金融所得の分を確定申告をするかどうかで国民健康保険料が大きく異なる

この問題については、自民党税調が議論を始めたので、その内容を見てみましょう。


金融所得把握徹底し保険料増へ 政府与党、高齢者支払い改定議論

2025/11/12(水)  YAHOO!JAPAN ニュース

政府、与党は12日、医療や介護の保険料算定に反映する金融所得の把握を徹底する方向で調整に入った。株式配当などがあり支払い能力のある高齢者らの保険料負担を増やし、現役世代に偏りがちな現状を見直す。金融所得を高齢者の医療費や介護費の利用負担割合(1~3割)を決める材料とすることも検討。市販薬と効能が似た「OTC類似薬」の公的医療保険適用の見直し議論も加速させる。

自民党と日本維新の会は12日、こうした社会保障改革を議論する実務者協議の初会合を開いた。年内に結論を得る。政府は来年の通常国会で関連法案提出を目指す。

高齢化で医療や介護の費用は膨らみ、保険料が上昇する要因になっている。自維の連立政権合意書に、応能負担につながる金融所得反映や、OTC類似薬に関する見直しが盛り込まれていた。

現在(1)自営業者らが入る国民健康保険(2)75歳以上の後期高齢者医療制度(3)会社員と公務員を除く介護保険―の保険料は、市区町村が把握する課税所得などで算定。


金融所得、保険料算定に反映へ 支払い能力ある高齢者の負担増―政府・与党

2025年11月14日

政府・与党は、所得に応じて決まる医療・介護保険料や窓口負担について、株式配当など金融所得を反映させる検討を始めた。現行では金融所得が保険料に算定されない方法も選べるため、公平性の観点から是正に乗り出す。与党内には金融所得を含めた結果、十分な支払い能力のある高齢者の保険料負担などを増やすべきだとの声があった。

年内に一定の結論をまとめ、来年の通常国会への関連法案の提出を目指す。ただ、システム改修など実務面の課題も多い。

自営業者が入る国民健康保険や75歳以上の後期高齢者医療制度、65歳以上の介護保険の保険料は自治体が加入者の市町村民税の所得を基に算定している。

株や債券の配当などは、課税手続きで確定申告をするかしないか選べる。確定申告を行うと市町村でも金融所得を把握して保険料や窓口負担に反映できる一方、源泉徴収で課税を済ませると市町村に金融所得の情報が届かず反映されない。

例えば、年間の年金収入150万円と金融所得250万円の75歳単身者は、確定申告すれば医療費の窓口負担は現役世代と同じ3割となるが、源泉徴収を選ぶと年金収入のみで負担割合が決まり1割で済む。与党内には「課税手続きの選択で負担に差が生じるのは不公平」との指摘がある。

今後は与党と厚生労働省や国税庁など関係省庁が、金融所得の把握強化に向けた検討作業を加速する。金融機関と市町村が情報連携する仕組みを整える方向だが、時間がかかるシステム改修や見直し対象者の線引きなど課題も多い。


金融所得の分を確定申告をするかどうかで国民健康保険料が大きく異なることの是正を図る模様 自民党税調

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現状の国民健康保険料(国保)の算定においては、金融所得の確定申告(特に申告分離課税を選択した場合)の有無によって保険料額が大きく異なるという不公平な状況が存在します。

この不公平を是正するため、自民党の税制調査会(税調)や政府・与党内で、金融所得を保険料算定に反映させる議論が進められています。

現状の仕組みと問題点

  • 現状の国保算定: 国保料は、原則として前年の「総所得金額等」(住民税の課税所得)に基づいて計算されます。
  • 金融所得の「申告分離課税」: 上場株式等の配当所得や譲渡所得は、源泉徴収ありの特定口座を利用し、かつ確定申告時に「申告分離課税」を選択すると、住民税の所得割の算定対象から除外されます。
  • 不公平の発生: この結果、多額の金融所得があっても、確定申告の方法次第で国保の算定対象となる所得に含まれず、保険料負担が軽くなるケースが多く発生しています。これが「支払い能力に応じた負担」という観点から不公平だと指摘されてきました。

政府・与党での議論と今後の方向性

この不公平を是正するため、政府・与党は以下の方向で調整を進めています。

  • 金融所得の把握徹底: 確定申告の方法に関わらず、金融所得を確実に把握し、国保料や後期高齢者医療制度の保険料算定に反映させる方針です。
  • 対象と開始時期: まずは75歳以上の後期高齢者を先行して対象とし、2020年代後半の開始を目指しています。将来的には国保加入者全体への拡大も視野に入っています。
  • NISAへの影響: ただし、新しい少額投資非課税制度(NISA)の収益については、普及促進の観点から反映の対象外とする案が出ています。

これらの議論は、特に資産を持つ高齢者の負担を増やし、現役世代の負担軽減につなげる「全世代型社会保障」の構築を目的としています。

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