夫婦で家計は別々にすべきか?

昭和の時代は、夫の給与がそのまま家計になっていました。少なくとも我が家ではそうでした。しかし今の時代は、夫婦がそれぞれ同額ずつ出して家計となる家が多いようです。

2024年10月24日のFORTUNEの記事を読みましょう。

There are good reasons for couples to keep their finances separate, experts say


夫婦が家計を別々にするのには理由がある、と専門家たち

若い世代のアメリカ人は晩婚化が進み、両親よりも配偶者の家計を別々にする傾向がある。それは必ずしも悪いことではない。家計はどんなカップル、特に新婚夫婦にとっても大きな議論であり、いつ、どのように組み合わせるかについては、カップルごとに状況が異なるため、唯一の正解はない、とブライトン・ジョーンズの公認離婚ファイナンシャル・アナリスト、ジェシカ・レイは言う。

多くのアドバイザーは、資産を統合することで信頼関係が築かれ、それぞれの配偶者が請求書の支払いや家計の確立に参加しやすくなると言うが、レイ氏は異なる見解を示す。彼女は、夫婦がどのように家計を構成しているかをよく観察し、その取り決めがしばしばあるように、一方または両方の価値観を反映しない文化的または社会的な仮定に基づいているかどうかを判断すべきだと言う。

「気楽さを重視するなら、共同財政はあなたにとって正しい道かもしれない。少々複雑でも構わないのであれば、資産を自分の名義にしておくことの利点は、資産を守る場合に役立ちます」とレイ氏は言う。「最初は別々にしましょう。共同支出用の共同口座を持ち、その後自分の口座を持つ。ある程度は共同口座に入れ、残りは個人名義にするのです」。

レイが言う 「保護 」とは、離婚の場合だけでなく、債権者が資産を狙ってくる場合、あるいは後年、政府の制度を利用できるようにする場合などを意味する。

また、家計を別々にすることで、それぞれの配偶者、特に女性が自立した気持ちになれるという。結婚が遅くなり、一人でキャリアや貯蓄を築く時間ができた人たちにとって、家計を別にすることはアイデンティティの重要な一部となりうる。

「私たちは、家計を一緒にしないことがより一般的で快適な世界へとシフトしています。離婚もその理由のひとつですが、女性が自分自身の富を築き上げるための自己啓発もそのひとつです」。

エクイタブル・アドバイザーズの公認ファイナンシャル・プランナー、ジョディ・ダゴスティーニ氏は一般的に、クライアントにはほとんど共同家計を持つようにアドバイスしている。少なくとも上記のレイ氏が述べた程度には、共同口座はあるが、それぞれのパートナーも自分の口座を持っている。しかし、方程式が変わる場合もある。

彼女はクライアントに、家族からの相続や贈与を夫婦の資産と混ぜないように言っている。つまり、相続財産を共同口座に預けず、共同請求書や共同負債の支払いに充てないということだ。その代わりに、自分の名義だけの口座に預けましょう。

「配偶者のためではなく、あなたの利益のために相続させるというのが、相続させる側の意図です」とダゴスティーニ氏は言う。繰り返しますが、これは離婚の際の保護、あるいは経済的虐待から逃れるためです。相続財産は、あなたがそれを共有したり、そこから収入を得たりしない限り、婚姻関係にあるとはみなされません」。

その点、ほとんどの州では、相続財産は夫婦の財産の一部とはみなされず、別個の財産とみなされます(婚姻中に得た金銭やその他の財産とは異なります)。しかし、相続財産を婚姻中の財産と混同し始め、後に離婚することになれば、問題が生じる可能性がある。

ダゴスティーニ氏はまた、離婚の際に事態を単純化するためだけでも、各パートナーは婚前資産を別にしておくべきだと言う。これは婚前契約によって行うことができる。

「婚前契約は、ある程度の資産を持つプロのカップルに役立ちます」とダゴスティーニ氏は言う: 「それはあなたの快適さのレベルです”。

夫婦のどちらか、あるいは両方にすでに子供がいる場合に再婚する場合だ。この場合、金銭を別々にしておくことで、それぞれの配偶者が結婚前に取得した資産が、死後、その子供たち(彼女の希望であれば)に確実に渡るようにすることができる。

「自分の財産が配偶者に渡り、その子供たちに渡るようなミスは避けたいものです。「結婚する前に財産設計を整えておきましょう。


日本については、ゼクシィの記事を読みましょう。


共働き夫婦の「家計の管理方法」は全5パターン!ふたりに合うのは?

