つみたてNISAナビ 7

<昨日の続き>

「つみたてNISAナビ」の商品比較表を再掲します。ただし、右の2列の純資産総額(億円)と 信託設定日は、検討しやすいように私が付け加えたものです。

運用手法 運用商品名 信託報酬 純資産総額(億円) 信託設定日
インデックス 野村スリーゼロ先進国株式投信 0.000% 0.2 2020/3/16
インデックス SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド(SBI・バンガード・S&P500) 0.064% 415 2019/9/26
インデックス SBI・新興国株式インデックス・ファンド(雪だるま(新興国株式)) 0.066% 41 2017/12/6
インデックス 上場インデックスファンド米国株式(S&P500)(上場S&P500米国株) 0.066% 167 2010/10/22
インデックス SBI・先進国株式インデックス・ファンド(雪だるま(先進国株式)) 0.068% 24 2018/1/12
インデックス SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま(全世界株式)) 0.068% 73 2017/12/6
インデックス eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 0.097% 1121 2018/7/3
インデックス eMAXIS Slim先進国株式インデックス 0.102% 1064 2017/2/27
インデックス <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド 0.102% 1777 2013/12/10
インデックス JP4資産均等バランス 0.107% 41 2017/10/18

今日は下の2銘柄を確認します。

  • eMAXIS Slim先進国株式インデックス
  • <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

VTは0.080 %

信託報酬順に並べると8,9番目ですが、0.102%ですから十分に低い水準にあります。全世界の株式市場へ投資するバンガード社のETFであるVTは、0.080 %ですから、ニッセイの商品は少しだけコスト高ですが、0.1%なら満足できます。

分配率だけで2%、コスト0.1%程度は高いか?

実額でみると、資産が100万円で1年間のコストが1020円、1000万円でコスト10,200円です。約1万円かかるのは少し大きいように見えますが、期待リターンが5%、分配率だけで2%ですから、それを稼ぐためには0.1%程度のコストは必要経費だと思います。

野村スリーゼロ先進国株式投信のデメリット

野村スリーゼロ先進国株式投信は、信託報酬のコストゼロですが、10年後には0.1%程度にコストが上昇しそうです。しかも、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドであれば、例えばSBI証券の中で他の銘柄にコストなしで変換することができますが、野村スリーゼロ先進国株式投信はつみたてNISA専用なので、変換が不自由です。

コストに問題がないとすると、残るは純資産総額

純資産総額はETFなら1兆円、インデックスファンドなら1000億円以上ほしいところです。その基準をクリアしているのは上記の表の中では次の3銘柄だけです。

  • eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
  • eMAXIS Slim先進国株式インデックス
  • <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

私の子供には、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドを勧めましたが、この3銘柄のうちどれでも問題はないと思います。また、1~2年後には次の2銘柄も同等以上に成長してくる可能性があります。

  • 野村スリーゼロ先進国株式投信
  • SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド(SBI・バンガード・S&P500)

そして10年後には、現在のようなアクティブ主体の投信市場がインデックスとETF中心へと変化しているでしょう。

JP4資産均等バランス

表の中の第10位は、JP4資産均等バランスです。この銘柄は、唯一のJP投信の銘柄であり、バランス型でもあります。

JP投信

JP投信は、株式会社ゆうちょ銀行、日本郵便株式会社、三井住友信託銀行株式会社および野村ホールディングス株式会社によって設立された資産運用会社です。

JP投信の投信銘柄

JP投信の他の銘柄の信託報酬と純資産総額も確認しましょう。つみたてNISAナビで第10位に入ったJP4資産均等バランスが0.1%台で、他はすべて0.4%、0.6%です。

運用商品名 信託報酬 純資産総額(億円)
JP4資産均等バランス 0.10725% 43
JP日米バランスファンド 0.46200% 34
JP4資産バランスファンド 安定コース 0.62810% 901
JP4資産バランスファンド 安定成長コース 0.63470% 1,171
JP4資産バランスファンド 成長コース 0.63965% 446

純資産総額は、JP4資産バランスファンドの3コースが400億円から1100億円の間にいます。信託報酬が高いのに、これだけ大きな銘柄になっているということは、郵便局の営業力だと思われます。

JP4資産均等バランスの問題点

私は、この「JP4資産均等バランス」という商品は二つの理由でお勧めできません。

債券に投資するバランス型の問題

バランス型というのが一つ目の理由です。4資産均等ですから日本株式、海外株式、日本債権、海外債券の4資産に25%ずつ投資しています。現在のような超低金利の時代に債券に投資するメリットはあまりありません。

郵便局の営業の問題

二つ目の理由は、郵便局の営業を信頼できないからです。2019年に大問題となって経営トップ全員と総務省事務方トップの事務次官まで辞任に追い込まれた問題の根は深いのです。本当にひどい実態だったのです。従って、一つの商品の信託報酬が安いからといって、この金融機関の門をくぐらない方が無難だと思います。

<明日に続く>