私の運用実績 2023年1月:運用益は新宿区納戸町の79㎡新築マンション相当です

7割が億ション

スーモSUUMOによると、都心(千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区)の新築マンションは現在134件ありますが、そのうち1億円以上の物件は97件です。7割が億ションですから都心は高いですね。

最近1年間、グラフではほぼ最高の近辺をギザギザと上下していますが、今月は先月より1千万円上昇しました。

今年はFOMCの利上げ、据え置き(場合によっては利下げ)があり、黒田日銀総裁が任期を終えますから、何らかの動きがあるでしょう。

令和臨調の提言

過去10年間のアベノミクスで、日本の経済、財政状況は悲惨なことになりましたが、それに関連して令和臨調の緊急提言を見てみましょう。なお、本文はとても長いので、YAHOO!JAPANニュースでポイントを確認します。

ポイント

企業経営者や研究者で構成される「令和臨調」は1月30日、2%の物価上昇に関する、政府と日銀の共同声明を見直すべきと提言した。令和臨調は、現在の財政・金融政策について、日銀による国債の大量購入で財政支出が拡大し、成長に不可欠な改革が先送りされたと指摘した。そのうえで、10年前に政府と日銀が交わした共同声明に含まれる「2%の物価目標」について、「できるだけ早期に実現する」としてきた日銀の立場をあらため、「長期的な目標」として新たに位置づけるよう提言した。これにより、金利機能の回復と国債市場の正常化を図るべきとしている。


2023 年 1 月 30 日

令和臨調 緊急提言

政府と日本銀行の新たな「共同声明」の作成・公表を
― 世界が大きく変わる中で持続的に発展する日本経済を創る ―

はじめに

「だれもがより良い将来を信じられる日本、安心して望んだ生き方を選択できる日本」を実現して次世代に引き継ぐこと。それが今の日本を担う私たちの責務である。そうした社会を築くには、持続的に発展する活力ある経済が不可欠である。しかし、バブル崩壊後の長期停滞下で進行してきた日本経済の凋落は著しい。この 30 年で実質 GDP は米国が 2 倍になったのに対して日本は 1.3 倍、日本の一人当たり GDP も順位を大きく落とした。一人当たり労働生産性は G7 の中で最も低く、平均賃金も 30年間ほとんど上がっていない。グローバルな視点からみた日本の魅力も失われつつある。

コロナ禍と、それに続くロシアによるウクライナ侵略を経て、先進諸国の経済はこれまでの低金利・低インフレから高金利・高インフレ基調へと一変した。その中で日本だけが取り残されたように異次元金融緩和政策を続けている。内外金利差の拡大とともに進行した大幅な円安によって、通貨価値は、円の実力を表す実質実効為替レートでみれば、一時、50 年前の水準に逆戻りした。デジタル化の遅れ、イノベーション力の低下、少子高齢化と人口減少の進行、地方経済の衰退などの課題も深刻である。長年指摘されながらも解決に至っていないこれらの課題を直視し、強い意志を持って解決する必要がある。世界が大きく転換する中、日本が今変わらなければさらなる危機的な状況が待ち受けている。

私たち令和臨調はこのような強い危機感から出発し、より良い明日を実現するために順次提言を発出する。今回はその第一弾として、世界的な状況が大きく変わる中で、国会での 2023 年度予算案審議や日銀総裁の交替人事に関心が集まるこのタイミングで「財政と金融政策の一体改革」に焦点を当てて緊急に提言を行う。

1.財政と金融政策に関する基本的な問題意識―現状の評価

本来、経済成長は、新たな価値を生み出そうとする民間部門の自由な経済活動を通じて実現するものである。賃金も同様に、競争環境の中で民間の労使交渉によって決まり、政府が決定するものではない。したがって、経済の停滞や賃金の伸び悩みの一義的な責任は、必要な投資と事業改革を行わず、生産性の向上を実現できなかった民間部門にある。

しかし、政府と日本銀行の政策対応が、長期にわたる異次元金融緩和、バラマキ的な財政支出、労働市場改革の遅れ、既得権保護的な規制の維持によって民間部門に対して「ぬるま湯」的な環境を与え続けたことの是非も問われるべきはないか。この環境下で、積極的にリスクをとって新しいビジネスモデルや変革に挑戦する投資や起業は増えなかった。その結果、経済の新陳代謝や産業構造変化は進まず、生産性上昇率が低下して賃金は伸び悩んだ。

