評価益は30%
連れ合いの運用実績は、過去最高の評価益を計上しました。投資額元本に対して30.59%上昇しました。コンパクトカー7台分になります。
7年間の運用損の末
2007年に1000万円を1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))とSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)に投資してから、約7年間は運用損が出ていました。サブプライムローン問題発覚の直前に投資を始めて、リーマンショックの影響を受け、株価が回復するまでに7年を要しました。リーマンショックは大恐慌以来と言われましたが、その時のエピソードです。
ケネディ大統領の父親と靴磨きの少年
1929年10月24日(木曜日)に大恐慌の始まりとなる米国株の最初の大暴落がありました。その少し前のジョセフ・P・ケネディ氏(第5代米国大統領ジョン・F・ケネディの父親)と靴磨きの少年の逸話は広く知られています。
ケネディ氏はその時までに株式投資で大儲けしていました。1928年冬のある日、オフィスに向かう途中で、靴磨きの少年に靴を磨いてもらいました。靴を磨き終わった後、その少年はケネディ氏に向かって「おじさん、〇△株を買いなよ」と言ったそうです。それを聞いて彼は「こんな少年までが株の儲け話をするなら、この後に株を買う人はいないから株式は暴落する!」と考え、すべての株式を売り払って難を逃れたとのことです。
連れ合いにETF投資を勧める
私の連れ合いは、この靴磨きの少年と同じ立場にいたわけです。ところで、連れ合いは銀行預金でコツコツ貯めるタイプで、株式や投資信託に投資する気持ちも知識もありませんでした。それを勧めたのは実は私でした。私は、今でこそある程度勉強したり、経験を踏んで、運用益も出るようになりましたが、2007年当時は、バブルについてあまり深く考えていませんでした。もちろん日本で1980年代後半に資産発生した時には30歳代前半でしたから、ある程度の知識もあり、自身でも転換社債を購入して、バブルとその破裂という経験もしました。しかし、2007年当時100年に1度と言われるバブルが起こるとまでは考えませんでした。
サブプライムローン問題とその後のリーマンショックでは回復までに6年間かかったのですが、1929年の大恐慌の時にはどうだったのでしょうか。
25年で回復
1930年から1955年まで25年かかったと言われています。その間、第2次世界大戦もありましたから、単純に比較はできませんが、ずいぶんと長い時間がかかったものです。しかし、インフレを別にすれば、いずれ、元の価格まで回復し、それを超えていくのですから、時間が解決してくれる、というのが株式相場の経験則です。ヘッジファンドのディーラーなどは、4半期ごとに結果を出すことを求められますが、個人投資家は、余裕資金で運用している限り、時間を武器にして待てばよいだけの話です。
バイ・アンド・ホールド
私の連れ合いも、リーマンショック後に株価が半分以下に下落してから数年間は、「今売って、もっと下がったら、買いなおせば良い。」と繰り返し言っていました。そのたびに「それでうまくいくなら、株をやっている人は全員大金持ちになる。何もせずに持ち続ければ、必ず株価は上昇する。」と言い続けました。そして、結局2007年から13年間一度も1306、SPY、VOOを売ることなく持ち続けました。バイ・アンド・ホールドBuy and Holdを実行したのです。
株価が下がると買いたくなくなり、上がると買いたくなる
本音を言えば、連れ合いの13年間で30%の利回りは満足のいくものではありませんが、それは当初から全額を投資したのではなく、後半の7年間に追加投資したため、比較的高い価格で買った結果です。例えば、もしドルコスト平均法で13年間にわたって同額を買っていれば、30%の利回りではなく、もっと大きくなっていたかもしれません。しかし、人間は感情の生き物なので、株価が下落すれば投資意欲がなくなりますし、株価が上昇すれば乗り遅れまいとして追加投資したくなるものです。
若いうちから給与天引きを仕組む
そういう意味では、あまり貯蓄の無い20歳代、30歳代から給与天引きで、確定拠出年金、つみたてNISA、投資信託積み立てを毎月することが有効な方法だと思います。私が20歳代だった40年前には、財形貯蓄が主流で、現代のように低コストのインデックスファンドやETFが存在していませんでしたから、現代の若者たちは制度面、商品面で非常に恵まれていると言えます。
外国株式インデックスファンド
私は、子供にSBI証券に口座を作らせ、給与天引きでつみたてNISAの<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドを設定させました。また、企業型確定拠出年金も外国株式インデックスファンドに全額を投資するようにさせました。なお、会社のルールで、個人型インデックスファンド(イデコ)は、利用できません。今後昇給とともに、課税される積立投信やETFの購入を勧めるつもりです。
バイ・アンド・ホールドを体得
今月評価益が過去最高になり、連れ合いも喜んでいます。最近は冗談で、「もう十分に株価が上がったから、利益を確定するために売った方が良い。」と言っているのですが、連れ合いは「売らないで持ち続ける。」と返事します。バイ&ホールドの重要性を13年かけて体得したようです。私は「10年後には総資産額が1億円の大台に乗るかもしれない。」と言っていますが、今までの日米株式相場の推移をみると、あり得る水準ではないかと思っています。