<昨日の続き>
昨日から私のポートフォリオの特徴の説明をしています。
- 株式中心で債券は持たない
- 個別株式は持たず、株式ETFが中心
- 外国株式ETFの割合が多い
- インデックスファンドがほとんどない
- S&P500の割合が多い
- 買いっ放し
これらの特徴はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のポートフォリオと比較するとよくわかります。
それではここの特徴の説明に移ります。今日は3.からです。
3.外国株式ETFの割合が多い
ポートフォリオは、期待リターンの高いものの割合を高くした方が良い結果が得られる可能性が高くなります。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の期待リターンを見てみましょう。
【期待リターン(名目リターン)】
- 短期金利:0.6%
- 国内債券:0.7%
- 外国債券:2.6%
- 国内株式:5.6%
- 外国株式:7.2%
これは名目リターンですから名目賃金上昇率をマイナスした実質的なリターンを計算します。
【期待リターン(実質的なリターン:名目リターン-名目賃金上昇率<2.3%>) 】
- 短期金利:-1.7%
- 国内債券:-1.6%
- 外国債券:0.3%
- 国内株式:3.3%
- 外国株式:4.9%
債券には投資しない方が良い
短期金利と国内債券はマイナスですから、投資しない方が良さそうですが、なぜかGPIFは25%を投資しています。外国債券は0.3%ですから、わずかにプラスですが、為替リスクがありますから、これも投資しない方が良さそうですが、やはりGPIFは25%を投資しています。
国の機関であるGPIFとしては、国内債券を買わないわけにはいかないのでしょう。そうするとそれよりもリターンの高い外国債券も買い、本命の国内株式、外国株式も当然買うことになります。
国内債券を買う義理はない
私のポートフォリオを考える時、国内債券に義理はありませんから、リターンがマイナスの国内債券は買いません。次にリスクだけあってリターンがゼロの外国債券も買う必要はありません。したがって、国内株式と外国株式だけ買うのが良いということになります。
内外比率は4:6
国内株式は3.3%、外国株式は4.9%ですから、この比率で考えれば4:6になります。連れ合いのポートフォリオの比率は、まさにこの4:6です。私のポートフォリオの比率も以前はこれに近かったのですが、生活費補填のために国内株式ETF(1306)を解約したり、アメリカの株式ETF(SPY、VOO)の値上がりによって、現在は結果的に日本株が24%まで縮小しました。
リバランスは不要
リバランスをする考え方もありますが、日本の割合が縮小してアメリカを中心に世界の比率が大きくなるというのは自然な流れですから、リバランスをする必要を感じません。また、野村証券のように手数料の高い証券会社で売買するのはコスト増になりますから、できるだけ避けたいものです。
リスク・相関係数
国内株式と外国株式の相関係数は0.643で、両方に投資すれば分散化が図られるのですが、別々の動きによって分散化が図られるというよりは、アメリカの株高に日本の株価が追い付いていけないということなので、この相関係数を鵜呑みにするのは考え物のような気がします。
国内債券 | 外国債券 | 国内株式 | 外国株式 | 賃金上昇率 | |
国内債券 | 1.000 | ||||
外国債券 | 0.290 | 1.000 | |||
国内株式 | -0.158 | 0.060 | 1.000 | ||
外国株式 | 0.105 | 0.585 | 0.643 | 1.000 | |
賃金上昇率 | 0.042 | -0.010 | 0.113 | 0.099 | 1.000 |
4.インデックスファンドがほとんどない
私のポートフォリオに、ファンドや投資信託はほとんどなく、株式ETFばかりです。投資方法を解説している最近の雑誌やムックは、主に低コストインデックスファンドの購入を推奨し、購入単位当たりの金額が大きい株式ETFはあまり扱っていません。私も自分の子供達には株式ETFではなく低コストインデックスファンドを勧めています。それなのに私のポートフォリオは株式ETFばかりが並んでいます。その理由は以下の通りです。
① 私が投資を始めた10年前は低コストインデックスファンドがなかった
低コストインデックスファンドがネット証券で簡単に買えるようになったのは数年前からで、それ以前にインデックス投資をする場合には株式ETFに頼らざるを得ませんでした。株式ETFもインデックス投資信託でそれが上場されているだけであり、具体的にはS&P500などのインデックスに連動しています。
② 10年前は日米とも低コストの株式ETFの品揃えがあった
従って、それを買いました。
③ 低コストインデックスファンドに比べて、株式ETFは純資産総額が大きいので安心感がある
低コストインデックスファンドの純資産額は大きいものでも数千億円ですが、株式ETFは数十兆円ですから、桁が二つ違いますし、歴史も段違いです。安心感という点では株式ETFの方が優れています。
④ 日本国籍のインデックスファンドより、アメリカ国籍でアメリカ人がたくさん投資てしている金融資産の方が、日本政府の手出しがしにくくて安全
日本は異次元金融緩和を大規模に進めています。世界の金融緩和の圧倒的先頭を突き進んでいるので、その結末がどうなるかは誰にも分かりません。自分のお金を大事にしたいのなら、できるだけ日本政府から遠いところに投資した方が良いと思います。
⑤ 野村證券は、株式ETFの購入手数料が高いので売ってインデックスファンドの原資にしにくく、そもそも低コストインデックスファンドを販売していない
野村証券のインデックスファンドの信託報酬は0.4%台で、ネット証券で買える低コストインデックスファンドからは大きく劣っています。野村證券では低コストインデックスファンドという選択肢がありません。
5.S&P500の割合が多い
S&P500のETFである、SPY、VOO等は、アメリカの株式市場を的確に反映する銘柄ですし、著名投資家のウォーレンバフェットが推奨しているので、これを買わない手はないと思います。
6.買いっ放し
私は、基本的に株式ETFを買った後は、生活費補填に必要な場合以外、売却することはありません。株式で良い結果を出すには、バイ・アンド・ホールドBuy and Hold、つまり、「買いっ放し」が良いと思います。利益確定しても、その資金は結局再投資することになるのですから、過去30年間上昇しているS&P500に再投資するのなら、売らずに持ち続ければよいのです。その結果、私は約10年で2.7倍を超える実績を出しました。