過去11年を振り返る
本格的に投資を始めて11年が経ちましたので、その振り返りをします。2010年の4月を起点として、4月から3月末までの年度ごとに評価しています。紫の棒グラフが前年比、緑の折れ線が年平均リターンです。
年 | 前年比 | 平均リターン |
2010 | -8.4% | -8.4% |
2011 | 12.0% | 1.3% |
2012 | 12.0% | 4.7% |
2013 | 8.9% | 5.7% |
2014 | 16.5% | 7.7% |
2015 | -8.0% | 5.0% |
2016 | 11.5% | 5.8% |
2017 | 5.4% | 5.7% |
2018 | 10.3% | 6.2% |
2019 | -7.3% | 4.8% |
2020 | 36.3% | 7.1% |
前年比36.3%、平均リターンは7.1%
2021年3月で終了する2020年度は、前年比36.3%、11年間の平均リターンは7.1%、2020年度までのの平均リターンは7.1%でした。
昨年3月のコロナショックの影響を除くと23%増
前年比が、異常に高く見えますが、その大きな理由は、前年の3月が新型コロナショックの影響でマイナスになったための反動です。もしその7.3%がなければ、平年並みリターンの6%を加えて、合計13.3%のかさ上げになっていますから、36.3%-13.3%=23.0%のプラスになります。+23.0という上昇も過去11年間で最高ですが、主な理由は、GAFAMTの急騰と日本株の上昇です。平年に比べると高めではありますが、バブルと言えるほどの上昇ではなさそうです。
バブル
最近、バブルという言葉が使われることが多いですが。バブル景気とはどういうものでしょうか。日本のバブルは今から30年ほど前に起こりました。この時の経緯について、野村証券の用語解説で勉強しましょう。
「バブル景気(ばぶるけいき)
1990年代の初めに起こった。バブル景気の発端は、1985年のプラザ合意に始まったとされている。
当時過度なドル高の対策に頭を痛めていた米国の呼びかけで、ニューヨークのプラザホテルに先進国5カ国の大蔵大臣(米国は財務大臣)と中央銀行総裁が集まり会議が開催された。
この会議では、ドル安に向けた各国の協調行動への合意が発表された。基軸通貨であるドルに対して、参加各国の通貨を一律10~12%の幅で切り下げることを行う為に、外国為替市場で協調介入を行うというものであった。
最大の目的は、ドル安によって米国の輸出競争力を高め、貿易赤字を減らすことにあった。これがプラザ合意である。
この合意を受け、急速な円高が進行した。プラザ合意前日の東京市場では1ドル=242円であったが、1985年末には、1ドル=200円を切るまでの円高が進み、さらに、1988年の年初には、1ドル=128円をつけるまで進行した。
円高で競争力の落ちた日本国内の輸出産業や、製造業を救済する為に、円高対策として、1987年2月までに5回の公定歩合引き下げが行われた。当時としては、戦後最低の2.5%となった。金融市場では、急激な円高により、米国債券などに投資していた資金に為替差損が発生した。その結果、運用資金は為替リスクのない、国内市場に向けられた。
そこで、株式市場では株価が上昇し、不動産市場では地価が上昇した。さらに、資産の増大が、個人・企業の含み益を増大させ、担保価値や資産価値が増大することで金融機関による融資も膨らみ、バブル景気が起こった。
しかしバブル景気は、1990年代に崩壊し、その後、長い景気低迷へと変動した。」
個人投資家と専門家にとってのバブルの水準
ところで、最近のバブルに関するメディアの話を聞いたり、記事を読むと、個人投資家と専門家の間には、バブルの水準に関して大きな違いがあるように思えます。
バブルは、2~3割? 2~3倍?
それは、個人投資家にとっては2~3割上昇するとバブルの不安を抱くのに対し、専門家はもっとずっと高い水準、例えば2倍程度にならないとバブルに該当していないと思えるからです。もし、2~3割のバブル部分が消えてしまうと、株式市場で弱気派が勢力を増して、逆に本来の実力よりも2~3割低い水準にまで落ち込む可能性もあります。そうすると合計で、一時的でも約5割落ち込む可能性があります。専門家は、こういうことは10年に一回くらいあると思うかもしれませんが、個人投資家にとっては一大事です。今買おうとしている株式が5割下がる恐れがあるとしたら、それがバブルという名前が付こうが着くまいが大問題です。この大問題を、バブルという言葉で表現しているのが個人投資家かもしれません。
バブルでなくても半分になれば大変
ですから、個人投資家は、専門家が「今はバブルではない」と言っても、すぐに安心せず、バブルという言葉の定義や意味をよく考える必要があります。私は連れ合いに、株式ETFの購入を勧め、その2年後にリーマンショックで評価額が半分以下になり、夫婦関係がとても険悪になった経験があります。メディアで話す専門家は、個人の夫婦関係まで考えて話しているわけではありませんから、現在はバブルではないと、単純に鵜呑みしない方が賢明かもしれません。
あてにならない専門家の見通し
しかし、今から5年ほど前にも、アメリカのアナリストたちが、現在の株価水準は高すぎるから、危険な水準に達していると言っていましたが、当時のSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)の株価は200ドルで、現在は400ドルを超えています。当時、このアナリストたちの言葉を信じて株を売ってしまった個人投資家の逸失利益は大きなものだったでしょう。用心しながら、買って、持ち続ける Buy and Hold しかなさそうです。