◎今日のテーマ:個人向け国債
個人向け国債について考えてみました。
結論から申し上げますと、私は個人向け国債を買うつもりはありません。その理由は、日本の国債の利回りがとても低いからです。アメリカでは、長期国債の金利が3%程度ですが、このレベルでも買う気がしません。
債券の利回りは株式より圧倒的に低い
私の資産運用法は基本的に長期保有ですが、下のグラフご覧になればわかりますように、株式と長期国債の運用結果は全く違います。このグラフは、アメリカの金融資産の指数の推移です。横軸は約200年、縦軸は1ドルからスタートして、百万ドルまであります。縦軸の特徴は、対数目盛だということです。長期保有なら圧倒的に株式が有利だということが分かります。
それでも、今日のテーマは個人向け国債ですから、それを確認します。
個人向け国債
財務省のホームページに、個人向け国債の特徴が書いてあります。
・変動金利型の10年満期
・固定金利型5年満期
・固定金利型3年満期
の3種類があります。
固定金利型は論外
私は近いうちにかなり激しいインフレを予想しているので、固定金利型の2種類は論外です。また、激しいインフレでなくとも、日本政府と日本銀行は2%のインフレを目標にしていますから、個人は固定金利型を選ぶべきではないでしょう。
変動金利型国債の特徴
そこで変動金利型の10年満期国債を検討します。特徴は以下の通りです。
・日本国政府」の発行だから安心・安全
・利子は年2回(金利は、基準金利×0.66)
・発行後1年経過すれば、いつでも中途換金可能ですが、直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます。
他の商品との比較
このうち問題は、基準金利の66%です。基準金利は、おおざっぱに言えば長期金利のことです。
この66%という数字が、他の商品と比べて高いのか、低いのか、同程度なのかということです。比較する対象は、
①銀行の定期預金
②1306(TOPIX連動型上場投資信託)
③USMMF
④SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)
①銀行の定期預金
日本経済がインフレになったときには、銀行の定期預金の利率も上がるだろうと思います。インフレ分をすべてカバーできるほどは上がらないにしても3分の2かそれに近い率まで上がるのではないかと思います。
②1306(TOPIX連動型上場投資信託)
株式は一般的にインフレに強いと言われていますが、相場の変動はそれだけではありませんので、多少期待できるかな、という程度だと思います。
③USMMF
インフレになれば、為替が円安方向に動く要因となりますが、インフレだけで為替相場が動くわけではありませんし、USMMFの利回りは、日本のインフレとは関係なく動きますので、インフレが始まったときに状況を見て判断するということではないでしょうか。
④SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)
アメリカの株式はドル円の為替とあまり関係なく動き、さらに今のところSPYのリターンが大きく、10年単位で見れば為替差損が発生しても十分にそれをカバーできそうですので、日本国内で、円預金や変動金利型国債に投資するより、有望かと思います。
キャンペーンなどは複雑で、かえって不信感
変動金利国債は、キャッシュバック・キャンペーンがあったり、解約には利子2回分のペナルティーがあったり、インフレ率の66%しか金利が増えないとか、少し複雑ですね。付け入られるスキがありそうです。シンプルイズベストだと思います。
1306とSPYという内外のETF
結局、インフレ時に金利が基準金利の66%と低い国債を避けて、さらにできるだけ銀行預金を少なくして、1306、SPYなどのETFが良いと思います。