もちろん、本当に必要な政府の財政支出は確かにある。しかし、コロナ対策としての一律で均等な国民への給付金に象徴されるように、費用対効果を疑わせるような内容と金額の財政支出が繰り返される一方、必要性が高いところに重点的に支出する仕組みが機能していない。政党は国民負担や痛みを伴う議論を先送りしつつ財政支出の拡大に傾斜し、政策は本来あるべき長期的視野を失っている。これは、ポピュリズムの罠に陥っているというべきではないか。

財政支出が大きくなる中、財源確保の見通しなく国債に依存している点も看過できない。長きにわたる長期金利(10 年)をゼロ%近傍へ誘導する金融政策で、国債の利払い負担が即座にのしかからないことが、私たち国民や政治家を「財政はいくらでも使って大丈夫なのだ」という感覚に陥らせ、国債増発を伴う財政支出をさらに誘発する悪循環を招いてきた。一方、歯止めのなくなった財政政策を見て、「あとで大きなつけを払わされるのではないか」という漠然とした不安も国民に広がっている。

最近では、英国での財源確保のない大幅な減税を含む景気刺激策がポンド安・債券安を招いた事例があり、財政が市場の信認を失う場合のリスクが改めて認識された。日英では経済の諸条件は異なるものの、財政基盤に関しては、日本の現状は英国よりもっと脆弱であり、他山の石として受け止める必要がある。

このような問題意識に基づき、令和臨調は、2%インフレ目標設定を明記した 2013年の政府・日本銀行の共同声明以降の政府と日本銀行の政策を検証したうえで、新たな共同声明(いわゆる「アコード」)を作成、公表することを提言する。

2.政府と中央銀行による発展的な政策連携の必要性

(1) 2013 年の共同声明とその後の経過

2013 年の共同声明では、「デフレからの早期脱却」と「持続的な経済成長の実現」に向けて、日本銀行がインフレ目標を消費者物価上昇率 2%に設定しできるだけ早期の実現を目指して金融緩和で支える一方、政府は日本経済の競争力と成長力を強化する取組を推進し、財政運営に対する信認確保の観点から持続可能な財政構造を確立するという分担を定めており、その意図は正しいものだったと評価する。

しかし、その後日本銀行が異次元金融緩和開始時に目標と定めた 2 年間での 2%インフレ達成は実現できず、その後も 2%インフレを達成できない状況が続いた。また、政府も共同声明に掲げた「日本経済の競争力と成長力の強化」と「持続可能な財政構造の確立」を実現できていない。むしろ、先に述べた通り状況は悪化し、コロナ禍が財政悪化を助長した。

生産性が上がらず、経済の底力である潜在成長率が上昇しない中で、異次元緩和を続けても当初目指した「持続的な経済成長」への効果は期待できない。2022 年になり円安や資源高によって物価上昇は実現したが、持続的な経済成長や賃金上昇の伴わない物価高が好ましくないことは言うまでもない。他方で、世界的な高金利・高インフレ基調を背景に日本の長期金利にも上昇圧力が強まるなど、従来の金融政策の限界も見え始めている。

このような厳しい状況を踏まえ、政府と日本銀行は、過去 10 年の政策効果を検証した上で、政府・日本銀行が連携してより効果的な政策を実行できるよう、新たな共同声明を作成、公表すべきである。

(2)「財政と金融政策の一体改革」 ~政府と日本銀行は新たな連携を~

新たな共同声明を作成する際に政府と日本銀行が認識すべきなのは、財政と金融政策が負の相互作用を及ぼしてきた点である。

すなわち、財政の歳出拡大は事実上日本銀行の国債購入によって支えられており、長期金利が固定されていたため官製市場と化した国債市場は、財政状態が悪化すれば金利が上昇するという警告機能を完全に喪失してしまった。この結果、費用対効果の検証や施策の優先順位付けも十分なされないままに財政支出は拡大する一方、本来、成長戦略に不可欠な構造改革や規制改革は先送りされ、新陳代謝の遅れや生産性の低迷、賃金の停滞を招いた。そのことがさらに日本銀行の金融政策の正常化を阻む、という負のサイクルができている。昨年末、日本銀行は市場機能の改善などを目的に政策変更を行ったが、幅広い年限の金利への統制を強める側面も懸念され、負の相互作用が続く現状は大きく変わらない。

そうした状況から脱出するためには、賃金が上昇し続ける持続的経済成長の実現という共通の目標に向けて財政と金融政策の一体改革に取り組む必要がある。令和臨調は、その指針として、政府・日銀がそれぞれの政策を建設的な連携へと変化させる新たな共同声明を公表し、その実現にコミットすべきと考える。

