USドルを用意したが急激なV字回復で使えず
上の方の青い5%はUSドル預かり金で、新型コロナショック流行後、いつでもVOO(アメリカS&P500のETF)を買えるように用意したのですが、あまりに急激にV字回復したために買うチャンスを逃し、VOOの株価は300ドルまで上昇しました。270ドルで200万円だけ買いましたが、それ以外は買えません。ピークが310ドルですから、現在はほぼピーク近くまで達しています。
ドル安円高
一方でドル安円高が進んでいるので、VOOを買うのならドルでなく、円で買った方が良いかも知れません。連れ合いの買うタイミングは、いつもこんな風にちぐはぐです。
買うタイミングの悪い連れ合い
13年前、最初にSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)と1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))を合計で1000万円買ったのも、サブプライムローンが問題化する直前の2007年春でした。その1年後にリーマンショックに襲われました。その後投資意欲を失った連れ合いは、底値圏で追加購入をしませんでした。アベノミクスで株価が上昇を始めた2013年から、再び買い始めたのです。今から思えば、2009年~2012年の株価低迷時に1000万円ずつ追加購入していれば、今頃は評価額が2倍になっていたでしょうが、現実は思い通りに行かないものです。それでも現在の評価益は、高級車2台分、約1000万円の利益が出ているので、あまり欲張ってはいけません。
基本はTOPIXとS&P500
連れ合いのポートフォリオは、基本的に以下の通りです。
- 日本株は、TOPIXのETFである1306
- 外国株は、アメリカS&P500のETFであるSPYとVOO
- つみたてNISA(<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」)
- それ以外のUSドル預かり金、USMMFなどはそれらのETFを買うための資金
来年いっぱいでNISA終了
日本株の1306は特定口座とNISAに分かれています。NISA分は、来年いっぱいで期限が切れますので、特定口座に移換する予定です。
1306は将来とも持ち続けるべきか
今考えなくてはいけないことは、この1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))を将来的に持ち続けるかどうかです。もう少し広く言えば、TOPIXや日経平均に連動するETFを持っていた方が良いかどうかという問題です。
個別、アクティブ、インデックス
株式関係で考えると、
- 個別株式
- アクティブファンド
- インデックスファンド
の3種類がありますが、個別株式はリスクが大きいので、敬遠しています。連れ合いは、以前、勤めていた会社の従業員株式を400万円保有していましたが、その会社が倒産して株式の価値はゼロになりました。アクティブファンドは、信託報酬が高いので買う価値がありません。インデックスファンドは、TOPIXか日経平均が代表的ですが、TOPIX型の方が、株式市場の実態をよく表しているので良いと思いますが、現在日経平均がTOPIXに比べて上がり過ぎたので、これからはTOPIXの方が望ましいのではないかと考えています。
日本の株式市場の見通し
問題は、日本の株式市場がどうなるかという見通しの問題です。新型コロナウイルスは、今後2~3年の間に終息に向かうでしょうから、長期投資を基本にしている連れ合いにとって大きな問題とはなりにくそうです。
米中冷戦
そうすると残る問題は、米中冷戦問題です。トランプ大統領は、バイデンとの選挙戦で劣勢に立たされているために、中国問題を過激化させることによって、11月までの選挙戦で挽回しようとしているようにも見えます。そして、トランプ大統領の忠実な部下であるポンぺオ国務長官が、「習近平総書記は、破綻した全体主義のイデオロギーの真の信奉者だ」と断言し、「われわれは両国間の根本的な政治的、イデオロギーの違いをもはや無視することはできない」と結論付けました。
領事館閉鎖
アメリカ政府がテキサス州ヒューストンにある中国総領事館を閉鎖させたことへの対抗措置として、内陸部・四川省成都にあるアメリカ総領事館が閉鎖されたました。
日本ではあまり報じられない中国の問題
しかし、これらの動きを、単なるトランプの選挙活動の一環とみることはできないでしょう。もともと、中国国内には、新疆ウイグル自治区、チベット自治区、人権派活動家に対する弾圧の問題があり、更に最近では香港の国家安全法が施行されるという事態になっています。
新疆ウイグル自治区
新疆ウイグル自治区では、漢族を大量に入植させてウイグル人の割合を急激に減らしています。加えて、ウイグル人の女性の不妊治療を強制的に行ったり、漢族による性的暴行を行っています。
チベット自治区
チベット自治区では、処刑、餓死、拷問によって1950年以降、100万人が犠牲になったと言われています。
香港よりはるかにひどい
最近は香港の問題がマスコミに取り上げられていますが、それよりもはるかに残虐な行為が行われてきました。
アメリカの政府より議会が強硬
アメリカの民主党は、共和党よりも人権問題に対して厳しいと言われていますから、米中関係が改善するとは思いにくい状況です。そして、現在はトランプが米中冷戦を推進しているように見えても、実際には、政府より議会の方が強硬なようです。
ファイブアイズ
ファイブアイズとは、諜報活動に関する「UKUSA協定」を締結しているアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国の通称です。加盟国間で傍受した盗聴内容や情報を共同利用している一方、互いに盗聴することは禁じられている。2018年、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)製の通信網向け機器について、セキュリティー上の懸念を理由に各国の第5世代(5G)移動通信網から排除する方針を表明しました。
5Gとファーウェイ
2020年7月には、イギリス政府は、次世代の通信規格「5G」をめぐって、中国の通信機器大手、ファーウェイの機器の使用を部分的に認めるとしていた方針を転換し、2027年までに排除することを明らかにしました。そして、英国政府が日本政府に対し、次世代通信規格「5G」の通信網づくりで協力を求めているようです。
ティック・トック
ティック・トックについては、既にインドで禁止され、他の国でも禁止の動きが加速化しています。
世界の工場とデジタル派遣
このような流れを見ると、今後10年、20年かけて、中国が世界の工場から外れ、デジタルの覇権からも遠ざかっていく可能性があります。
世界の中の日本の立ち位置
その場合、中国の世界制覇を許さないアメリカ、アメリカに近いファイブアイズ、新型コロナウイルスで被害を受けたEU、アジアと世界で台頭しつつあるインド、南沙諸島などで危険を感じている東南アジア、というグループが形成されつつありますが、日本の経済、政治上の立ち位置が問題になってくるところです。
米ソ冷戦で漁夫の利を得た日本
20世紀の米ソ冷戦時代には、経済的に恩恵を受けた日本は、今後の米中冷戦でも恩恵を受けるかも知れません。そのような可能性も考えて、日本株のETFも何割かは持っていた方が良いような気がします。