◎今日のテーマ:老後資金2000万円報告書2
昨日に続いて資産形成に関する金融庁の報告書を検討します。
◎金融資産の保有状況
「金融資産の保有状況は各人により様々であることから、平均的な姿をもって一概に述べることは難しい面があるが、全体的な傾向として、若年層よりもシニア層の方が全体に占める金融資産の保有割合が高く、この傾向は今後も続く見込みである。また、若年層は住宅ローンなどの負債を比較的多く抱えている。」
報告書で言いたいのは、高齢になれば、住宅ローン、教育資金などの時期が過ぎたので、老後に備えてお金を貯めておきなさいということでしょう。
「老後の生活においては年金などの収入で足らざる部分は、当然保有する金融資産から取り崩していくこととなる。65 歳時点における金融資産の平均保有状況は、夫婦世帯、単身男性、単身女性のそれぞれで、2,252 万円、1,552 万円、1,506 万円となっている。なお、住宅ローン等の負債を抱えている者もおり、そうした場合はネットの金融資産で見ることが重要である。」
報告書で言いたいのは、他の人達がどの程度老後資金を貯めているかを知っておいた方が良いですよということです。夫婦なら2200万円以上、独身なら男女とも1500万円程度という数字です。
「収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合には、20 年で約 1,300 万円、30 年で約 2,000 万円の取崩しが必要になる。」
「支出については、特別な支出(例えば老人ホームなどの介護費用や住宅リフォーム費用など)を含んでいないことに留意が必要である。さらに、仮に自らの金融資産を相続させたいということであれば、金融資産はさらに必要になってくる。早い時期から生涯の老後のライフ・マネープランを検討し、老後の資産取崩しなどの具体的なシミュレーションを行っていくことが重要であるといえる。 」
「なお、米国では 75 歳以上の高齢世帯の金融資産はここ 20 年ほどで3倍ほどに伸びている一方、わが国の同年代の高齢世帯の金融資産はほぼ横ばいで推移しており、対照的な動きとなっている。米国では、市況が好調だったことに加え、401(k)プラン等の制度的な後押しもあり、現役期から資産形成を実行し且つ継続するとともに、そのような世代が歳を重ねるに従い、高齢世帯の資産が増加していったと推察される。この点、わが国でも後述するつみたて NISA や iDeCo 等が整備され、個人が長期の資産形成を行うに際して、制度的な環境が整いつつある。」
報告書では、
米国における年齢階級別金融資産額の推移(一世帯あたり平均)
日本における年齢階級別金融資産額の推移(一世帯あたり平均)
が、掲載されていますが、不明瞭で誰も読むことはできませんので、ここには掲載しません。金融庁は、最終公表段階の資料をチェックしてほしいものです。