今後の建設的連携において、政府は、戦略的かつ効果的な財政支出の重点化と構造改革を加速させることで、生産性向上と賃金上昇の実現を目指す。一方、日本銀行もこうした政府の政策の進捗を見極めながら、一定の時間軸の中で金利機能の回復と国債市場の正常化を図りつつ、安定的な物価上昇のもとで持続的な経済の発展を目指す。こうした金融政策の変化は適度な規律となって、政府の財政の持続性の回復を後押しし、そのことが日本銀行の独立性の基盤となり金融政策の効果を高めることにつながるはずである。

なお、これに加えて、政府の財政運営への規律付けを高めるために、財政運営の長期展望を中立的な立場で国民に公開し、財政の持続性を検証する仕組みを制度的に導入することも検討すべきである。

3.新しい共同声明の構想

以上の論点を踏まえ、新たな共同声明の骨子の案として下記を提言する。

①政府と日本銀行の共通目標

両者の連携により、生産性向上、賃金上昇、安定的な物価上昇が起こる持続的な経済成長が実現するための環境を作る。また、持続的な経済成長が実現する過程で国債市場の正常化を図り、その際、国債価格・金利の急変動による混乱が生じないよう市場の安定に特段の注意を払う。

②政府

戦略的かつ効果的な財政支出の重点化と構造改革の加速によって潜在成長率を高めるとともに、歳出入改革により持続可能な財政構造を確立する。当面はプライマリーバランス黒字化の実現を目指すとともに、財政に対する信認を回復するために実効性ある仕組みと体制を構築する。構造改革についてはこれまでの成果が限定的であった要因を分析・検証する。その上で、労働移動の円滑化、医療・介護制度改革、経済・社会のデジタル化など潜在成長率向上や社会保障の持続可能性を確保するために不可欠な施策を、強力な実施体制で、集中的・継続的・徹底的に推進する。

歳出については、効果的かつ適切な規模のマクロ経済政策運営に努めつつ、長期的な成長力の向上と社会の安定に不可欠な政策に財政資源を集中する。社会保障制度を、多様化する働き方に中立的なものとし、少子高齢化の現状を踏まえた公正な負担と給付を設計する。これまでの政策評価の実効性を厳しく検証した上で、専門家を主体とする独立した第三者により、主要な施策の必要性と効果をエビデンスに基づいて常に検証し PDCA を回す体制を再構築するとともに、スクラップ&ビルドによる歳出構造の最適化を図る。歳入についても、社会経済環境変化に合った継続的な改革と歳出に見合った増収を図る。

③日本銀行

消費者物価上昇率 2%を長期的な物価安定の目標として新たに位置付ける。当面は金融経済情勢を見極めながら金利機能の回復と国債市場の正常化を図りつつ、安定した物価上昇を通じた持続的な経済成長の実現を後押しする環境を作る。市場の急変によって財政と金融システムの安定性が脅かされる事態を回避すべく、市場との対話を一段と強化する。

④政策検証の仕組み作り

政府、日本銀行の連携が円滑に進捗しているかどうか、その結果、日本経済が持続的な発展を実現する方向に進んでいるかどうか、双方の相互作用を考慮しつつ、定期的かつ効果的に検証し、改善すべき点が認められる場合には、政府と日銀に速やかに指摘し、国民にその情報を適切に開示する必要がある。そのための制度的な仕組みを早急に整備する。

おわりに

今回の提言に際し、もう一つ重要な点に触れておきたい。
それは、現在私たち国民は、そもそも私たちの将来にとって重要な情報を十分に得ていないということである。その最たるものの一つが、今回取り上げた財政と金融政策に関わる情報である。長期的に財政は持続可能なのか、長期にわたる異次元緩和の副作用や、その結果として今後日本銀行の損失拡大により国民負担になり得るコストやリスクはどれほどなのか。不都合な情報が明らかにされず、状況が見えないままでは、変化が必要だという危機感を持つことはできない。明るい未来を取り戻すための取り組みを私たちが一体となって進めるためには、まず、大事なことを国民の目に見えるようにする必要がある。

こうした観点から、令和臨調では日本のより良い将来に向けて何をなすべきか議論を重ね、国民の意思決定に資する政策提言を、これからも様々な分野で、順次、発表する。今回の提言を、国の将来を決める財政と金融政策の一体的な改革に向けた議論の一助としたい。

以上

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