食後の運動
昨日は朝食の話をしましたが、その後、昼食までにすることがあります。それは、散歩(買い物、ウォーキング)と室内運動です。
食後に通勤すればOK
食後に会社に通勤する人は、それだけで十分な運動量になりますから問題ありませんが、会社に行かない土曜や日曜日には、ある程度の運動をしないと血糖値が上昇するなどの問題が起こります。
下のグラフは食後に散歩した場合の血糖値のグラフです。
食後は血糖値上昇
青い線が、「食後安静」、赤い線が「食後歩行」のグラフの例です。食後は糖質が血中の糖になるので、血糖値が上昇します。
歩く程度の運動で血糖値上昇を抑える
何も運動をしないと血糖値が大きく上がりますが、食後に歩くと血糖値の上昇は抑えることができます。ただし、あまり激しい運動をすると、肝臓から糖が出て逆に血糖値が上昇しますから、歩く程度の軽い運動が良いと言われています。
運動を行うタイミング
運動をする時間は食後1時間頃がおすすめです。「即効的に食後高血糖を抑えること」に大きな効果があります。
なぜ食後1時間頃の運動が良いのでしょうか。
- 食事を摂取すると、約1時間後に糖が筋肉へ運ばれます。
- このタイミングで運動をすることで、筋肉への血流量が増えます。
- 筋肉への血流量が増えると、末梢までインスリン(血糖値を下げるホルモン)がいきわたります。
- インスリンがいきわたると、筋肉へ糖の取り込みが促進されます。
- 食後の血糖値が下がりやすくなります。
食後1時間頃におすすめの運動
有酸素運動(散歩、ジョギング、水泳など)を中心に、レジスタンス運動(筋肉に負荷をかける運動)を組み合わせて行うと効果的だとされています。しかし、ここで気を付けなければいけないのは、無理をすると長続きしないということです。
散歩、買い物が適度な運動
食後に運動しないといけないのですが、ジョギングや水泳を毎日、一日3回毎食後に行うことが可能でしょうか。毎食後でなくても、毎日1回でも続けるのは、普通の人の場合、非常に難しいと思います。
ジョギング
ジョギングするためには、それなりの服装に着替え、準備運動もした方が良いでしょう。20分、30分走ると、どんなにゆっくりでも汗が出ます。ジョギングを終えた後に、汗を拭いたり、シャワーを浴びたり、服装を着替えたりすると、1時間くらいはあっという間に過ぎてしまいます。その後に少し休憩するとさらに30分かかります。それが好きなら良いのですが、運動のため、血糖値を下げるために義務感として行う場合には、負荷が大きすぎます。
20%で十分
ジョギングや水泳の運動量を100%とすると、20%程度の運動量で十分だと思います。そしてその程度の運動量の方が長続きして、結果的に体にも精神的にも良いと思います。20%程度の運動量とは、20分程度普通の速さで歩くことです。遅すぎず、早すぎず普通のスピードです。ウォーキングというと、両手を大きく振るようなイメージを持つ人がいるかも知れませんが、私がやると格好が悪いですし、そんなに頑張らなくても良いと思います。やりたい人はやればいいですが、私はやったことがありません。
散歩や買い物
公園やスーパーに買い物に行くと往復で20分程度かかります。3回の食事の後に歩きますから1日に1時間になります。大人の歩く速さは時速4㎞と言われていて、一歩70㎝とすると5,700歩程度になります。1日に1万歩という話がありますが、1万歩は多すぎて、8,000歩が良いという考えもあります。5,700歩はそれよりすこし少ないですが、他にも運動をしていますので、あまり無理をしないレベルでちょうどよいのではないかと思います。なお、登山の時には1日に7時間、4万歩程度歩きますが、毎日1時間歩いていれば、無理なくこなせます。
一石三鳥
散歩するだけだと、無目的で長続きしませんので、ついでに買い物をしたり、歩く途中でNHK第2放送の英会話番組などを聞いています。英会話は、自動車のたくさん走る大通りでは聞きにくいので、自動車の通らない住宅街の裏道を選んで歩きます。英会話はあまり上達しませんが、約10年続いています。血糖値低下、英会話、買い物の一石三鳥。以前は夜も住宅街の裏道を歩いていたのですが、2020年の新型コロナウイルスが蔓延した後は、多少治安が悪くなるかもしれないと考え、夜だけは、街灯があり、人通りの多い道を選ぶようにしています。
自転車は運動にはならず英会話の練習ができない
以前は買い物に自転車で行っていたのですが、基本的に自転車には乗らず歩くことにしました。自転車は膝に負担がかからず、健康に良いという考え方もありますが、ひざが悪くなければ歩いたほうが血糖値のスパイクは下がります。
歩くと様々な筋肉を使う
歩くという動作は足の筋肉だけを使っているわけでは有りません。私たちが歩くとき、下肢を振り上げるために働くのが大腿直筋、外側広筋などの大腿四頭筋、腸腰筋、前脛骨筋です。そして、振り上げた下肢を前方に移動させるのが大臀筋や中臀筋、腓腹筋やヒラメ筋です。その他にも、上半身の姿勢を維持するために、脊柱起立筋や腹直筋が使われます。
全身の70%〜80%の筋肉を使う
また、腕を振り続けるために、大胸筋や上腕二頭筋・三頭筋というように、下半身の筋を中心に全身の70%〜80%の筋が使われているのです。これらの筋の活動は、歩いているときに皮膚の上から軽くさわると感じることができます。
買い物をするときな80%〜90%の筋肉
歩いて買い物に行くと、帰りには牛乳、野菜、果物などの入ったバッグを下げて帰りますから、ここでも上半身の筋肉を使うことになります。歩くことと合わせて、全身の80%〜90%の筋肉を使うことになるかもしれません。買い物は、数日分をまとめてするのではなく、一日一回のペースですれば、重すぎず、適度な量を買うことができます。
トラウデン直美は夜1時間ほど歩く
仕事が忙しい場合には、通勤以外による歩くことが有効かもしれません。タレントのトラウデン直美は夜1時間ほど歩くと言っていました。