定がありません。今年の終わりには、現在の残高の半分が、そして来年の12月には、残りの半分も特定口座に移換されてしまいますから、現在5%あるNISAの1306はゼロになります。

平均余命プラス3年

NISAとつみたてNISAのどちらを選ぶべきかは、投資家の年齢、投資対象、考え方によって異なりますので、一概にどちらが良いとは言い切れないと思いますが、私と連れ合いは、しょっちゅう制度が変わるような商品は、対応が面倒くさいので、できるだけ手間のかからないつみたてNISAを選択しました。私は現在65歳で、平均余命は20年と計算されます。しかし、ここでマジックがあって、平均値と中央値が異なるのです。例えば99人が65歳だとすると、50人目の人の余命は20年でなく23年なのです。

死亡は正規分布でない

この差は、余命のバラツキが正規分布でなく、平均余命の右側に固まっているからです。つまり、90歳を超えると人間はばたばたと死にますが、一方で、60歳代、70歳代の人もぽつぽつ死ぬので、平均値を下げているのです。私は現在、健康診断で、何の問題もありませんから、中央値の23年でなく、25年くらい生きる可能性もありそうです。そうすると、しばらくはつみたてNISAを続けた方が良いかと思っています。