<昨日に続く>
中高年はSBI証券の方が望ましいが野村證券で良い
50代以上の中高年は、SBI証券、楽天証券などのネット証券を使わなくても、野村証券などの対面証券で十分しっかりした資産運用ができることを、昨日まで説明してきました。
ETFの銘柄を選ぶ
証券会社を野村証券などの対面証券にして、株式ETFで運用することが決まれば、次は、銘柄選びです。
純資産総額が1兆円以上、信託報酬が0.1%以下
まず国内株式ETFで、有望な銘柄を確認しましょう。株式ETFに関する私の選択基準は、純資産総額が1兆円以上、信託報酬が0.1%以下です。そのうち、代表的なものを表にしました。
コード | 名称 | 純資産総額(億円) | 信託報酬 |
1306 | NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投資信託 | 146,084 | 0.088% (0.066%) |
1308 | 上場インデックスファンドTOPIX | 67,613 | 0.088% |
1348 | MAXIS トピックス上場投信 | 20,187 | 0.078% |
1321 | (NEXT FUNDS)日経225連動型上場投信 | 77,340 | 0.180% |
日経平均はTOPIXよりコストが高い
TOPIXのETFが3銘柄、日経平均のETFが1銘柄です。信託報酬は、日経平均の1321だけ0.1%程度高くなっています。
1306が最小コスト
2020年までTOPX型で安かったのは1308の0.088%だったのですが、MAXISが0.078%になり、さらに9月に1306がETF純資産総額に応じた段階料率を導入して、0.066%まで下がりました。したがって、現時点で、大規模のETFのうち、最も低コストの銘柄は1306ということになります。このレベルは、インデックスファンドを含めても最小コストです。アメリカから押し寄せてきた低コスト化の波に、野村證券も抗し切れていないようです。また、日銀のETF買いによって規模が拡大したので、いつまでも高い信託報酬にしておくことはできなかったのでしょう。
1306の信託報酬引き下げ
TOPIX上場投信(1306)は、①信託報酬率の引き下げを行うとともに、②新たな料率体系(“段階料率“)を導入しました。(実施日:2020年9月30日(水))
① 信託報酬率の引き下げ
銘柄 | 信託報酬率(税抜・年率) | |
TOPIX上場投信 (1306) | 変更前 | 変更後 |
0.11% | 0.088%以内 |
② ETF純資産総額に応じた段階料率の導入
ETFの 純資産総額 | 5兆円以下 の部分 | 5兆円超 10兆円以下 の部分 | 10兆円超 の部分 |
信託報酬率 (税抜・年率) | 0.088% | 0.066% | 0.039% |
少し分かりにくいので下の図をご覧ください。
信託報酬を加重平均
2020年時点で1306の純資産残高は12.7兆円でした。そのうち、5兆円が0.088%の信託報酬、さらに5兆円が0.066%、残りの2.7兆円が0.039%ですから、加重平均すると0.066%になります。 2021年1月時点は純資産総額が14.4兆円に増えましたので、0.039%の信託報酬部分が増加した結果、全体の信託報酬を引き下げることになり、0.065%になっています。
現在のおすすめは1306
したがって、2020年夏ごろまでは1308が良いETFだったのですが、現在は1306が勧められます。ただし、他のETF銘柄をわざわざ売って、1306に買い替える必要はないと思います。私の国内ETFは全部1306ですが、これは2012年から持ち続けています。この間、信託報酬では1308にわずかながら負けていましたが、そんなことは気にしていませんでした。ETFの良いところは、そんなわずかな差で汲々としないところです。のんびりやっていても資産は順調に増えます。
1306の現状確認
TOPIXの代表的ETFとして1306の現状を確認しましょう。
20年で62%上昇
この銘柄は20年前の2001年に発売されました。その時は1株1,194円でしたが、現在は1931円ですから62%上昇しました。アメリカの株式ETFに比べると、かなり見劣りしますが、ヨーロッパ、新興国のETFもあまり上昇していませんから、逆に、アメリカだけが好調だったというのが、この20年間の歴史です。なお、この株価上昇以外に、2%弱の分配金が毎年支払われます。
■ファンドの目的
TOPIX(対象指数)に連動する投資成果を目指します。
■TOPIX
東証市場第一部に上場しているすべての日本企業(内国普通株式全銘柄)を対象とした、時価総額加重型の株価指数です。TOPIX は、1968年1月4日を基準日とし、基準日の時価総額を100ポイントとした場合、現在の時価総額がどの程度かを表します(算出開始日:1969年7月1日)。
■純資産総額
144,252.0 億円
■分配金(100口当たり、課税前)
- 2020年7月 3,290 円
- 2019年7月 3,330 円
- 2018年7月 3,050 円
- 2017年7月 2,600 円
- 2016年7月 2,730 円
組入上位10銘柄 業種 純資産比
- 7203 トヨタ自動車 輸送用機器 3.5%
- 6758 ソニー 電気機器 2.5%
- 9984 ソフトバンクグループ 情報・通信業 2.4%
- 6861 キーエンス 電気機器 2.0%
- 7974 任天堂 その他製品 1.6%
- 9432 日本電信電話 情報・通信業 1.4%
- 4502 武田薬品工業 医薬品 1.2%
- 6594 日本電産 電気機器 1.2%
- 8306 三菱UFJフィナンシャル・グループ 銀行業 1.2%
- 4568 第一三共 医薬品 1.2%
組入銘柄数:2,172 銘柄
<明日に続く>