<昨日の続き>
コロナ禍の財政出動と金融緩和
新型コロナウイルスの影響を抑えるために、世界各国の政府は大型の財政出動を行い、中央銀行は金融緩和をどんどん進めています。しかも、北半球が冬に入って、コロナの感染者は増えるばかりで、さらなる追加の財政出動を行っています。
債券市場とインフレ問題
こんなことを続けていて大丈夫なのでしょうか。大丈夫だと言い切れる人もいないし、ダメだと言い切れる人もいません。少しなら良いでしょうが、やり過ぎると危険です。その境目は状況により変化しますので、どこまでが大丈夫でどこからが危険とは言えません。
不良債務の急増
しかし、債務を返済できない企業が世界で増えています。今後、社債の利率が上がり、長期米国債の利率も上がる可能性がありますが、そうすると、ドル高・円安になり、ついには、日本でインフレの時代がやって来るかもしれません。もともと日本は、新型コロナショック以前にGDPに対して政府の債務が大きいので、急激なインフレになる可能性がありました。
インフレ防衛策としての外国株式投資
私は、そのインフレの影響をできるだけ回避するために、日本株式、アメリカ株式、世界株式に投資してきたのです。できるだけ投資資産を分散する以外に、リスクを減らす方法はありません。日本人だからと言って、日本円だけで、銀行預金や、日本株式を持っているのは極めて危険です。日本銀行や財務省の職員は、定年を迎え退職すると、もらった退職金の円をドルなどの外貨に換えるそうです。日本円のことを一番良く知っているからこそ、日本円の危うさも知っているというのです。
外国株に4分の3を投資
私の投資資産も日本円は全体の4分の1程度で、残りはアメリカ株式を中心として世界の株式に投資しています。
SPY、VOO、VT
外国株式ETFの中で代表的な銘柄を表にしました。外国株式ETFを選ぶ基準は、日本株式ETFを選ぶのと同じく、純資産総額が1兆円以上、信託報酬が0.1%以下です。つまり規模が大きく、コストの安い銘柄です。この3銘柄のうち、私はVTを持っていませんが、VTは世界全体に分散投資している銘柄で、その分散割合を参考にして、世界全体のETFを保有しているので、実質的にVTと同じようなETFを地域別のETFで代用していると言えます。
外国株式ETF
コード | 名称 | 純資産総額(億円) | 信託報酬 |
SPY | SPDR S&P 500 | 343,373 | 0.0945% |
VOO | バンガード・S&P 500 ETF | 186,029 | 0.03% |
VT | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF | 18,007 | 0.08% |
それでは、この3銘柄の内容を確認します。
⇒ は、私のコメントです。
SPYの名称は、SPDR S&P 500 ETFです。
SPYの基準価格は1993年の44ドルから2021年の378に成長しました。これ以外に、分配金が毎年2%弱支払われています。下の図はSPYの株価チャートです。
SPYは世界最大のETF
- SPDRはSSGA(ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ)が提供するETFのブランドです。
- ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは、ステート・ストリート・コーポレーション( State Street Corporation)の資産運用部門です。
- SPYは、米国における第一号のETFで、現在、純資産総額、流動性ともに世界最大のETFに成長しています。⇒世界最古のETFは、1990年3月にカナダのトロント証券取引所に上場されたTIPS35です。
主な特徴
- S&P 500®指数の値動きに、経費控除前ベースで概ね連動する投資成果を追求します。
- S&P 500®指数は、世界産業分類基準(GICS)において定義される全11業種に分散された米国の大型株式で構成される指数です。
ベンチマークについて
S&P500®指数は、米国の上場企業の中から厳選された500銘柄で構成される指数であり、産業グループの分散は24種以上に及んでいます。
ファンド情報 2021年01月13日現在
- ベンチマーク S&P 500 Index
- 設定日 1993年01月22日
- オプション取引 可
- 総経費率 0.0945%
- 基準通貨 USD
- マーケティング・エージェント ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ・ファンズ・ディストリビューターズ LLC
- 販売会社 ALPS Distributors, Inc.
- 分配頻度 四半期毎
ファンド特性 2021年01月13日現在
- 3-5年予想一株当たり利益(EPS)の成長率 12.37% ⇒ 少し高めですが、過去27年間の平均は10%ですから、それほど大げさな数字ではありません。
- 組入銘柄数 505 ⇒ S&P500なのに505銘柄あるのは、一社で複数の銘柄を持っている会社があるからです。
- 株価純資産倍率(PBR) 4.06 ⇒ 日本より高めです
- 予想株価収益率(PER) 25.13 ⇒ 日本は15倍が標準と考えられていますので、少し高めです。
- 時価総額加重平均 $475,482.94(百万米)
ファンド・パフォーマンス(税引き前)
- 1年間 18.23%
- 3年間 14.02%
- 5年間 15.04%
- 10年間 13.74%
- 設定来 10.05%
ファンドの組入上位銘柄 2021年01月13日現在
銘柄名 保有株数 組入比率
Apple Inc. 165,892,580 6.51%
Microsoft Corporation 78,479,200 5.09%
Amazon.com Inc. 4,427,028 4.20%
Tesla Inc 7,871,497 2.02%
Facebook Inc. Class A 24,953,536 1.88%
Alphabet Inc. Class A 3,120,765 1.63%
Alphabet Inc. Class C 3,013,231 1.58%
Berkshire Hathaway Inc. Class B 20,201,106 1.42%
JPMorgan Chase & Co. 31,640,840 1.33%
Johnson & Johnson 27,326,202 1.29%
⇒ テスラが、GAFAM(ガーファエム)の間に入り込んできました。
<明日に続く>