近づかない方が良い金融商品6

◎今日のテーマ:近づかない方が良い金融商品6

昨日に引き続き、金融商品全体図のうち、右から2番目の投資信託を説明をします。

金融商品全体図

■ 緑:個人投資家にとって優良な金融商品

 黄:個人投資家にとって安心できない金融資産であり、注意深く動向を見て、できれば緑色の商品に変換した方が良い金融商品

 赤:元々購入すべきでなかったか、時代の変化についていけないで、コストが多大な商品

昔の投資信託はひどかった

1980年代の後半に、私は山一証券のビジネスマンとサンフランシスコ行きの飛行機で隣同士になりました。その人とは共通の知り合いがいることが分かったので、打ち解けた話をすることができました。その時私は、「勉強のために、株を始めてみたいけれど、何を買ったら良いか。」と質問しました。その人は、「投資信託だけは止めた方が良い。あれは証券会社だけ儲かって、顧客は損をするから。」と教えてくれました。その頃の投資信託のコストは高く、短期で売買を勧められていたようです。

現在のETFやインデックファンドは素晴らしい

しかし、現在は、低コストで、高リターンの期待できる投信が登場しました。アメリカのS&P500のETFであるIVVやVOOの運用管理費用(信託報酬)は0.04%です。日本の1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)や、ニッセイ外国株式インデックスファンドは、購入・換金手数料がなく、0.11%程度です。

進む低コスト化

日本のインデックスファンドの、コスト低減は最近5年間で顕著な動きになっています。その先頭を走ったのが、2013年に登場した<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドでした。その後、iDeCo、つみたてNISAの制度が導入され、投資信託の低コスト化が急激に進みました。銀行の窓口で販売されている保険商品と違って、投資信託はコストが明示されています。このため、健全な競争が進んでいます。

Fund of the Year

最近行われた、『投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2018』のランキング上位は以下の通りです。

第1位 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

第2位 <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

第3位 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

第4位 楽天・全米株式インデックス・ファンド

第5位 eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

第6位 セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド

第7位 Vanguard Total World Stock ETF(VT)

第8位 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)

第9位 楽天・全世界株式インデックス・ファンド

第10位 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)

第1位のeMAXIS Slim 先進国株式インデックスは、第2位の銘柄と低コスト競争をしています。

アクティブファンドは買わない

このような低コストのファンドは素晴らしいのですが、気を付けなければいけないのは、相変わらず、コストの高いアクティブファンドが大量に販売されています。そして、そのような高コストの商品には、多額の広告宣伝費がかけられますし、新聞、雑誌も、広告主に忖度して、記事で取り上げることも多いのです。それらの記事、広告宣伝に惑わされずに、低コストで優良なETF、インデックスファンドを見極めることが必要です。NISAの対象になっているアクティブファンドは、一応金融庁のお墨付きをもらっていますが、運用管理費用(信託報酬)が高いので、わざわざ高いものを買う必要はないと思います。従って、アクティブファンドはすべて、赤で色分けをしました。