健康、食品、運動 3

<昨日の続き。ピロリ菌がもたらす病気の説明から始まります。>

萎縮性胃炎

慢性胃炎が長期間続くと胃液や胃酸を分泌する組織が減少し、胃の粘膜自体が薄くやせてしまう「萎縮性胃炎」という状態になります。この段階になると胃液が十分に分泌されないために消化不良を起こしやすくなり、胃もたれや食欲不振の症状があらわれます。萎縮がさらに進むと、胃の粘膜が腸の粘膜のようになる「腸上皮化生」という現象を起こすことがあります。腸上皮化生を起こした患者さんの中には胃がんになる方が少なくありません。

ピロリ菌検査で感染の有無を確認し感染している場合は除菌

胃がんを発症させないために胃がんの最大危険因子であるピロリ菌に感染しているかどうかを検査すること、そして感染している場合は早急に除菌することが重要です。

胃がんの早期発見・治療のため定期的に胃の検査

ピロリ菌の除菌を行うと胃がんにならないのでしょうか。2008 年、ピロリ菌に感染し早期胃がんの内視鏡治療を受けた後の患者さんに除菌治療を行い、その後 3 年間の追跡調査を行った結果が発表されました。これは、除菌によってどの程度新しい胃がんが発生するかどうかを調べたものです。調査の結果、胃がんの発生は約3 分の1に抑制されたことがわかりました。
胃がんの危険因子であるピロリ菌を出来るだけ早い時期に除菌することが、胃がんを予防するのに効果的であることも明らかになっています。ピロリ菌検査で感染の有無を確認し、感染していた場合は除菌、そして、感染の有無にかかわらず、胃がん検診など定期検査を受けることが必要です。

胃カメラとバリウム検査

健康診断では、胃がんを発見するためにバリウム検査を実施する場合が多いようです。ただし、先進国で婆リム検査をしている国は少ないようで、日本でバリウム検査が多い理由は、検査技師が多いから、設備がたくさんあるから、という話も聞きます。

胃カメラの方が正確だが毎年やる必要はない

もう一つの検査には胃カメラがありますが、追加料金が必要ですし、結構苦しいという話も聞きます。そこで、どちらの方が良いかを医師に聞いてみました。すると答えは、「正確性から見ると、圧倒的に胃カメラだ。」というものでした。その後、別の医師に聞いたところ、「今年胃カメラで検査したら、来年はバリウム検査で十分です。毎年胃カメラをやる理由はありません。」というものでした。

ピロリ菌除菌後はリスクが低減するので徐々に胃カメラに移行

私は、ピロリ菌を除菌して数年経ち、胃がん発生の確率も下がってきているので、バリウム検査主体でも良いのかなと考えています。なお、私の住んでいる東京特別区では、バリウム検査を2年に1回することになっています。

健康診断、食べ物、運動

健康で大事なことはいろいろありますが、その中でも特に、健康診断、食べ物、運動が重要でしょう。

健康診断については、そのデータの見方も含めて述べてきましたので、次に食べ物に移ります。

高価な背広を体にぴったりに作る

私は標準体重を超えないように若いころから気を付けていました。そのことに関して、大きな影響を受けた言葉がありました。20歳代前半で背広をオーダーで作ったことがありました。その生地はロンドン製で、生地だけで当時10万円以上する高価なものでした。昭和50年代前半の物価は現在の半分以下でしたから、とても高いものです。採寸をしている時に私が、「将来太った時に着られなくなると困るから、少し緩めに作ってほしい。」と言ったところ、採寸している人から、「緩めに作ると、それに合わせて太ってしまうから、ぴったりに作ったほうが良い。」と言われました。それ以来、背広が着られなくなると勿体ないので、できるだけ太らないようにしてきました。ぴったりしたサイズの背広は、節約と健康の両方にとって良かったことになります。それでも学生の頃より5~6㎏は増えましたから、ズボンは少し腹出しをしました。

毎日体重計に乗る

なお、体重管理で重要なことは、毎日体重計に乗ることです。私は毎晩決まった時間に風呂に入る時に体重計にのります。もし1㎏、2㎏増えると、翌日から少し食事の量を減らすようにしています。

石原結實のジュース

40歳代半ばになったころ、友人が肥満気味になり、石原結實の食事を取り入れているという話を聞きました。この医師の本は良く売れていて、断食道場も開いています。私は断食は行わずに、人参リンゴジュースとショウガ紅茶を実践しました。

自家製野菜果物ジュース

人参リンゴジュースは、時とともに自分に合うような改良を少しずつ加えて、現在は自家製の野菜果物ジュースに進化しています。

胃もたれがなくなった

原料は次のとおりで、1リットルのミキサーがいっぱいになる程度の分量として、ミキサーを2分ほどかけます。使うのはジューサーではなくミキサーなので、リンゴの皮なども摂取することになります。1リットルのジュースを二人で飲みます。このジュースを飲み始めてから、胃もたれが全く無くなりました。

材料は「すこたく」

そのままだと特に冬は冷たいので、電子レンジで少し温めてから飲みます。なお、かつてはにんじんを電子レンジで温めてからジューサーに入れたのですが、にんじんは昼食、夕食で、野菜スープ、潮汁などで食べるので、朝の野菜ジュースには入れないことにしました。なお、にんじんは生のままだとほとんど栄養がないそうなので、調理方法が肝心だそうです。材料に関する考え方は、「すこたく」、つまり「すこしずつ、たくさんの種類」を入れます。

  • リンゴ:半分。種類は青りんごでも、赤いリンゴでも良いのですが、青りんごの方が果肉の密度は薄く、いたみやすいようです。しかし値段が安いので、青りんごなら1個、ふじなどの赤いリンゴなら半分入れています。皮は水洗いして、入れます。種には毒があるので除きます。
  • アボカド:半分。森のバターとも言われる豊富な栄養素が特徴ですが、少し高価なので半分入れます。アボカドは良質な資質を豊富に含むだけでなく、若返りのビタミンと言われるビタミンEもたくさん含みます。動脈硬化を起こす原因物質は酸化した脂肪である過酸化脂質ですが、ビタミンEには酸化物質による細胞のダメージを防ぐ力があるそうです。
  • バナナ:1本。オーブンで焼くとオリゴ糖が増えます。
  • キャベツ:少々。キャベツはがん予防になると言われています。
  • 黒ゴマ:ゴマは殻が破けないと栄養を摂取できないので、ジューサーにかけると良いと思います。白ごまより黒ゴマの方が栄養価が高いようです。
  • トマトジュース:少々。野菜入りのジュースでも構いませんが、砂糖が入っていないものを選びます。
  • 牛乳:多め。牛乳や水がないと、ミキサーがうまく動きません。
  • 豆乳:少々。大豆レシチンを含んでいるので少し入れます。