銀行預金の時代は終わった
長年続いた超インフレ時代が終焉を迎え、今後はインフレが続くかもしれません。インフレのない時代には、銀行の普通預金、定期預金に貯蓄していてもなんとかしのげていましたが、インフレ時代になると、毎年2~3%ずつ価値が減損していきます。
確定拠出年金の運用方針
日本の年金制度が消滅することはないでしょうが、国民年金制度だけでは不十分であり、厚生年金も今後一層受取額が目減りしていくでしょう。
私は子供たちに、企業型、個人型の確定拠出年金を限度額いっぱい積み立てるようにさせ、運用銘柄は低コストインデックスファンド(パッシブファンド)を利用するように勧めています。
外国株式低コストインデックスファンド
ところで老後の貯えをしない人たちはいますし、十分ではない人もいます。私の知り合いは、選択制企業型確定拠出年金制度を採用している会社に勤めていますが、毎月1万円銀行預金で運用していたので、所得税控除のメリットを説明し、限度額の5万5千円を外国株式低コストインデックスファンドで運用するように勧めました。
日本でもアメリカでも、老後の貯えが十分でいない人の現状を見てみましょう。
日本については東証マネ部の記事で見ます。
少子高齢化に歯止めがかからないなかで、社会保障だけに頼らず自分でも老後に備える必要性を感じる人も増えているのではないだろうか。会社員はどのぐらい、どのように老後への備えをしているのだろうか? 全国の20〜40代の会社員552人に聞いてみた。
Q. 老後のことを考えどのような金銭的な備えをしていますか?
銀行積立預金 28.4%
確定拠出年金(iDeCoや企業型DC) 18.8%
個人年金 26.6%
投資信託・株式投資 22.5%
不動産投資 4.3%
その他 1.4%
特に老後の備えはしていない 34.6%
(複数回答)
会社員全体のほぼ3分の2はなんらかの形で老後のための金銭的な備えをしていた。銀行積立預金が3割弱と最も多く、個人年金と投資信託・株式投資がそれに続く。
厚生労働省の統計では2019年時点で会社員の2割が企業型DCに加入しており、今回の調査ともほぼ一致する結果となった。確定拠出年金と回答した人の39%が個人年金、43%が投資信託・株式投資にも投資しており、老後の備えをしている人は複数の手段を用いて積極的に行っていることがうかがえる。
「特に老後の備えはしていない」と回答した会社員は20代が31.1%、30代が34.6%、40代が38.6%と、年代が上がるほど老後の備えをしない会社員の比率が高まるという意外な結果が出た。
老後の備えをしていない会社員の実際の理由を聞いてみた。
Q.「特に老後の備えはしていない」と回答した理由を教えてください
「いまの生活で精一杯」(男性、20代)
「備えをする余裕がない」(男性、40代)
「給料が安すぎて、貯金できない」(女性、40代)
「教育費で精一杯」(男性、40代)
「結婚資金が先」(女性、20代)
「これから夫婦で話し合って決める」(男性、30代)
「どこから手を付ければいいのか検討中」(女性、40代)
「なにも考えていないわけではないが、具体的になにをすれば良いかわからない」(男性、40代)
「投資などやりたい気持ちはあるが、やり方がわからない」(女性、20代)
「投資など始めたいが、時間がない」(女性、30代)
「まだなんとなくしていない」(女性、40代)
「まだ早いから」(女性、30代)
「長生きしないだろうからそんなに蓄えは必要ない」(女性、40代)
老後に備える必要がないと考える会社員は比較的少数で、備えたい気持ちはあるが、その金銭的・時間的余裕がなかったり、具体的に何をすれば良いのかが分からなかったりするという会社員が多いようだ。
次に、備えをしている会社員にいくらぐらいを蓄えているかを聞いた。
Q. 老後のために月あたりではいくら程度蓄えていますか?
1万円未満 17.5%
1万円以上2万円未満 21.9%
2万円以上3万円未満 25.5%
3万円以上4万円未満 11.6%
4万円以上5万円未満 7.2%
5万円以上 16.3%
3万円未満が全体の3分の2弱を占めた。3万円以上の層は35.1%であったが、「投資信託・株式投資」と回答した人の中では50.0%と顕著に多くなった。確定拠出年金と回答した人の中でも39.5%とやや高い。企業型DCなどに加入している会社員は他の備えもしている場合が多いという先ほどのデータと関連していそうだ。
まとめると、若い会社員ほど老後に備えているという傾向が見られた。投資信託や株式への投資を行っている会社員は比較的大きな額を老後のために用意しているようだ。一方で、老後の備えや投資に関する情報が適切に行き渡っていないために、気にはなるがやり方がわからないという会社員が多数いることは、個人としても社会政策としてももったいないと感じた。
個人で老後に備えることを念頭に、iDeCoやNISAなどの税制優遇制度が導入されてきているので、ぜひ積極的に情報を集めて不安を解消してほしい。気になった今が行動を起こすタイミングだ。
<明日に続く>