経済的不安を抱えるアメリカの若者たち

日本では今、物価高、実質賃金低下にあえいでいる人が増えていますが、経済的に絶好調のアメリカでも、苦しんでいる世代がいるようです。

2024年5月9日のUSA TODAYの記事を読んで見ましょう。以下は拙訳です。


Z世代、ミレニアル世代はホームレスにつながる経済的不安を抱いている。

Acorns社とOpinium Research社が実施した調査によると、Z世代とミレニアル世代の3分の1近くが、経済的な理由でホームレスになることを心配している。

2月14日から2月23日にかけて、18歳以上の米国の消費者5,000人が、Acorns Money Matters Reportと呼ばれる調査に回答した。回答者には、Z世代、ミレニアル世代、X世代、団塊世代、サイレント世代(78歳以上)が含まれている。

Acorns社は2017年からこの調査を実施している。今年のアンケートでは、Z世代の29%とミレニアル世代の32%が、自分の経済状況がホームレス体験につながることを恐れていることがわかった。Z世代とミレニアル世代は、団塊の世代やそれ以上の年齢の回答者よりも、この結果を心配する傾向が3倍近く高いことが調査結果からわかった。

Acorns社のノア・カーナー最高経営責任者(CEO)はUSA TODAYに、「お金について総合的に考え、お金の感情的な側面について考えるとき……それが結局、希望や自信の欠如のように感じられるのです」と語った。

同社はまた、ミレニアル世代の33%とZ世代の28%が、お金に執着するために人生を楽しむことができないことも明らかにした。

カーナーが率いる金融サービス会社Acornsは、経済的、教育的、感情的に問題に立ち向かおうとしていると彼は言う。このブランドは、小さなドングリであるAcorns社が 「大きなオークに成長する 」という考えに基づいていると彼は言う。

「自分の生活の中で小さな変化を起こし、小さな方法で努力し続ければ、人生を変えることができるという感覚を人々に与える」と彼は語った。

財政が人々のストレスになっている。具体的に何がそんなに心配なのだろうか?

Acornsが調査を実施したところ、金銭的な不安を感じていない回答者は全体の1割にも満たないことがわかった。その中でも、生活費とインフレは、借金、退職金、利子、住宅ローン、貯蓄不足よりもストレスになっている。

すべての所得層のアメリカ人が、生活費の次に影響を与える経済的ストレス要因は、インフレと借金であると答えている。

調査対象者のうち、来年は現在より経済的に安定すると考えているのはわずか35%。ほとんどの人、つまり44%の人は、来年も経済的安定性は変わらないと考えている。

Acornsはまた、3月20日から3月26日にかけて、1,965人のAcorns顧客を対象に比較調査を行った。同社によると、Acornsの顧客は、より多くの回答者グループと比較して、より経済的に安全だと感じている。ドングリの顧客の34%がより経済的に安定していると感じている一方、より多くの調査対象者の25%が経済的に安定していると感じているという。

Acornsの調査によると、多くのアメリカ人が請求書や金銭面でストレスを感じている。

戦争は経済的安定にどのような影響を与えるのだろうか?

Acornsが消費者を調査したところ、回答者の半数以上が、世界的な戦争や紛争が経済的安定に影響を与えることを懸念していることがわかった。回答者のうち25%は、世界的な戦争や紛争が経済的な安全保障に影響を与えることを「非常に懸念している」と答えた。

人工知能の普及や気候変動についても、より多くの回答者が懸念を表明している。

Acornsによると、学歴が高く、世帯収入が高い回答者ほど、時事問題が経済的安定にどのような影響を与えるかを心配している。

報告書によると、高卒者の47%が世界的な戦争が経済的安定に影響を与えることを懸念しているが、ある程度の大学経験や準学士号を持つ者の51%、学士号以上の学歴を持つ者の57%が世界的な戦争が経済的安定に影響を与えることを懸念している。

子どもの頃にもっと経済について学んでおけばよかったと思う人たち

Acornsの報告によると、調査対象者の27%が緊急時の資金を持ったことがない。

調査対象となったアメリカの成人の約23%は、子どもの頃に金融リテラシー教育を受けていない。一方、金融リテラシー教育を受けていない人の66%は、金融についてもっと教わっていれば、現在の経済的安定はもっと良くなっていただろうと考えている。

調査対象者のうち、Z世代とミレニアル世代は、子供の頃にもっと金融リテラシー教育を受けていればと思う傾向が強い。

「これらの若い世代は、調査対象となった上の世代に比べて金融リテラシー教育を受けた割合が高いことを考えると、この発見は特に興味深い」とAcornsは調査に関するニュースリリースで述べている。

調査対象のわずか4分の1の人が人間のファイナンシャル・アドバイザーと仕事をしており、7%の人がロボ・アドバイザーを利用している、とAcornsは報告している。

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