私は、勤めていた会社で確定給付年金、確定拠出年金、従業員持ち株会の責任者をし、その後、保険に関する責任者、厚生年金基金の役員の経験がありますので、ある程度、個人投資に関する知識もあります。しかし、私の家族は、そのような知識はゼロですから、私が時々アドバイスをしています。今年の年始に送ったチャートは、以下の通りです。
アメリカ株は30年で12倍
このチャートは、世界最大のETF、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)の株価の推移を示したものです。ちょうど30年前の1993年に44ドル、現在は383ドルですから8.7倍になりました。これ以外に、毎年、1%台の分配金がありますから、30年間のトータルリターンは12倍にもなります。このチャートで、貯蓄と投資の重要性を教えているのですが、伝わっているのでしょうか。
年末に10%の利子をつける
子供の投資教育について参考になると思ったのが、厚切りジェイソンの方法です。彼は子供に銀行預金をさせ、年末の残高に10%の利子を付けてあげるというのです。どうしても欲しいもの、必要なものがあれば、銀行からお金を引き出して使いますが、もう一方で、使わずに年末まで置いておけば10%の利子が付きます。貯蓄することも大事ですが、賢く使うことも大事です。そのバランスを自分で考えて決める経験を積むことによって、お金に関してのリテラシーを体得できるのではないかと思います。10%という数字は分かりやすいですし、アメリカの平均リターンですから、現実味もあります。
子供など家族に対する、お金の教育は難しいのですが、昨年からは高校の家庭科で投資教育が必須になりました。アメリカでは、子供にお金の話をどうしているかをmake itの4月14日の記事で見てみましょう。以下は拙訳です。
子供とお金について話すと、将来報われる—–私には効果があった
ROTH IRA、高利回り貯蓄口座、投資信託などは、私が子供の頃、家族の食卓でよく使われていたフレーズです。
当時は気づかなかったが、ファイナンシャル・アドバイザーとして数年間働いていた親がいたことで、私は貴重な金融知識を得ることができたのだ。友人や同級生が、自分の家族と経験できるわけではないこうした会話は、私のお金に対する自信を高め、ファイナンシャル・ジャーナリストへの道を歩むきっかけとなりました。
それは、私が社会経済的地位の低い家庭で育ったとしても同じことです。兄と私は公立学校でずっと値引きされたランチを食べていました。父のファイナンシャル・アドバイザーとしての仕事は、わずか5年で終わった。
10代の頃、父が収入を分散させ、お金を投資口座に入れるよう説いているのを聞いていた私は、幼い頃に父のパーソナルファイナンスの教えに触れたことが、この先何年も私の心に残ることになるとは思いもよりませんでした。
金融に触れることが子どもに与える影響
子供が親から習慣を吸収するのは当然のことです。親がお金について話したかどうかにかかわらず、お金に関する行動も例外ではありません。
臨床心理学者で公認ファイナンシャルプランナーのBrad Klontz氏は、CNBC Make Itにこう語っています。
Klontz氏は、こうした瞬間を「金融フラッシュポイント体験」と呼んでいる。幼少期にお金にまつわる出来事が起こるが、親がその意味を明確に説明したかどうかによって、子供は完全に理解できる場合とそうでない場合があるのだ。
例えば、子供の頃、5ドルのお小遣いをお菓子やおもちゃに使ってはいけないと言われたことを思い浮かべてください。親は、お小遣いを貯めることの大切さを説明しましたか?親は、お小遣いを貯めることの大切さを説明したでしょうか。それとも、投資という概念について説明したでしょうか。それとも、親が言ったから使ってはいけないと言われただけでしょうか?
親が子どもに金融リテラシーを教えるのは当然のことです。しかし、多くの場合、お金に関することは家族にとって切実な問題です。また、親自身がまったく慣れていない話題について、子どもに教えることができない場合もあります。
「多くの親がお金の話をしないのは、自分がお金についてストレスを感じ、お金にまつわることに良い印象を持っていないからです」とKlontz氏は言う。
問題は、親がチョコレートバーを買う代わりにお金を貯めるという概念を説明したくなかったことではないのかもしれません。親が自分の貯金に自信がなくて、その概念を説明できなかっただけかもしれません。
バンクレートが1月に行った調査では、アメリカ人の半数以上が1,000ドルの緊急出費をまかなえるだけの貯蓄を持っていないことが判明しています。また、サラリーマン金融によると、およそ20%の従業員が定期的に次の給料前にお金を使い果たしており、これは1年前の15%より増加しています。
「お金を与えることよりも、何よりも、率直に言って、彼らが(富を)うまく管理し、それを獲得するのに役立つ考え方を与えることです」と、クロンツさんは言います。
<明日に続く>