私は、S&P500を中心に世界のインデックス投信に分散投資しています。
お笑い芸人(コメンテーター)のパックンは、私と同じような投資方法を採用しているようです。ただし、資産総額は私の数倍でしょうが。
パックンについて2025年8月26日のDIAMONDonlineの記事を読んで見ましょう。
ハーバード大卒の投資家が告白…人生で一番損した日”から学んだ「たった1つのNGルール」とは?
パトリック・ハーラン:
証券会社や友人の言葉を信じて個別株に投資し、「紙切れ」同然まで暴落――最悪の損失を経験したのは、ハーバード大卒で投資歴30年のお笑い芸人・パックンさん。なぜ自称天才の彼が株で大損したのか?そして、大失敗からわずか2分で学習した「投資の鉄則」とは? 『パックンの森のお金塾 こども投資』を上梓した、パックンさんが実践する「ストレスフリーな投資術」を明かします。(構成/田之上 信)
保有する個別株が大暴落…
勧めた友人が放った“まさかの一言”
――投資歴約30年のパックンさんが、過去最大の損失を出したときの話を教えていただけますか。
ちょうどドットコム・バブル(インターネット・バブル)のころですから、1990年代後半から2000年にかけてです。
僕が投資を始めたのは、95年の秋です。当時すでに日本に住んでいたのですが、証券口座は米国にあって、最初は個別株を探して買っていました。友人にすすめられたシスコシステムズの株とか。ドット・コムバブルのブームに乗って、株価がグングン上がっているときでした。
同じ時期に、証券会社の営業担当者にすすめられた、世界最大級のグローバル総合製紙メーカー、アジア・パルプ・アンド・ペーパー(APP)の株も大量に買いました。結果から言うと、このAPPの株が過去最大の損失を出した株です。同社が経営危機に陥り、2001年、製紙会社の株が文字通り「紙切れ」同然の価格まで暴落してしまいました。
その後、シスコの株も急落しているのに気づいて慌てて売却したんですが、これも4割ほどの損失でした。同じ2001年のことです。「もう俺、バカ、バカ、バカ、バカ!」って毎日自分に怒っていました(笑)。
――両社の株とも証券会社や友人にすすめられるがままに、自分で調べることなく購入したのですか。
そうです。シスコをすすめてくれた友人は本当に天才投資家で、信頼しきっていました。例えばNetflixの株を8ドルぐらいで買って、その後、約200倍に上がっています。
シスコの株が急落したときに、彼に「おい、シスコの株どうなってんだよ!」って電話したら、「お前、まだ持ってんのか?」って言われて(笑)。こちらがおカネを払ってアドバイスをお願いしていたわけではないので、怒るに、怒れない。
証券会社の担当者には一応文句は言いましたが、怒ってもおカネが戻ってくるわけではないので、結局、学習することが大事だなと頭を切り替えました。
そのときに気づいたのは、自称天才の俺でもバカなんだということです。自分はそれなりに頭がいいと思っていたんですが、得意な分野と、不得意な分野があるという、当たり前のことを再認識しました。
そして、個別株の投資は、自分には向いていないし、そもそも勝てないと考えました。これが一番大きな学習です。
勝つためには、徹底的にその会社や業界のことを調べて、毎日数字を追いかけて、売買のタイミングを見計らわないとダメです。
でも、勝負する相手は僕より投資に詳しい。機関投資家の運用担当者やファンドマネージャー、年金基金のマネジャーらプロの投資家です。彼らはもしかしたら、自分が株を買おうとしている会社の社長と、定期的に食事をしているかもしれない(笑)。機関投資家であれば、十分あり得るじゃないですか。自分よりも多くの投資の判断材料を握っているはずです。
そんなプロの投資家が明日売ろうとしている株を、自分は買おうとしているかもしれない。そんなプロを相手にして「自分は大丈夫か?」と謙虚になったんです。
――その考えに至ったのは、APPとシスコの株で大損してからどれぐらいたってからのことですか。
2分(笑)。もう個別株はヤダって。当時はほかにも個別株を持っていて、全資産の約6割を個別株が占めていましたが、ほぼすべて売り払って、投資信託のインデックスファンドに切り替えました。それからはほとんどインデックス投信です。
今は資金に余裕があるので、個別株も少し持っていますし、株価が暴落したら買い増すこともあります。しかし、個別株はあくまでも余剰金が生まれたらつぎ込んでおいて、あまり株価の変動は見ない、一喜一憂しないようにしています。
このインデックス投信を中心とした投資スタイルの最大のメリットは、資産形成がうまくいっただけではなく、精神的な安定にもつながったことです。投資のストレスがなくなりました。
個別株で大儲けするのに
人生は忙しすぎる
――先ほどの2社の株価が暴落したときは相当なストレスだったと思いますが、どんな気分でしたか。1日ではじけたのか、それとも1カ月ぐらいかけて徐々に下がっていったのですか。
そもそも株価の動きをきちんと見ていなかったのも、失敗の原因の一つです。あ、今日下がった、今日も下がった、というのならまだいいんですけど、え、いつの間に!っていう感じでしたから。
当時の僕は人生が忙しいんですよ(笑)。仕事をして、趣味のバイクでツーリングしたり、友だちと遊んだり、彼女とのデートもある。毎日、株価を確認して、細かいニュースをチェックしたりしていませんでした。
要は、自分は個別株投資に向いていないということです。そういうことができないし、好きになれない。
だから、毎日の株価チェックなどが好きな人は個別株投資に向いているかもしれないですし、リスキーな投資で儲けていただいてもいいんです。でも、僕はそれに向いていない、好きになれないので、インデックス投信をイチ押ししているということです。
――一概に個別株投資がいけないわけではないのですね。
そうです。僕も少しですが個別株を持っています。株価の変動を楽しめる人ならば個別株はいいと思います。値下がりしたときも楽しめるくらいの精神力のある人なら、趣味としておすすめですが、下がったときに辛いと感じる人にはおすすめできません。
金銭的な余裕、精神的な余裕がないなら、原理として長期的に増えていくはずのインデックス投信やETF(上場投資信託)などがいい。
確実にできることがあるんです。それは節約。仕事でがんばって稼いで、がんばって節約して、がんばってインデックスに投資する。そのあとはお任せでいいと思うんです。マーケットの原理に任せる。
そうして放っておいて、テニスをやろうとか、いまはやりのピックルボールにちょっと挑戦してみようとか、人生を楽しむことを僕はおすすめしたいですね。
――パックンさんが実際に投資されている金融商品はどのようなものですか。
僕はいつも資産グラフをピラミッド型で説明するんですが、まずは土台を安定させるために底辺部分にローリスク・ローリターンの安全資産であるエマージェンシー資産(普通預金)と債券を置きます。その上にミディアムリスク・ミディアムリターンのインデックス型投信を積み上げます。これらだけで資産全体の80%を占めます。
ピラミッドの頂上部分の約2割が、個別株や不動産などのハイリスク・ハイリターンの資産です。個別株は思いがけず急騰することもあるし、急落することもありますが、ほとんど気にしません。あくまでも余裕資金で運用しており、土台を揺るがすようなことはないからです。
このどっしりとした倒れにくいピラミッド型の資産バランスを、僕は推奨しています。