評価益は1000万円以上下落
評価益は8月に比べると1000万円以上下落しました。アメリカのGAFAなどが下落していることに加え、円高が104円まで進んでいることが響いています。この折れ線グラフを見ると、青い運用資産総額は2017年から、多少の変動はあるものの、ほぼ横ばいのように見えます。一方で、緑の資産運用益は2010年からの上昇傾向が引き続いているようです。2010年からの10年間で生活費に合計1500万円引き出していますが、これは下の方の赤い線の、生活費等の引き出し額で表しています。
40年前の初任給は10万円
40年以上前、私が20代の時に10万円の初任給を受け取りました。現在の新入社員の初任給は20万円程度ですが、1970年代はその二分の一の10万円程度でした。その頃の年収は、ボーナスを含めて300万円程度でした。私の実家は東京だったので、毎日のように赤ちょうちんでお酒を飲む以外はあまりお金を使うことがなく、毎年100万円ほど貯蓄ができました。20代後半になると残業の多い職場に異動になり、毎年200万円以上貯蓄するようになりました。1980年代には結婚し、やがて子供も生まれ、貯蓄も増えていきました。
人生を大きく狂わせたバブル
ここまでは、現代21世紀の人でも良くある話ですが、当時の特徴は、そこで資産バブルになったことです。株価のピークは1989年12月29日の東証大納会で日経平均(225)株価が史上最高値の38,957円44銭でした。
転換社債の上下変動
私は勉強のために1980年代後半に、東海銀行の転換社債を100万円買って持っていました。100万円で買った転換社債の取引価格は、株式市場と同様にみるみる上がり150万円になりました。しかし、そこでバブルがはじけて60万円台まで急落しました。そして、それを持ち続けていると、発行から5年後には100万円で償還されました。結局、僅かな金利を受けっただけで終わりました。株式については、他の銘柄に手を出さなかったので、無傷でバブルを乗り越えることができました。
最大の買い物:住宅
一方で、人生にとって最大の買い物である住宅については、人によって大きな違いが出ました。数千万円も高い買い物をした人が結構いました。
高収入をそのまま土地バブルに投入
会社の副社長まで務めた人は、ちょうど土地バブルのピークの頃に住宅を買い、その後の土地化価格が暴落してしまいました。
お金の損失だけでなく、心の傷も負う
私の複数の友人も、現在どこに住んでいるかと尋ねると、都心まで電車だけで1時間以上かかる人が何人もいます。その人たちは、みんな土地バブルの頃に購入した人たちでした。この人達は、高い買い物をしたという損得勘定だけでなく、心に傷を負っている場合があります。私の知り合いは、「20年前の土地バブルの時に、高い買い物をしてしまった。今、住宅価格が下がって、安い価格で家を買った我が家の周りの住人たちは、俺のことを馬鹿だと思っているだろうな。」とぼやくのです。
マンションの買い替えで最後に多額の借金
現在住んでいるマンションを担保に銀行から借り入れをして、さらに高額のマンションに買い替える人もいました。最後に割高で買ったマンション購入代金の借金が重くのしかかった人もいます。その人はマンションデベロッパーの会社の部長さんでした。
銀行は士業の先生たちに遮二無二融資
弁護士や公認会計士をしていて、不動産バブルの時期に銀行から多額の融資を受けて、数億円、数十億円の借金だけが残った人たちも、私の周りにいました。
ローンは借金
住宅ローン、マイカーローンという名前でも、しょせんは借金です。借金はできるだけ避けた方が良いし、もし借金をするなら、それなりの覚悟を持って、リスクも認識しなければなりません。
現在は、1990年頃のような不動産バブルではありませんが、他に気を付けなければいけないことがありそうです。
① 住宅ローンの金額・返済期間
昭和の時代と違って、これからは終身雇用が続くとは思えません。また雇用が確保されたとしても、40代、50代、60代になれば大幅に年収が減額になることも日常茶飯事でしょう。50代になると、子供の教育費、親の介護などで出費が増えることも有りえます。金額・返済期間で無理をすると、返済できない時には、家を手放さなければならない場合も有りえます。
② 変動金利、固定金利の選択
住宅ローンには変動金利・固定金利(期間選択型)・固定金利(全期間固定型)の3種類があります。現在まで20年以上超低金利が続いてきたので、これからも続くと考える人がいますが、そんな保証はどこにもありません。今回の新型コロナウイルスの対策で巨額の財政出動を政府は行いましたが、このお金は天から降ってきたものではありません。今後増税で返すか、あるいは、インフレになって、国の借金を薄めるか、という可能性があります。特に先進国の中で圧倒的に国債残高が膨らんだ日本は、インフレになる可能性が高まっています。その時に、苦しむ人は、現金・預金を持っている人と、変動金利で借金をしている人です。変動金利と固定金利を比較すれば、変動金利の方が安いのですが、それには大きなリスクを伴います。多少のコストを払っても、固定金利で安心できる道を、私なら選びます。