結婚すると、お金の流れは大きく変わります。ふたりで分担・協力して生活費を支払い、貯蓄を増やしていくには、さまざまな管理方法がありますが、自分たちにはどんな方法がいいの?と迷う夫婦も多いのでは。そこで、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんにそれぞれの管理方法のメリット・デメリットを取材。ぜひ、参考にしてくださいね。

【1】項目別に支払いを分担する方法

「結婚前と生活が大きく変わらない夫婦」におすすめ

例えば家賃と光熱費は夫、食費などは妻、通信費はそれぞれ、などと出費の項目ごとに担当を分ける管理方法。もともと一方が住んでいた家に、もう一方が引っ越してくる場合などにも取り入れやすく、わざわざ話し合いをしなくても自然とそうなることが多いという意味でメジャーな方法です。

【メリット:節約のアイデアが浮かびやすい】
例えば通信費に強い人が通信費を担当し、この新プランがいいらしいよ、などと節約のアイデアが浮かびやすくなります。ふたりがすべての項目に詳しくならなくても、興味のある方が詳しくなればお得な情報を得ることができます。

【デメリット:金額がフェアになりにくい】
それぞれが負担する金額をフェアにするため、誰が何費を負担するといった項目の組み合わせをよく考える必要があります。出ていくお金を割り振るだけで、そもそもいくら入ってきているのかといった家計の全体像を把握できず、お金が貯まりにくい方法です。

【2】お互いに、毎月定額を共同口座に入れて管理する方法

「お金の負担もフェアでいたい夫婦」におすすめ

例えばお互いに月収の6割を家計に入れよう、などとルールを決め、その中で生活費をやりくりする方法。それ以外は自分で自由に使えるお金として残すことができます。ふたりとも同等の収入を得ている夫婦の多くが採用している方法です。

【メリット:公平性が高く導入しやすい】
それぞれの月収に応じて決めるので公平性が高く、シンプルで導入しやすいのがメリットです。毎月◯万円ではなく、月収の◯割、というように「割合」で分担すれば、生活の変化があって収入が減ったときなどもすぐに見直しができ、公平性を保ちやすくなります。

【デメリット:口座の管理に工夫が必要】
この方法で注意が必要なのは、日本の銀行は個人名でしか口座を作れないということ。例えば夫の口座に生活費・貯蓄をすべてまとめてしまうと、夫が亡くなったときに口座が凍結され、引き出すのに大変な手続きを要することになってしまいます。解決策としては、夫名義の生活費口座、妻名義の生活費口座を2つ持ち、それらを家計簿アプリの中で連携させること。アプリ上では共同口座として管理することができます。

【3】ふたりのお金を1つにまとめ、ふたりともお小遣い制にする方法

「とにかく貯めたい夫婦」におすすめ

最初にすべての収入を合算し(実際の運用としては、夫か妻どちらかの口座に全額を入れ)、その中からそれぞれのお小遣いを取り、残りをすべて生活費や貯蓄にする方法。

【メリット:お金が貯まりやすい】
入ってくるお金も出ていくお金もすべてふたりで共有していくので、お金がとても貯まりやすい方法です。お小遣いの上限が決まっているので節約の意識が高まります。

【デメリット:自由になるお金が少なくなりがち】
自由にお金を使っていた独身時代と生活スタイルが大きく変わり、支出がすべて明るみに出ることに負担を感じる人もいるでしょう。前出の【2】と同様、万が一の際に口座が凍結されるリスクがありますが、家計簿アプリを活用することで解決できる点もあります。

【4】夫婦どちらかの収入を生活費、どちらかを貯蓄にする方法

「使う・貯めるをシンプルに分けたい夫婦」におすすめ

一方の収入だけで生活をやりくりし、もう一方の収入をまるまる貯蓄に回すという方法。一般的には、妻が一時的に仕事をセーブするなどで収入が減る時期が訪れやすいので、妻を貯蓄担当にするケースが多いでしょう。

【メリット:一方の収入が減っても生活費が変わらない】
一方の収入だけで生活する習慣を築き上げ、もう一方が働けた分だけ貯蓄ができるという形を作るにはとても有効。一方の働き方が変わって収入が減ってもそれほど困らずに済みます。生活費として想定する金額の目安を最初から落とせるため、自動的に生活コストの肥大化を防げます。

【デメリット:本当に貯蓄できているか疑いが発生しやすい】
本当に公平なのか、情報共有がしっかりできないと難しいやり方。貯蓄担当は本当にすべて貯蓄に回しているということを伝えないとフェアではないので、その情報を定期的に開示することが前提となります。また、ふたりの収入バランスも重要。貯蓄担当の収入が圧倒的に低いと、必要な割合の貯蓄ができない可能性があります。生活費担当の収入が十分でない場合も、貯蓄担当の口座に本当に手を付けずに続けられるのか熟考が必要です。

【5】得意な方がお金の管理をして、1人だけお小遣い制にする方法

「どちらかがお金の管理が得意な夫婦」におすすめ

ふたりの収入を合算し、家計管理の得意な方がすべてを管理し、もう一方にお小遣いを渡す方法。片働きが多かった時代からあるオーソドックスな方法です。【3】の方法と似ていますが、一方のお小遣いは定額、もう一方のお小遣いは家計の中から出る点が違います。

【メリット:家計管理の得意な人がいれば貯まりやすい】
家計管理の得意な人、時間的にゆとりのある人が管理を担当することで、お金に関わる時間を夫婦で最適化しやすいのがメリット。仮に一方がお金にルーズであっても、もう一方がしっかり管理できれば貯まりやすくなります。

【デメリット:公平感を保ちにくい】
一方はお小遣い制、もう一方のお小遣いは家計の中から出るので、管理する側のお小遣いが不透明。家計管理を担当しない側の納得感が得られるかどうかに課題が残ります。家計管理を担当する側が、しっかりと情報を開示できるかどうかがカギとなります。

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