VOO、SPY、IVV、VTI、VTの経費率、リターン比較:バンガードS&P500ETF

VOO分配金

野村證券からVOOのETF分配金のお知らせの連絡が来ました。VOOは、バンガード社のS&P500ETFです。

年間分配率は1.96%に下落

昨年10月の分配率0.48%に比べ、今年は0.43%に下落しました。年間合計の分配率も昨年の2.11%から今年の1.96%に下落しました。この下落は新型コロナウイルスの影響と思われますが、アメリカの株式市場と同様に、大きな落ち込みではありません

交付日 株価 配当等の単価 分配率(1株210ドル)
2018/10/4 265.54 1.2067 0.45%
2018/12/26 227.76 1.289 0.57%
2019/3/29 259.54 1.4551 0.56%
2019/7/5 273.97 1.3859 0.51%
2019/10/4 270.37 1.3014 0.48%
2020/1/7 299.26 1.4285 0.48%
2020/3/18 210.74 1.178 0.56%
2020/7/7 288.90 1.4333 0.50%
2020/10/5 303.28 1.3085 0.43%

人気ETFの経費率、リターン等の比較

日本では、S&P500のETFに人気がありますが、バンガード社以外に、SPDRのSPYやiシェアーズ・コアのIVVがあります。それ以外に、アメリカの株式全体に投資するVTI、全世界の株式に投資するVTに人気があります。それらの資産総額、経費率、トータルリターンを比較してみましょう。

SPY IVV VOO VTI VT
投資対象 S&P500 S&P500 S&P500 全米株式 全世界株式
設定年 1993 2000 2010 2001 2008
資産総額 (十億 USD) 300.588 222.177 165.909 172.948 14.863
経費率 0.09% 0.03% 0.03% 0.03% 0.08%
1年トータルリターン 17.57% 17.53% 17.50% 18.20% 12.01%
3年トータルリターン 12.64% 12.68% 12.67% 12.36% 7.54%
5年トータルリターン 12.95% 13.00% 13.01% 12.84% 9.35%

SPYの純資産総額は30兆円超

SPY、IVV、VOOはS&P500に連動しているのでリターンはほぼ同じです。設定年の早いSPYが純資産総額ではトップで30兆円を超えていて、その次に設定されたIVVの純資産総額が2位で、最後に設定されたVOOの純資産総額が第3位です。VTIはS&P500だけでなく、中小型株など全米の株式に投資していますが、トータルリターンはS&P500と大差ありません。

VTは1銘柄で完全なポートフォリオ

全世界株式に投資しているVTは、日本では人気がありますが、資産総額は1兆5千億円程度で、他の4銘柄より1桁少なくなっています。その理由は、アメリカのファイナンシャル・アドバイザーが勧めないからです。なぜ勧めないかというと、この銘柄を保有してしまうと、完成されたポートフォリオになり、ファイナンシャル・アドバイザーの仕事が無くなってしまうからです。従って、もし、ETFや投資信託を1銘柄だけ持つのであれば、VTを選ぶことが良いかも知れません。

VTの比率を参考にして世界のETFに投資

私は、VTの比率を参考にして、全世界の株式をエリアごとに保有しています。銘柄は、アメリカがS&P500のSPYとVOO、ヨーロッパがVGK、新興国がVWO、オーストラリアがASX200、日本が1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))です。

リターン12%とは?

ところで、トータルリターンが12%、13%と言ってもピンときませんので、10,000米ドルを投資したと仮定した場合の推移を見てみましょう。

10年で3.5倍

10年前の2010年10月にVOOに10,000ドル(105万円)を投資したとすると現在いくらになっているのでしょうか。このグラフだと35,000ドルですから約3.5倍になります。超低金利に慣れた日本人にとっては、信じられないような数字ですが、アメリカ人にとっては当たり前の数字です。ただし2010年という時期は、リーマンショックの1年数か月後で、まだ株価が安かった時ですから、その点を割り引いて考える必要があります。そこで2015年を基準に考えてみましょう。

5年で1.75倍、10年で3倍

この頃のVOOは20,000ドルまで上昇しています。その5年後の2020年10月には35,000ドルになっているのですから、1.75倍になっています。それを複利で10年間に引き延ばすと約3倍になります。10年間に3倍になるのですから、アメリカのS&P500はものすごいリターンです。

組入上位銘柄

組入上位銘柄は以下の通りです。順位に大きな変動はありませんが、アップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックのウエイトが大きくなっています。

投資信託組入れ上位銘柄 ファンドの割合(%)
アップル 6.65
マイクロソフト 5.68
アマゾン・ドット・コム 4.79
フェイスブック 2.25
アルファベット 1.57
アルファベット 1.54
バークシャー・ハサウェイ 1.48
ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) 1.40
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー 1.24
ビザ 1.20