連れ合いのポートフォリオ2020年11月

運用商品 割合 2020年11月
USドル預り金 1%
1306TOPIX連動型投資信託(特定口座) 39%
1306TOPIX連動型投資信託(ニーサ) 5%
野村つみたて外国株投信 2%
SPY(SPDRのS&P500のETF) 14%
VOO(バンガードのS&P500のETF) 38%
USMMF 2%

このポートフォリオの銘柄を見て、それぞれの銘柄の特徴と全体像を解説できる人は、プロならともかくも、素人の個人投資家の中にはあまりいないだろうと思います。

このポートフォリオの特徴を挙げると以下の通りです。

  • 基本的にETFを主体として組んでいる
  • インデックスファンばかりでアクティブファンドがない
  • 日本の投資対象はTOPIX、アメリカはS&P500であるので安心して長期投資が可能

連れ合いは14年前まで、ごく一部の商品を除いて金融資産の全額を銀行預金にしていました。過去において銀行預金以外に投資した商品は以下の通りです。

① 従業員持ち株会で積み立てた400万円の個別株式

倒産の怖さ

約10年間にわたって積み立てました。株主優待もありもありましたが、やがてその会社の業績が傾いて倒産してしまい、株式は紙切れ同然になりました。連れ合いも私も個別株式の怖さを味わいました。私の父親は山一證券の株式を持っていましたが、この会社も倒産しました。また父親は、東芝の株も持っていましたが、数年前に不正経理が発覚して株価が暴落しました。

個別株式は上がるときもすごい

一方で、個別株式は、上昇するときには大きく上昇します。私の保有していた従業員持ち株会の株式は、1000万円が2500万円に上昇しました。しかし、個別株式の怖さを連れ合いの会社の倒産で知っていますので、全額を売却して、代わりに1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))の購入資金に全額を当てました。

個別株式は資産の一部に限って複数銘柄を保有すべき

個別株式をもし持つのであれば、金融資産全体のごく一部、例えば1割以内に制限するなどの安全策が必要でしょう。もし、金融資産の2割、3割に広げるのであれば、10銘柄以上に分散投資することが無難だと思います。

還元率は競馬が70%、株式は106%

自己金融資金のかなりの割合を数銘柄に集中投資するのは、競馬で100万円ずつ10レースにかけるようなもので、とても危険です。ただし、競馬の還元率が70%なのに対し、株式の還元率は106%程度ですから、あまり売買を頻繁に行わず十分に分散を図れば、最終的には資産は増えていくと考えられます。

② 約9%の利回りのワリコーを購入

1990年の資産バブルの頃、高金利政策がとられ、約9%の利回りでワリコーが販売されたことがありました。売り出し最終日には日本興業銀行の新宿支店に行列ができ、連れ合いも並んで購入しました。高金利時代の最後の商品でした。

③ 一時払い養老保険を数百万円購入

生命保険会社では一時払い養老保険年金という商品を販売していた時期があり、利回りは10%近かったと思います。しかも満期保険金に一時所得がかからない範囲が50万円までなので、それに収まるように、少額の保険をかけていました。日本生命の満期期間は5年ごとだったのですが、富国生命は1年ごとに設定できるので、5倍投資できました。今考えると、利回りが高かったので、税金を払っても高額の保険をかけていれば良かったのですが、当時はそこまで知恵が働きませんでした。

確定利回りと会社倒産リスク

上記のうち、②のワリコーと③の一時払い養老保険は確定利回りでしたが、①は株式ですのでリスクがあり、会社倒産という最大のリスクを背負うことになってしまいました。

ETFならリスクは小さい

しかし、個別株式ではなく1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))などのETFであれば、リスクは小さく、しかも10年以上の長期であれば、リスクはいっそう小さくなります。そこで、私が連れ合いに強く勧めて1306とSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)を買ったのが2007年でした。

1000万円が500万円以下に下落

残念ながらその年の後半にはサブプライムローン問題が表面化し、翌2008年にはリーマンショックが起こりました。連れ合いの1306とSPYに投資した合計1000万円は500万円以下まで下落してしまいました。

信託報酬

ETFには、ファンドの運用・管理の報酬として、投資信託を保有しているあいだ信託財産から差し引かれますが、これを「信託報酬」といいます。 信託報酬は、ファンドの資産を評価し基準価額を計算するときに、費用として差し引かれています。それぞれのETFの信託報酬(税抜き)は以下の通りです。報酬という名前が付いていますが、顧客がもらえる報酬ではなく、顧客が運用会社に支払う報酬です。この名前の付け方は、顧客ファーストではなく、金融機関ファーストの結果です。そろそろ、運用コストなどの言葉に統一すべき時ではないかと思います。

  • 1306:0.088%

  • SPY:0.0945%

  • VOO:0.03%

SPYとVOOは両方ともS&P500のインデックスファンドですので、コストの低いVOOの方が有利な商品なのですが、VOOが発売されたのは2010年で、連れ合いが投資を始めたころにはSPYしか買うことができませんでした。最近は、連れ合いがETFを買うときにはコストの安いVOOにしています。これからアメリカのS&P500を買おうとする人はVOOがお勧めです。

相場のニュースはダウ平均、実際の投資はS&P500

なお、アメリカの株式相場をテレビなどで放送するときには、ダウ平均やナスダックの指標が使われますが、実際に投資する際のファンドとしては、圧倒的にS&P500に連動するETFが主流です。S&P500は、ダウ平均とナスダックの中間の性質を持っていて、投資対象として優れていると考えられているのですが、株式相場の動向を表す指標としてはダウ平均に慣れ親しんでいるので、マスコミはダウ平均を使用しているのだそうです。