昨日に続いて、私や私の周りの投資に関する残念な実例をご紹介します。
19.相続税を払うのが嫌でハワイにビジネスクラスで行く家族
やはり、東京の農家で土地を売却してお金を手に入れた人の話です。相続税額が1億円近くになるので、ハワイに家族で行って、できるだけ使っているのです。しかも、ビジネスクラスで行けばたくさん使えるので相続税額を抑えることができると考えました。
それだけなら別に問題ないのですが、ハワイに行っている間に親が死亡し、その葬儀に出席しなかったのです。それだけお金の使おうとしているなら、ファーストクラスで急遽帰国すれば良いのに。
20.対面証券に儲けられていた
私の知り合いに、対面証券に口座を作り、その営業担当の言うままに売買していた人がいました。しかし、長年それを続けているうちに、その証券会社にもうけられてしまっていると感じるようになりました。
結局、その後、SBI証券に資金を移し、
- 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- ニッセイ-<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
- SBI-SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
の3銘柄に分散投資しました。
対面証券の口座で運用する場合には、
- VOO(S&P500のETF)
- VT(全世界株式のETF)
を買って、そのままほったらかしておくのが良いと思います。
営業担当の言うことを聞いたり、売買するのは良くありません。
21.退職金を対面証券営業担当の言うとおりに投資してしまった
私の知り合いは、会社の仕事でつながりのある対面証券の営業担当に、「できるだけ長く放っておける投資信託を教えてほしい」と依頼したところ、テーマ型のアクティブ答申を勧められ、それを鵜呑みにして投資しました。正解は、低コストのインデックスファンドですから、正解とは真逆の商品を買ってしまったことになります。
22.アパート経営
私の知り合いは、人に勧められてアパート経営に出資しましたが、何年たっても経費ばかり嵩んで利益が出ませんでした。結局、その出資はやめました。
S&P500の利回りは60年平均で10%ですし、いつでも追加出資でき、また止めることもできるので便利です。
23.確定申告の外国税額控除
日本のサラリーマンは、年末調整で会社が税金の処理をしてくれるために、税金に対して無頓着な人が多いと言えるでしょう。私と同様に、もしかすると損をしているかもしれません。
例えば、S&P500の場合、日本国籍のインデックスファンドとアメリカ国籍のETFでは、税金の仕組みが異なります。
S&P500ETFの分配金は、アメリカで10%、日本で20%の税金がかけられます。本来なら日米両国合計で20%のはずですが、30%の税金を取られるということは10%損をしていることになります。
このため、SPY(SPDR社のS&P500株式ETF)やVOO(バンガード社のS&P500の株式ETF)を持っている人は、確定申告をしないと2重課税分が損になります。
一方で、日本国籍のインデックスファンドは、証券会社が自動的に還付手続きしているので、20%の税金しか払いません。
24.確定申告の申告不要
国民健康保険料口座振替内訳書が送られてきました。その値上がりにびっくりしました。
令和5年度:約26万円
令和6年度:約90万円
税と国民健康保険は難しいので良く分かりませんが、おそらく次のことが原因である可能性があります。
2023年末は、NISAの原資等調達のため、特定口座のETFを数百万円売却
住民税の申告不要制度が変わる!所得税と異なる課税方式の選択が廃止
このうち、申告不要制度変更について調べます。
要約:
課税所得900万円以下の人は税率から配当控除率を引いた「正味税率」を低くすることができた。しかし、今回から所得税と住民税で異なる課税方式を選べなくなっている。結果として、今後は正味税率を抑えるために配当を総合課税で申告すると、所得が増えて配偶者控除や配偶者特別控除が減額されたり、国民健康保険料の負担が増えたりする可能性があるので気を付けたい。
(注)申告不要を選択すると得になるかどうかは、一人ひとりの状況によって変わるため、税務課ではご案内ができません。あくまでご自身の判断のもと、課税方式を選択してください。
25.節税?脱税?結局損?
かつて、士業の会長を務めたことのある人が、金の延べ棒を金庫にしまい、相続財産の申告をしなかったことで脱税となったことがあります。税務当局は、すべての金融資産を追っていますから、脱税を計ってはいけません。
タワーマンションの高層階が節税できると思っても、それに対応する法令を整備しますから、姑息な手段をとらないほうが良いと思います。
相続財産をできるだけ多く残したいのなら、S&P500などにほったらかしで置いて、10年後に2倍にしたほうが良いと思います。
生命保険の非課税枠の計算式は「500万円 × 法定相続人の数」ですが、生命保険を掛けてもお金は増えません。それよりS&P500などに投資した方が、より多くの財産が相続人に残るはずです。
また、生命保険の存在が相続人に知らされていない場合もあります。私も、父親が郵便局に生命保険を掛けていたことを知りませんでした。
なお、これはやったほうが良いという節税対策があります。
ガンなどで、1年後に死ぬと分かった場合は、含み益のあるインデックスファンド、ETFなどの金融資産を売却して、その後すぐに買い戻すのです。
例えば、元本1億円の投資信託が30年で10億円になった場合、利益は9億円ですから、売却すれば1.8億円の利益が無くなります。
もし売却しないで相続すると、この含み益の1.8億円にも相続税がかかります。これに対して55%の税金がかかれば、99百万円、つまりやく1億円の節税になります。