株価見通し、為替見通し

◎今日のテーマ:専門家の株価見通し、為替見通し

見通しの当たる確率は5割

新聞やテレビで、株価や為替について、経済評論家やエコノミストが見通しを立てます。野村證券も根拠を詳しく示して毎月解説しています。その見通しは、今日、1週間、数か月、来年1年など、さまざまです。これらの見通しは当たるのでしょうか。結論を言えば、ほぼ5割の確率で当たり、ほぼ5割の確率で外れるというのが、私の考えです。

トップクラスの人でも勝率51~52%

ある著名な経済評論家が、今まで約半世紀に亘って自分がたてた見通しとその結果を比べたら、1600勝1500敗だったそうです。別の経済評論家の話では、日本のトップクラスのファンドマネージャーでも見通しは51~52%の勝率だそうです。つまり、株価も為替も将来予測は、コインの裏表の確率でしか実現しないということになります。この話がおそらく正しいだろうと思われる事例を三つご紹介します。

アクティブファンドはインデックスファンドに勝てない

一つ目は、アクティブファンドの運用実績の平均がインデックスファンドに勝てないということです。私自身は、この実証分析をしたわけでもなく、学者が研究した論文をじかに読んだわけではありません。しかし、数多くの研究者、著名大学の教授、経済評論家が繰り返し、その趣旨の話を述べていることから考えると、アクティブファンドはインデックスファンドに勝てないのだろうと思います。従って、アクティブファンドの基礎になっている、為替見通し、株価見通しも正しいとは思えません。

著名経済評論家も当たらないと発言

二つ目は、著名経済評論家も、将来の見通しは当たらない、と言っています。私自身も各数年間、いろいろなエコノミストなどの見通しを追いかけてみましたが、結論としては、あてにならないということです。それでも、新聞、雑誌、テレビで、将来見通しを絵にかいて解説しますが、それは、予測というもの自体が面白く、視聴率を稼いだり、雑誌の売上に寄与するからだろうと思います。

個人投資家で成功した人も運が良かっただけ

個人投資家の中には、自分の投資能力に関して自信を持っている人がいて、数億円、数十億円稼いだという人がいます。しかし、その人たちについて、たまたま運が良くて儲かっただけだと、著名な経済評論家や大学の研究者は言います。

オーバーコンフィデンス

このように、たまたま運が良くて儲かったのに、自分の力を過信してしまうことを、オーバーコンフィデンスと呼びます。個別の株式投資などに興味を持ち、楽しいと思う人もいるようです。私の父親もそうでした。しかし、資産を増やしたいと考えるなら、インデックスファンドやETFに投資した方が、おそらく50%以上の確率で有利だと思います。

ウォーレン・バフェットはS&P500のインデックスファンドを遺言で推奨

三つ目は、ウォーレン・バフェットが、自分の遺書の中で「10%を短期国債に、90%を非常に低コストのS&P500(バンガード社を勧めます。)のインデックスファンドに投資することです。」と述べています。自分が育ててきたバークシャー・ハサウェーよりも、S&P500のインデックスファンドを勧めています。アクティヴファンドより、インデックスファンドの方が成績が良いと考えているということです。

アメリカの株式相場は上昇を継続

ここで、一つだけ確率の高い投資方法を示してくれるグラフをお示しします。過去200年も、過去数十年も、アメリカの株式はリターンが多いということです。この趨勢が突然終わると考えることは、難しいと思います。横軸は約200年間、縦軸は200年前に1ドルだったお金が百万ドルまで増加するグラフです。縦軸は対数目盛です。株式は、ほぼ一直線に上昇しています。次に高いのは長期国債ですが、株式の千分の一程度しか上昇していません。明日、一週間後、1か月後、1年後に株式が上昇しているかどうかは分かりませんが、10年後、20年後には、かなり上昇する確率は高いと思います。

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