一度も売らない
連れ合いの運用実績は、赤い線が資産、緑の線が運用益です。この2本の線は同じ形をしていますが、その理由は、ETF等の金融商品を買うだけで、一度も売らないからです。もし一部を売却して現金に換え、浸かってしまえば、運用益は変わらなくても、資産自体は減少することになります。
連れ合いは、ある面で最高の投資方法を実行しています。それは以下の通りです。
① 投資資産の6割をアメリカのS&P500に投資する
② 投資資産の4割を日本のTOPIXに投資する
③ バイ・アンド・ホールドを貫く
一方で、問題点も有ります。それは以下の通りです。
④ 個別株を長期間持った
⑤ 株式相場が良くなると追加購入した
⑥ 株式相場が悪くなると不安や、さらなる下落の期待感から買わなかった
⑦ 徐々に追加購入した
これらの項目について説明します。
① 投資資産の6割をアメリカのS&P500に投資する
SPYの実績が優良商品であることを証明
株式ETFが投資対象として優れていることは、現在のアメリカ人にとっては常識になっていますが、その情報が2007年頃には日本に伝わり始めていました。何しろ、アメリカ最大のETFであるSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)が設定されたのは1993年でしたから、それから10年以上の実績が、その優良性を証明し始めました。
401(k)で潤うアメリカ人
また、401(k)も高いリターンを実現しています。S&P500のETFには、SPY、IVV、VOOがありますが、設定日はそれぞれ1993年、2000年、2010年でした。連れ合いがS&P500のETFに投資を始めたのは、2007年ですから、VOOはまだありませんでしたし、野村證券で取り扱っていたのはSPYだけでしたから、SPYを購入しました。その後、VOOが発売され、信託報酬をどんどん下げたので、追加購入分はVOOになりました。
ウォーレン・バフェットはVOOを推奨
ウォーレンバフェットは自分の死後、財産の1%を家族に相続することとしていますが、その運用方法はS&P500のインデックスファンドに投資、銘柄としてはVOOを勧めています。純資産総額の大きさで選ぶならSPY、低コストで選ぶならVOOかも知れません。なお、IVVもVOOに追随してコストを同じレベルに引き下げています。
② 投資資産の4割を日本のTOPIXに投資する
TOPIX、日経平均のETF
日本のインデックファンドとしては、TOPIXに連動したETFを勧める人が多いようです。日本の株式相場の指標としては、日経平均が有名ですが、この指標は歴史があり、日経新聞が全面的に押し出しているので、TOPIXより有名ですが、株式市場の姿を良く表しているという意味では、TOPIXの方が上と考えられています。ただし、最近数年間は、日経平均の方が価格が上昇したので、日経平均のETFに投資した人の方が運用実績が上回っています。日経平均も十分に分散化されているので、TOPIXと比べて投資対象として劣っているとは言えないと思います。しかし、日経平均とTOPIXの比率であるNT倍率は、過去の水準である10倍を大きく上回ってしまったので、これからの日経平均が上がり続けると考えるのは、どうでしょうか?
低コストの1308が魅力的
TOPIXに連動したETFで純資産総額が最大なのは、1306ですが、低コストなのは1308です。1308も純資産総額が5兆円を超え、十分大きなETFに育っていますので、これから買う人は1308の方が良いかも知れません。
③ バイ・アンド・ホールドを貫く
最高の成績は買いっぱなし
フィデリティ証券が調べた結果、投資の成績が最も良かったグループは、自分の保有している株式を忘れてしまった人達だそうです。その人たちは当然、自分の保有している株式を売り買いしませんから、結果として、バイ&ホールド(Buy and Hold、Buy & Hold:買いっぱなし)になっているはずです。
「今売って、もっと下がったら、買い直す」は愚策
連れ合いは、リーマンショックの後、「今売って、もっと下がったら、買い直す」と言っていました。私が、「それが上手くできるなら、誰でも株で儲けることができる。何もしないで、放って置くことが一番。」と説き伏せて、結局1回も売りませんでした。実は今回の、新型コロナウイルスショックでも、同様のやりとりがありました。しかし、結構高めの価格でVOOを2回追加購入しただけで、売ることはありませんでした。できれば安い時に買いたいのですが、そんなにうまくは行きません。
次に問題点説明します。
④ 個別株を長期間持った
個別株式は、昔勤めていた会社の従業員持株会で購入したものでした。その会社は倒産してしまったので積み立てていた400万円がゼロになってしまいました。私の従業員持株会株式は、2.5倍に増えた時にすべて売却してETFに換え、うまくいきました。このように個別株式は、変動が大きいので、できるだけ早くETFに返還すべきです。
⑤ 株式相場が良くなると追加購入した
株式は価格が上昇すると買いたくなり、下がると、何もしたくなくなります。持っている余裕資金は、できるだけ早くETFに換えた方が良さそうです。
⑥ 株式相場が悪くなると不安や、さらなる下落の期待感から買わなかった
株式相場が悪くなると、更に下がるのではないかと思い、なかなか買うことができずに、結局安値で買うことができないものです。今回の新型コロナウイルスの急落相場が、そういう状況でした。
⑦ 徐々に追加購入した
投資可能な余裕資金は徐々に投資するのでなく、早めに使った方が良いかも知れません。