子供の自立とお金

子どもは親に心配させる生き物

親は子供の心配ばかりしています。無事に生まれてくるか、歩けるようになるか、話ができるか、病気はしないか、学校でいじめられないか、クラブでやって行けるか、受験に合格できるか、学校を卒業できるか、そして、就職して社会人としてやっていけるか。その後も、結婚、出産など、大きなイベントの繰り返しです。

子供が定職についてくれるか

子供が自立できれば、親としてひと段落ですが、自分は正社員として就職できても、子供がそうなってくれない場合もあります。

契約社員、20代半ばで方向決まらない子供

私の知り合いで、本人は有名大学を出て定年までサラリーマンを勤め上げたのですが、息子さんは就職氷河期の就職活動だったので、30歳半ばになっても正社員に成れず契約社員のままです。二人目の知り合いは、やはり本人は有名大学出身で、息子さんはいわゆる進学校に合格したのですが、その後成績が思わしくなく、高校を卒業後、大学にも行かず就職もせず20代半ばを過ぎて、これから専門学校に行こうか、というところです。三人目は、東京の最高級住宅地の邸宅に住んでいるのですが、その子供はニートのままの人です。本人も家族もつらい状況が続いています。

親の経済的支援

二人目の知り合いの息子さんは20代半ばで同居していますが、一人目の知り合いの息子さんは、最近アパートを借りで自立したそうです。親がどこまで経済的支援を行うかは難しい問題ですが、アメリカでも事情は変わらないようです。2020年11月16日のUSA Todayの記事をもとに考えてみましょう。以下は拙訳です。

個人のお金に関するヒント:我が息子は引っ越してきましたが仕事探しに苦労しています。どんなルールを決めたら良いでしょうか。

5月に息子が大学を卒業した時、彼の母親と私は2020年末日まで同居して、その間に独り立ちすればよいと言いました。ご想像のとおり、定職に就くのに苦労し、今のところ金銭面では自立できていない状況です。もちろん息子がい続けることは認めますが、彼を正しい方向に導かせるために、何らかの条件を付けようと思います。息子にはある程度の収入があり、学生ローンの支払い猶予期間が間もなく終わると、収入があっという間に消えてしまいます。何かお考えがありますでしょうか。

回答

同居期間の制限

USA TODAYのために書いたすべてのコラムの中で、成人した子供の同居期間に制限を加えることによって、親が注ぐ愛のむちに関するコラムが最も大きな反響を受けました。そして、それは反響の量という意味で大きなものでした。

成人した子供の同居

成人した子供が同じ家に住むことは、やりようによって単純になったり複雑になったりしますが、短期間で悪くなる面もあります。

複数世代の家庭

まず初めに、もしご両親と息子さんが同じ屋根の下に住みたいと思っても、それは基本的に悪いことは何らありません。その決定は私が口出しすることでは決してありません。しかし、もしご両親がそろってそのようにしたいのであれば、それは筋違いになりそうです。私がプロとして見てきたことから言うと、複数世代の家庭というものに全面的に賛成しない人が少なくとも一人、たいていはいるものです。

1.段取りを良くしないと困ったことになる

感情をこじらせることになるのは、まず最初に同じ家に住むという決定が、往々にして良かれと思っていて、実践的でもあるのですが、段取りを描いていることです。

ロバートさんにとって幸運なのは、このことを理解し、つらい状況を最大限に利用したい、ということを感じることです。

段取りを作り上げる最善の方法は、家にいる時間に関係するのですが、息子さんの金銭面の目標についてじっくり話をすることです。もし、このような話し合いは、息子さんが多くの22歳、23歳と同様なら、以前にしたことがなかったでしょう。しかし実は、息子さんに単純に「金銭的目標」を問うてしまうと、本当に良い会話をすることができなくなるかもしれません。

2.息子さんにとって3年後の理想のライフスタイルは何か?

今から3年後の、息子さんの理想の仕事やライフスタイルのシナリオを、逆に聞いてみることです。そのことから息子さんの収入目標が分かるでしょうし、若いけれど成人になった学生時代に息子さんに提供したライフスタイルを、息子さんが繰り返そうとしているのか、あるいは、もし親の金銭面の不安について理解しているなら、もっと節約的ライフスタイルにしようとしているのかが分かり始めるでしょう。

同時に、そのライフスタイルの費用を計算したほうがよく、そのライフスタイルを行うためには、どのような種類の収入が必要でしょうか。もし収入を現実的に考えれば、それだけの収入を稼ぐまでは、引っ越して出て行くことはできないことが分かるでしょう。忘れてはいけないことは、その収入には学生ローンの支払い、長期の退職後のための積立金(新卒者の総収入の12%を勧めます。)、そして短期の貯蓄が必要だということです。どのくらい収入があれば家から引っ越せるのかを知ることは、お互いが同じ考えを持つために良い方法です。

3.職を確保し、それからもう少し長く留まることだ

このプランの最も重要な部分は、フルタイムの仕事に就き、全体のプランがうまく実行できるために必要な収入を稼いだ時に実現できます。彼が喜ぶようにできるだけ早く送り出してやることではなく、もう2、3か月余分に家にいることを検討することです。こうすれば緊急用資金を十分にためることができるし、理論的には憂いなく始められます。

家から引っ越すまでは、せっかく切り詰めた生活費を、小遣いを増やしてしまうことにより、無駄遣いをしていまわないようにできるだけ努力することです。理想的には、彼はスマホ代や食費などの出費も賄うべきですが、必ずしもその費用を負担させる必要はありません。今はできるだけお金を貯蓄するように促し、最終的に引っ越すときに、新居で家具を買えるように、透明性のある形でそのお金を区分けしておくことです。