◎今日のグラフ及びテーマ:JIS&T確定拠出年金投信商品比較信託報酬
確定拠出年金制度の導入
私は15年以上にわたって、確定拠出年金(DC)を自分で運用しています。2000年前後に厚生年金の代行部分の返上が盛んに行われていたころに、私の勤めていた会社も退職金の一部について確定拠出年金制度を導入したのです。運用商品にはバランス型、日本・海外・世界の債券・株式、定期預金等があって、その中から選ぶのですが、その選択は各個人に任されます。これらのうち銀行の定期預金については、下のグラフから外してあります。
主要投資対象 | ||
MHAMライフナビ2020 | バランス | 1.1880 |
MHAMライフナビ2030 | バランス | 1.2960 |
MHAMライフナビ2040 | バランス | 1.4040 |
MHAMライフナビインカム | バランス | 1.0800 |
MHAMスリーウェイオープン | バランス | 0.9180 |
DIAMライフサイクル安定型 | バランス | 1.6200 |
DIAMライフサイクル安定成長 | バランス | 1.6200 |
DIAMライフサイクル成長型 | バランス | 1.6200 |
MHAM世界8資産ファンド | バランス | 0.9720 |
MHAM物価連動国債 | 国内債券 | 0.4320 |
シュローダー年金日債 | 国内債券 | 0.6372 |
MHAM株式インデックス225 | 国内株式 | 0.5940 |
MHAMTOPIXオープン | 国内株式 | 0.7020 |
MHAM日本株式 | 国内株式 | 1.5984 |
DIAMジャパンセレクション | 国内株式 | 1.7280 |
新光投信ディープバリュー | 国内株式 | 1.3500 |
DIAM外国債券インデックス | 海外債券 | 0.2700 |
DIAMGボンドCコース | 海外債券 | 0.9180 |
DIAMGボンドDコース | 海外債券 | 0.9180 |
DIAM新興国株式インデックス | 海外株式 | 0.5886 |
フィデリティ・グローバル | 世界株式 | 1.8684 |
MHAMJ-REITインデF | 不動産投信 | 0.5400 |
私の勤めていた会社では、9割の社員が銀行の定期預金を選びました。これは、私の勤めていた会社の社員が保守的だからではなく、他の企業も押しなべて、9割銀行預金を選ぶそうです。日本では9割のサラリーマンがDCを銀行預金で運用
退職後の年金収入、保有金融資産の中で判断⇒株式の商品で運用
一方、私は商品の選定に当たって、DCの中だけで選ぶのではなく、自分の厚生年金、財形年金、確定給付年金(DB)、退職金等の金融資産全体の中でのそれぞれの位置づけを検討して選びました。このうち、厚生年金(国民年金を含む。)、財形年金、確定給付年金は、運用リスクのない安全な資産と位置付けました。そして、退職金等の金融資産のうち一部は株式等のリスク資産に投資し、それ以外は、国債等の債券に投資することを前提としました。このうち厚生年金のウエイトが大きく、しかもリスクの少ない資産ですから、全体として考えた時に、DCは株式で運用するのが良いという結論になりました。このため、債券及び債権を含んでいるバランス型は検討対象から外しました。下の棒グラフの青い棒が外れたのです。つまり、緑(国内株式)、ピンク(新興国株式)、オレンジ(世界株式。黄色に見えるかも知れませんが)の棒グラフが残りました。
株式の中で信託報酬の最も低い商品を選択
実はこのグラフにはないのですが、当時は運用できて、今は廃止された商品があったのです。それは外国株式のファンドで、信託報酬が最も低かったのです。私の記憶では、信託報酬がゼロでした。今考えると信託報酬がゼロというのは不思議なので、もしかすると私の記憶違いかもしれません。その外国株式のファンドはその数年後に廃止されてしまったので、新たな運用商品を選ぶことになりました。その際、最も信託報酬の低い商品である、MHAM株式インデックス225を選びました。緑のグラフのうち一番左側です。こうして、冷静に思い出してみると、20年前の判断基準を現在も同様に行っていると思います。ピンクの新興国株式は信託報酬が低かったのですが、新興国株式は未知の分野で少し不安があったと思います。また、右から2番目のオレンジの棒グラフは、信託報酬が全商品の中で最も高いので、おそらくアクティブファンドだと思います。
なお銀行定期預金の金利は現在0.010%で、手数料はかかりません。
DCの信託報酬に関して気になることを述べます。
iDeCo、つみたてNISAに比べてDCは信託報酬が高い。
2017年から始まったiDeCoや2018年から始まったつみたてNISAに比べて、全体として信託報酬が高く設定されています。この時期は、まだ信託報酬が高いことについて政府の指導力が弱かったのだろうと思います。米国でSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)が発売されたのが1993年、日本で1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)が発売されたのが2001年です。その頃から、日本の投資信託は高いということが問題視されるようになってきたのだと思います。そして、低コストのファンドが実現するまでに20年近い歳月が必要だったわけです。
今の基準では合格できない水準の信託報酬
ここにあるDC商品のほとんどが、つみたてNISAの基準では、合格できないと思います。もし、合格したとしても、利用者から選択されることがほとんどないでしょうから、あまり時間を経ずして廃止になるでしょう。今からでも遅くないですから、信託報酬を下げていただきたいものです。
TOPIXと日経225の信託報酬の逆転現象
MHAM株式インデックス225とMHAMTOPIXオープンでは、225の信託報酬のが安くなっています。1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)と1321(日経225連動型上場投資信託のETF)では1306の信託報酬が安いので逆転しています。理由は分かりません。