ETF、インデックスファンドの長期保有

バフェットの予言

今年もバークシャー・ハサウェーの株主総会でウォーレンバフェットは、「世界は劇的に変わる可能性があるのでインデックスファンドに投資しなさい」といいました。

ウォーレン・バフェットは、現代の上位20社のリストを使ってプレゼンテーションを始め、今から30年後にまだ何社が残っているか尋ねました。大手企業は、アップル、サウディ・アラムコ、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、フェースブックです。

1989年の20社のうち1社も今日のリストには無いと、観客に言いました。30年以上前、世界における上記企業の半分以上は、銀行、工業などの日本企業でした。アメリカの企業でリストに載っていたのは、エクソン、GE、メルク、IBM、AT&T、フィリップ・モリスです。

最良の投資方法はインデックスファンド

「このことから資本主義は、特に資本家にとって信じられないほどうまく機能していることが分かります。世界は、極めてドラマチックに変化しうるのです。」とバフェットは言い、そして最良の投資方法はインデックスファンドに投資することだと付け加えます。

1000万円をSPYに投資

それでは、今、投資可能な余裕資金が1,000万円あるとします。この1千万円でSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)を買えば良いのでしょうか。

もし、これから数年以内にアメリカの株価が暴落して半分以下になってしまうリスクを覚悟で、すぐに投資したいと思う人は、投資すればよいと思います。株式投資に絶対の正解はありませんから、本人が納得する方法が良いのです。

この1千万円は10年後にどうなっているでしょうか。SPYの過去28年間の実績を見てみましょう。

年初 SPY株価(ドル) 10年後の増加分(ドル)
1993 44
1994 47
1995 47
1996 61
1997 75
1998 98
1999 123
2000 146
2001 129
2002 118
2003 91 47
2004 112 65
2005 118 71
2006 128 67
2007 143 68
2008 140 42
2009 93 -30
2010 115 -31
2011 127 -2
2012 128 10
2013 147 56
2014 184 72
2015 204 86
2016 187 59
2017 224 81
2018 267 127
2019 248 155
2020 322 207
2021 374 247

1993年47ドル⇒2003年91ドル

1993年に44ドルで買ったSPYは、2003年には47ドル上昇して91ドルになりました。しかし、1999年に123ドルで買ったSPYは30ドル下がって93ドルになりました。実際には、この株価以外に分配金が毎年2%弱支払われているので、実質の値下がり額は15ドル程度になり、投資金額の10%の値下がりとなります。2010年にも同様に31ドル下がり、2011年はわずか2ドルではありましたが、値下がりしました。この頃は、リーマンショックの影響を強く受けていた時期でした。私の連れ合いは2007年に購入して、リーマンショック後の最安値だった2009年3月には50%以下に値下がりしました。

しかし、それ以外では10年後の株価がマイナスになったことはなく、10年という投資期間は、長期の個人投資としては、ある程度十分な期間と言えるかもしれません。

5年間、10年間の分割投資

それでも、もっと安全に投資をしたいという場合には、5年間、10年間に分散して投資する方法もあります。5年間に分散投資して、その10年後にはすべての場合において、プラスとなりました。当然10年間の分散投資の場合にもすべてプラスとなります。

年初 SPY株価 5年平均 10年平均
1993 44
1994 47
1995 47
1996 61
1997 75 55
1998 98 66
1999 123 81
2000 146 101
2001 129 114 86
2002 118 123 94
2003 91 121 99
2004 112 119 106
2005 118 114 112
2006 128 113 118
2007 143 118 123
2008 140 128 125
2009 93 124 119
2010 115 124 118
2011 127 124 119
2012 128 121 123
2013 147 122 127
2014 184 140 134
2015 204 158 142
2016 187 170 147
2017 224 189 157
2018 267 213 176
2019 248 226 191
2020 322 250 212
2021 374 287 240

表をグラフにしてみました。

5年間の分散投資

最初に5年間の分散投資です。2003年頃のITバブルショック、2009年のリーマンショックの時にも5年平均の投資額はあまり下落しません。そしてその10年後には、大幅な株価上昇となりました。株価とは別に、毎年分配金を受け取れるので、2000年代初めも右肩上がりになっているはずです。

10年間の分散投資

次に10年間の分散投資の場合です。10年平均の方が、いっそう、ITやリーマンの時の下落の影響を受けにくいのが分かります。

定額積み立てなら安い時にたくさん買える:ドルコスト平均法

なお、この計算は、1株ごとの平均で計算していますが、定額で積み立てる場合には、安くなった時に多く買うことが可能ですから、余計に株価下落の影響を受けにくくなります。

現金のままだと投資リターンがない

このように時間的分散投資の方が、バブルがはじけた時の影響を受けにくいというメリットがありますが、一方で、投資していない金額の分だけ、将来のリターンが少なくなるというデメリットもあります。

自分の納得する方法を選ぶ

20代、30代の若い人の場合には、定額をインデックスファンドで積み立てれば、理想的な投資方法になるでしょう。一方、40代以上で、既にある程度の蓄えのある人は、一括購入か、5年分散にするかは悩みどころでしょう。私は自分なら一括購入ですが、人に勧めるときは5年分散が良いのではないかと思っています。

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